シスポの保護猫活動記録10:強敵・パルボウィルスに打ち勝った奇跡の子猫
こんにちは!シスポで保護猫活動をしているかっちゃんです。
前回話した、3匹の子猫たち(シスポの保護猫活動記録9:ルナに、3週間限りの妹たちがやってきました)を無事に里親さんにお迎えしてもらい、ほっと一息ついている時に、再び保護猫団体さんから
「今度は姉妹の子猫2匹を人馴れさせてもらえませんか?」と相談をいただきました。
どうやら今回も保護したての、人馴れはしていない子猫のよう。生後3カ月の姉妹猫だそうです。
性格については「ちょっと臆病」とのことなので、手強いでしょう…!
少しずつ距離を詰めていけたらと思います。
さて、こちらがやってきた子猫たち。
左側がキジ白の猫さん、右側が白が多めの白黒猫さんですね。
姉妹でぴったりくっついて、箱から出てきてくれません。
う〜ん…やっぱり警戒心が強いです!
ただ、今回の子たちは食いしん坊。
ご飯をあげたら、すんなりと箱の外で並んでくつろいでくれるようになりました!
もしかすると今回の子たちは保護される前から、ご近所の方々からご飯をもらっていたのかもしれませんね。
様子を見ていると、あまり人間に対して恐怖心を持っていないように思えます。ここ数日間は、新しい環境に警戒をしていたのでしょう。
そう考えると人馴れも早く、人前でも無防備な姿をすぐに見せてくれそうです。
と思っていると早速…。
完全にくつろいでいます(笑)。
丸くなって無防備に眠る姿、かわいいです…!
こうなるまで、わずか2、3日。
譲渡会に出しても大丈夫なくらいにまで人馴れしてくれました。
ちなみにルナは、まだここまで無防備な姿を見せてくれません(笑)。
それぞれですよね!
というわけで、早速保護猫団体さんに「この姉妹なら、近々譲渡会に出せそうです」と連絡。そして今週末の土日に試しに出してみようということになりました。
よかったよかった。あっという間に家族が見つかるかもしれない。
…その次の日のことです。
午前中から、上の写真でくつろいでいた白黒の猫さんが吐いています。
多少吐いても食欲と元気があれば心配ありませんが、白黒ちゃんは何度か吐いて、少しずつぐったりしてきました。
焦りながら、その日のうちに動物病院に連れて行って診てもらうと、脱水症状が出ているので点滴をしてみるとのこと。
さらに、一晩入院して様子を見てみることとなりました。
「明日には元気になっているといいな」
そう思いながら帰宅すると、20時ごろに動物病院から電話が。
なんと、白黒ちゃんが天国へ旅立ったというのです。
…信じられません。
朝の段階はまだ元気で食欲もあったのです。姉妹で食べていた姿が浮かびます。
なのに、なぜ?
動物病院の先生も、症状が出てから旅立つまでがあまりに早すぎたことが気になり、念のため検査をして原因を調べてくれたそうです。
話を聞くと、「パルボに感染していた」とのこと。
猫界最強最悪のウィルスである「猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)」、みなさんはご存知でしょうか?
子猫の場合、発症した場合の致死率は90%前後と言われています。
そして、同一空間にいる免疫を持たない子猫への感染率はほぼ100%。
つまり、姉妹の片割れであるキジ白ちゃんも、すでに感染している可能性が非常に高い。
発症した場合はキジ白ちゃんも…。
そして同じ室内で生活していたルナも成猫とはいえ危険です。
動物病院のスタッフさんに現状を説明したところ
間に合うかはわからないけど、すぐにワクチンを打とう!と仰っていただいたので、急遽キジ白ちゃんとルナにワクチンを打ってもらいました。
お願い!間に合って…!
さらに、猫さんたちが暮らしている環境も綺麗にしなければなりません。
パルボウイルスはアルコール消毒も効かない、しぶとく強力なものなのです。
早速、次亜塩素酸水で白黒ちゃんのいたケージやトイレを消毒し、触れたタオルやキャリーバックは全て廃棄処分しました。
がんばれキジ白ちゃん!
妹の分まで生きて!…いや、一緒に生きよう!
合わせて保護猫団体さんにも連絡を入れました。
潜伏期間を考えると、保護猫団体さんの家にいた時、少なくとも白黒ちゃんには感染していた可能性が高いからです。
これ以上、犠牲者を出さないために徹底した消毒を行わなければなりません。
そしてワクチン接種から2週間後、キジ白ちゃんは発症せずに生き延びてくれています!
ルナも元気です。
ほぼ100%感染していたと思われますが、奇跡的に発症せずに助かりました。
もう顔を触っても嫌がらず、喉をゴロゴロ鳴らしてリラックスしてくれるようになりました。
そして更に1週間後、念願の譲渡会に出すことができ、里親さんも決まりました。
パルボに打ち勝った奇跡の猫です!
妹の分も幸せに、どうか、どうか長生きしてね。
パルボウイルスはワクチン接種により、ほぼ感染を阻止できると言われています。
子猫にワクチンは必須。
改めて思い知らされました。
これからも多くの命を救うため、肝に銘じて活動していきます。
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