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10代のあなたに届けたいコラム:大切な思い出は消えない宝物



みなさんは、自分にとって「特別な場所」ってありますか?

他の人から見たら「そんなの大したことないじゃん」って言われるかもしれないけど、自分の中では絶対に忘れられない、そんな大切な場所。

私にとって大切だった場所

私にとっては、生まれ育った街にあった伊勢丹というデパートでした。今はもうなくなってしまったその場所で、私は母との最高の思い出をたくさん作りました。

小学生の頃、母は時々「アイス食べに行こうか」と私を伊勢丹に連れて行ってくれました。地下街のアイスクリーム屋さんでバニラアイスを一つ買って、お店の前のベンチでシェアしながら食べるのが定番でした。今となっては味すら正確に思い出せないのに、不思議なことに母と一緒にアイスを分け合って食べていた時の幸せな気持ちだけは、まるで昨日のことのように鮮明に覚えています。

同じく小学生の頃、土曜日の午後は英語スクールの時間でした。正直言うと、3時間も英語だけで過ごすのは緊張して憂鬱でした。でも、天気がよく晴れた日はスクールの前に母が伊勢丹1階にあるカフェに連れて行ってくれました。数ヶ月に一度でしたが、そのカフェに行くのが私の密かな楽しみでした。大きな窓から見える青空の下、メープルシロップとアイスクリームをたっぷりかけたパンケーキを前に、母と今週あった出来事を話す。コーヒーの香りが漂う店内で過ごすその時間が、緊張でギュッと縮こまった心をホッと解きほぐしてくれました。

「どうでもいい」と言えなかった本当の気持ち

私が高校生か大学生になった頃、突然「伊勢丹が取り壊されることになった」というニュースを聞きました。友達は「別に自分が買い物してた場所でもないし、どうでもいいよ」って軽く流していました。それを聞いて、初めは私も「だよね!」なんて同調していました。でも、そう口にした瞬間、私の心は「違う!どうでも良くない!」と叫んでいるような気がしました。
「母との思い出が詰まったあの場所は私にとっては大切なんだ」。自分の正直な気持ちに気がついた瞬間でした。気がついた時、今後は小学生の頃に見たあの景色を、二度と見ることができない。という事実を受け入れるのがとても辛かったです。

大切な場所がなくなって今感じること

月日が流れ伊勢丹がなくなって新たにマンションを建設中の今、私の心の中であの場所の「思い出」は生き続けています。一年に一度、用事があって伊勢丹のあったあたりを訪れると、まるでタイムスリップしたように、母とアイスを分け合って食べていた日々が鮮やかによみがえってきます。アイスを分け合った思い出、パンケーキの甘い香り、窓から差し込む陽の光、母との何気ない会話...。それは15年近く経った今でも、誰にも壊されることのない、私だけの大切な宝物として頭の中に刻み込まれています。

まとめ:心に刻まれた思い出は、永遠のきらめきとなる

もしかしたら、あなたにも似たような経験があるかもしれません。大切な場所がなくなったり、思い出の品をなくしたり、慣れ親しんだ環境から離れたり...。その時は確かに寂しくて、胸が痛むほど辛いかもしれません。
ですが、覚えていてほしいことがあります。「本当に大切な思い出は、決して消えることはない」ということです。むしろ時間が経つほどに、あの時の気持ちや情景が、より鮮やかに、より温かく、心の中で輝き続けるんです。
それは、誰にも奪われることのない、あなただけの永遠の宝物になるはずです。​​​​​​​​​​​​​​​​

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