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プロジェクトマネージャーのお仕事

IT業界に関わったことがある人ならほとんどの人が聞いたことがあるプロジェクトマネージャー、略してPM。
なんとなくは分かっていてもその人の立ち位置などで理解度は異なってくるものです。
中にはリーダーと見分けが付いていない人もいますので、今回はPMという仕事はどんな仕事なのか見てみましょう。


PMの役割とは

プロジェクトの全体計画立案、進行管理

PMの役割で個人的に一番重要だと思っているのはこの『計画立案』です。
早いタイミングでは営業活動中からPMの仕事は始まります。
工数を算出し、体制を考え、プロジェクトが完了まで運営できるのかどうかを考えるという非常に難しい内容に取り組む必要があります。
それがクリアになり顧客と社内の承認が得られてはじめてプロジェクトは開始されるのです。
そして次に進行管理、すなわちスケジュール管理ですね。これは有名なタスクですし見たことがある人と思います。
WBSを作成し各メンバーの進捗を確認し遅れがあれば手当をする。日々プロジェクトが無事に推進するようにします

チームメンバー間の連携を促進・調整役としての役割

スケジュール上のタスクの割り振りだけではなく、それぞれの役割を持つプロジェクトメンバー間の調整も大切な仕事です。
例えばアーキテクトとメンバー間で認識のズレなどを素早くキャッチし課題として捉えすり合わせをしたりします。
課題が出たあとの調整ももちろん大切なのですが、表面化していない問題をキャッチアップするという『気配り』もとても大切な仕事です。

ステークホルダーとのコミュニケーション

エンドユーザーのシステム開発などを手がけるプロジェクトを進めていると、大抵週次のプロジェクト進捗報告などがあります。
そこにはお客さまの役職の高い方から現場の責任者の方までずらっと揃った中でプロジェクトの進捗状況を正確に、そしてわかり安く説明する必要があります。
私も経験はありますが何度やっても全く慣れません(笑)
間違った事はやっていないと思っていても正しく伝わっているか心配になるんですよね。
さらに言えば遅延、炎上しているプロジェクトではまさに「針のむしろ」。
こんなに苦しい打合せは後にも先にも存在しませんでした。

予算やリスクの見極めと品質・課題管理

これも重要な役割でお金のコントロールはPMの仕事になります。
計画段階での予算管理と実績の差異を把握し、お金がまだどれくらいありどこまでの仕事ができるかを把握しておく必要があります。
予算が足りなくなってきたらバッファから持ち出すのか現有メンバーに頑張って貰うのか判断するのもPMの仕事です。
先に見えているリスクのためにお金を残しておく必要がるかなども検討する必要があります
また、品質や課題管理も重要な課題です。
品質を担保するために必要な課題管理、問題管理など見える化することでプロジェクトの現在位置を明確にします。

PMに求められるスキル

ハードスキル(技術面)

PMで一番使うツールはJIRAなどのプロジェクト管理ツールです。
私もRedmineで課題管理を1日中やっていてエンジニアの皆さんが帰宅すると自分のタスクをするという日々を過ごしたことがありますw
またスケジュールやリソース管理の知識も必要になります。
私が知っていて助かったのはPMBOK(PMの資格)にもあるのですがEVMという考え方です。
例えば10日で終わると思った仕事が12日掛かりそうだとします。
その場合不足工数は実は2日ではありません。10日で見積もった人が12日掛かるわけですから、その人の見積は120%で計算する必要があるわけです。
ですから2×1.2の2.4日は掛かると考えます。
n日遅れます、やっぱりもうn日遅れますって人はこれが原因です。
お客さまに「やっぱり」は厳禁ですからPMの人を知っておく必要がありますね。
もう一つ個人的に思っているのは『実装力』です。
これはスキルから除外されることも多いのですが私はあまり賛成できません。だって例えばJava案件でJava実装できない人のスケジュールをエンジニアの皆さんは納得できますか?なんか引っかかりますよねw

ソフトスキル(マインド面)

技術面とは別にマインドセットとして必要な事もあります。
リーダーシップがなければ人は指示を聞いてくれないしモチベーションを落とすような人はプロジェクトの士気に関わります。
コミュニケーションが苦手、という人では円滑な情報交換が望めませんし意思決定力がなければ優柔不断なプロジェクトになるでしょう。
冷静さがなければ怒号が飛び交うこと間違いなしですw
ですがどれも「秀でている」必要はありません。
常識的な範囲で適切に行えれば問題ありません。
ただ、この常識的、が他人とズレていると大変かもしれませんね。

もしもPMになったら

全てを自分で抱え込まない

もしあなたがPMになったらまずは全てを抱え込まないように気を付けてください。
自分で頑張って終わらせた、は美談に聞こえますが実際は全く美しくありません。それはタスクを振る能力が欠けているだけであり、無駄なコストを発生させている事に気付く必要があります。

過度なマイクロマネジメントは避ける

一人ひとりが今日何をしてるかガチガチに管理するのはあまり良い結果を生むことはありません(ただし炎上時にどうしてもやらなければならない場合はあります)。
基本的にはエンジニアの皆さんの自主性を尊重し、ただし何かあればすぐにキャッチアップする仕組みや感覚を身につけましょう。

曖昧な指示をしない

指示がフワフワしているとどうしても違う方向に走ってしまう人がいます。
ズレた作業は工数の無駄ですし作業している人もガッカリしてしまいます。
ゴールを明確にし作業者が迷わないようにする事を心掛けましょう。
丸投げは論外ですよ(笑)

リスク管理を怠らない

こんな事になるとは思わなかった、想定外、といった言葉は優秀なPMほど口にしません。
「こんな事もあろうかと」という言葉が昔流行りましたがこれこそがPMの理想的な心がけです。
なければないに超したことはないのですがどんなリスクも心掛けておく事がスムーズなプロジェクト推進に繋がります。

感情的にならない

トラブルの時ほど冷静に対処する事が大切です。
特にお客さまからお叱りを受けるとどうしてもあわ食ってしまいますがそんな時こそ落ち着いて対処しましょう。
慌てると見えない出口もちょっと落ち着くと見える事もあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
プロジェクトマネージャーというお仕事の全体像に対する解像度が少しでも上がってくれると嬉しいです。
よくスケジュール管理だけ経験して「PM経験あります!」と豪語する人がいますが、PMというのはご覧の通り計画を立て、お金を管理して始めて経験したと言えるレベルのものです。
自分のスキルや経験を正確に把握し、適切なアピールを心掛けてほしいものですね。

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