「舞台キングダム」を観劇した話。
「舞台キングダム」を2月から3月にかけて帝国劇場で3回、梅田芸術劇場メインホールで1回観劇してきたので、その感想を。全体の感想、総まとめ以外の項目では若干のネタバレ含んでます。札幌で観劇予定の方はお気をつけください。それではどうぞ。
全体の感想
正直なところ、原作漫画の絵柄があんまり好みじゃなくて、勝手に毛嫌いしてたんだけど、いい意味で見事に覆された。学生時代にしてた本屋でのアルバイト時代には分からなかった、キングダムがよく売れる理由がなんとなく分かった気がする。
とりあえず何にも予習できてなかったから、初日の行きの新幹線で実写の映画を見たんだけど、そのおかげか話の内容もよく 分かって、物語の世界観にスッと入っていけた。
始まってしまえば、ほんとにあっという間で、開演から休憩までと休憩後から終演までが早すぎた。3時間がこんなに早く過ぎたの久々だった。殺陣が多いから迫力すごいし、見ごたえもかなりあって、一気にキングダムの世界観に引き込まれた。推しのお芝居はもちろんだけど、他のキャスト陣も豪華なだけあってめちゃくちゃすごかった。語彙力なさすぎてうまく表現できないのがもどかしいんだけど、舞台セット、照明、音楽、全部が本当にすごかった。Wキャストで人が変わったらまた見方がいろいろ変わるんだろうなぁとか、組み合わせでどんな化学反応が起こるんだろうとか想像するのもまた楽しい。初日は目の前で繰り広げられる物語についていくのに必死で、全然ゆとり持って観れなかったけど、観劇を重ねるにつれて推しを中心に視野広く観られた気がする。
【推しのお芝居】
まずは、推しの嬴政と漂の演じ分け。切り替えがはっきりしてて、嬴政と漂では表情から佇まいから全然違う。嬴政のときは冷静で凛としてる、逆に漂は表情が豊かにみえた。回想シーンでの瞬時の切り替えはもうお見事。声のトーンも信への接し方も全然違うから絶対どっちかに引っ張られそうなのに、それが見えないから本当に流石としか思えない。特に声のトーンは漂と嬴政で全然違ってただただすごかった。普段の推しに近いのは漂、嬴政は普段のトーンより結構低くしてる気がする。お芝居しているときは推しだけど推しじゃない状態だから当たり前なんだけど、普段の推しと違いすぎて不思議な感覚だった。改めて、推しのお芝居の振り幅の広さに圧倒させられた。
1幕、2幕の随所にある殺陣のシーン。漂のときはまだしも、嬴政のときは衣装の袖を持っての殺陣、大変そうなのにすごいしなやかにやってて推しから目が離せなかった。めちゃくちゃかっこよかった。元々、アクロやったりキレキレでダンス踊ったりするからそういうのは見慣れてるはずなのに、推しの新たな一面が見れた感じがした。
紫夏とのシーン。このシーンがあったからこそ、嬴政がどんなキャラクターなのか分かったし、信と同等の主人公なのかなと思った。あそこで推しのお芝居の真骨頂を見せられた気がする。涙をぽろぽろと流して鼻を真っ赤にして泣いている推しを観て、お芝居だと分かっていてももらい泣きせずにはいられなかった。
最後の信と嬴政の勝負のシーンは、1幕頭の信と漂の勝負を彷彿とさせるようなシーンで、2人のジャンプしたシルエットで終わるの最高すぎ。メインテーマのブラスのメロディーも相まってめちゃくちゃかっこいい。このとき推ししか見てないから三浦くん高野くんがどれだけ飛んでるか定かでないんだけど、推し飛んでる時間長くない?めっちゃ飛んでる気がするのは気のせい…?贔屓目なだけ…?
【Wキャスト】
Wキャストも嬴政以外は見れたかな。でもトリプルキャストの子役ちゃんたちは網羅できず…信も漂も1人ずつ見れてない。こればっかりは当日でないと分からないから仕方ないんだけど、子役トリプルキャストも全員見たかったなぁ。
牧島くんの嬴政は推しを優先したいから現地で見れなかったけど、(札幌公演楽日に配信決まったので、牧島くんの嬴政も観られます!楽しみ!)演じる人によって役に対するアプローチの仕方が違うから、人が変わるだけで見え方が全然違って面白い。Wキャストのいいところってそういうところだと思う。
Wキャストそれぞれの違いを全部書くとめちゃくちゃ長くなるので、信を例にすると、三浦くんと高野くん、2人とも見たけど冒頭の漂と2人で仕事を終えて帰ってきたときのシーンや、漂が王宮に行ったあとの鍛錬のシーンは全然違うものだった。全然違ったからこそ、ここはアドリブで演者が自分で考えてやってるんだなと。他にも人によって違うところがたくさんあって比較が本当に面白かった。
壁と河了貂と紫夏以外のWキャストは2回ずつ見たけど、やっぱり好みはあった。どっちかが嫌だとかはないけど、強いていうならこっちが良いかなみたいな。でも信に限っては2人とも好きだったかも。まぁわたしの場合、チケット取る段階では推しの出演日しか見ないから、キャストが偏ることもよくあるんだけど、今回は地方も含めればまぁまぁ平等に取れたかなって感じ。
【カーテンコール】
カテコでは、推しも達成感たっぷりの顔してて、わたしも嬉しくなったし、今まで稽古で作ってきたものが観客に届いた瞬間ってこのことなんだなぁって思った。文句なしのスタンディングオベーションだったと思うし、帝国劇場、梅田芸術劇場メインホールの板の上に立つ推しは本当にかっこよかった。キラキラ輝いてた。君嘘のときもそうだったけど、カテコになると推し自身がきちんとおりてくるの、ほんとにかわいいし、素の推しがやっぱりいちばんだから、わたしにとってはありがたい。はけるときも信と嬴政だけは後ろに下がってはけるから、そのときの2人の空間素敵だったな。最初はもちろん、2回目以降の出てくるときにがっちり握手してたりハグしてたり、はけるときに背中ぽんしてたり、友だち同士が別れるみたいにばいばーいしてたり、本当に尊い。いい関係性すぎる。特に初日のカテコ2回目は尊かった。両サイドから出てきた推しと三浦くんがハグしたかと思ったらそのままくるんって回ったのを見て倒れそうだった。
他のキャストの方々もそれぞれ人となりが垣間見えてて良かった。カテコって劇中には見えないその人の素が唯一みえるところだから好き。何回だって見たい。(まぁ役が憑依したままで素が全然出ない人もいるけど。)マチネのカテコには子役ちゃんたちも出てきてて、めっちゃかわいかった。それに出てくる度に子役ちゃんとハイタッチしてて劇中とは全然違う推しが垣間見えて本当に可愛かった。(ハイタッチ用にスタンバって子役ちゃん来るの健気に待ってるのズルい。ワンコかよ。)
大阪公演は千穐楽だったのもあって、高野くんと推し、祐さまが挨拶したんだけど、祐さまの素が意外すぎてびっくりした。あれだけすごいお芝居されるからどんなお人柄なのかなとは思ってたけど、めちゃくちゃぽわぽわしてて、とてもキュートな方だった。推しは、本当に声出しでの反応が嬉しかったんだねっていうのが挨拶の要所要所で伝わってきて、わたしも嬉しかった。特に挨拶の中で、高野くんのことを“洸”って呼んだとこは天てれ懐古厄介オタクのわたしにとっては胸熱だった。最高すぎ。噛んじゃったところも「政のときは噛んでなかったよね」って言ったところも可愛かったし、そういうところはわたしの好きな推しだぁってにこにこした。
【生オーケストラ】
やっぱり生オケっていいな…って改めて実感した。シーンごとでそれぞれテーマ曲みたいなのがあって、どれもすごくかっこいい。耳に残るメロディー、伴奏、リズム。しばらくは脳内再生が止まらなくなりそう。サントラ出ないかな…めちゃくちゃほしい。頭と終わりに流れるメインテーマは特にかっこよかった。始まりであり終わりであり、まだまだ続いていく感じがした。まぁ続編あるかどうか、あったとしても推しがキャスティングされるかは不明だけど、映画みたいにあったらいいなとは思う。
初日以降、Twitterのパブサで絶対見かけたのが、「ミュージカルかと思ってた」とか「キャストからして絶対歌うでしょって思ってたのに、いつまでたっても歌わなくてよく見たら舞台だった」とか。確かに生オケだし、今回のキャスト陣見たら誰だってミュージカルだって思うよね。誰が歌ってもおかしくないほどのキャスト揃ってるもん。よくよく考えると、本当にミュージカルでもないのに生オケって贅沢すぎる。でもわたしみたいに生オケ大好き人間からしたら最高にたまらない。舞台でもミュージカルでも詳細が解禁された段階で、スタッフの中に指揮者がいるかまず探すくらいには好き。開演前のチューニングの音が聴こえた時点でテンションぶち上がる。オケピから聴こえる生音が最高に好きなんだけど、キングダムはオケピの部分まで舞台がせり出てるから個人的にはちょっと寂しい。演出の都合上難しいんだろうけどやっぱり寂しい。オケの人たち、最後までどこで演奏してるのか分からなかったなぁ。舞台の裏なのか袖なのか、でも役者の移動やセットの移動もあるし…ってぐるぐる考えたけど結局分からずじまいだったのがちょっと悔しい。劇場毎で響き方も変わるからそれにあわせてクオリティ落とさずに演奏されてるのも流石としか。やっぱり生オケ最高!
【座席からの見え方】
今回持ってたチケットは、帝劇3公演すべて下手、梅芸上手というまぁ両極端。推しのFCで初日と大阪千穐楽取ったのにセンブロ座らせてくれない鬼畜。初日はサブセンだったけども。なんだこれ。って初日までは思ってた。でも観劇したら手のひらくる〜。漂も嬴政も下手側よく来るし、カテコも出てくるの下手側からだからある意味ラッキーだったかもしれない。たまたまだとは思うけど、わたしの座ってる真正面でお芝居してる推しは美しかった。
大阪は上手だったから、見え方的には東京とは違う見方が出来た。下手から観ていたものを上手から観ると見えないところとか見えにくかったところが分かって面白かった。でもやっぱり漂も嬴政も下手からのほうが圧倒的に見やすかったし、下手でお芝居してることが多かったかな。まぁどこに座っていようが推し定点してるからあまり関係ないけど。
総まとめ
舞台キングダム、推しの出演が決まった当初は嬉しかった反面、原作の絵柄が苦手で未履修だけど大丈夫かという不安でいっぱいだった。しかも追加キャストが出た時点で倍率どうなるの…というほどのキャスト陣(宝塚、2.5、声優、乃木坂、ジャニーズという界隈ごっちゃ混ぜ)で絶対複数回は行けないと思った。そんな中でも帝劇3公演、梅芸1公演で計4公演観劇できて本当に嬉しかったし、幸せでした。推しはいつも素敵な作品と出逢わせてくれるから、勝手に毛嫌いしていた原作も少しは好きになれた気がする。今度はコミックも読んでみようかな。巻数えぐいから、せめて舞台のもとになった1巻〜5巻くらいまでだけでもね。
個人的には、東京公演、大阪公演で見納め。気持ち的にはちょっと悔しいし納得してないけど、こればっかりは自分の財力を恨むのみ。次の現場で発散するまで。帝劇と梅芸で推しは最高のお芝居を見せてくれたので、これが最後の地、札幌でどう変わるか、気になるところだけれども。東京、大阪、博多と順調に各地で千穐楽を迎えて、残りの札幌公演、どちらも推しはもちろんカンパニーの皆さん全員が欠けることなく、駆け抜けられますように。舞台キングダム、ありがとうございました。
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