アメリカでU2のライブを見ることができるのか!? チケットを持たずに出発!⑥
その⑥ ♪Love is all we have left ♬
ブロック・レスナーは、最近ではアリスター・オーフレイムにTKO負けしているとはいえ、あのランディ・クートゥアやフランク・ミアをKOした経験もある元UFCヘビー級チャンピオンなのです。
(僧帽筋が半端じゃない)
などと格闘技ネタを語っている場合ではない!
私の左手首がブロック・レスナーにつかまれ、チキンウィング・アームロックか、もしくは腕ひしぎ逆十字固めの体勢に移行されようとしているのです。
でたー!チキン・ウイング・アームロック!(キムラロックとも言う)
「痛いのだけはヤダ~!」 心の中で泣き叫ぶ私。
ついにブロック・レスナーが・・・
私の・・・
手首に・・・
赤い紙のリストバンドを巻きつけた・・・
「えっ!??? ワッツ?」
私のかよわい腕は、レスナーの丸太のような腕から開放された。
「Enjoy the show !」 と微笑むレスナー。
そうか!このリストバンドは、アリーナ席の通行許可証だ!
(これがあるとアリーナ席へ入れます)
アリーナ席に入り、まるで刑務所からの脱獄に成功したティム・ロビンスのように(映画『ショーシャンクの空に』より)、この世の楽園を謳歌する私・・・。
(当然だが周りはアメリカ人ばかり。緊張する)
ここまでの長い道のりが頭の中を駆け巡る。
チケットが届かなかったこと。
ESTAを羽田空港で慌てて取ったこと。
ナッシュビルに着くはずが、シンシナティに着いてしまったこと。
QRコードを何回スキャンしてもビットコインのアプリだったこと。
ありがとう! 羽田空港でESTAの申請方法を教えてくれた係の女性!おかげさまで出国できました。
ありがとう!シンシナティのデルタ航空のおじさん!おかげでナッシュビルに無事到着できました。
ありがとう! ブロック・レスナー!とても怖かったけど、今はキスしたい気分です。
ありがとう! Facebookで応援してくれた友達!温かい言葉をいただき、まるで一緒にコンサートへ行っているようでした。
ありがとう! アメリカへ送り出してくれた妻と子!次は家族4人でアメリカへ行こう!
いつも斬新なステージで驚かせてくるU2。今回は何が飛び出すか?
40年間、脱退もメンバー交代もない、不動の4人組。
あっ! 会場の照明が消えた・・・Bonoの歌声が聴こえてきた!
♪Love is all we have left ♬
立ち見席のため、あえてメインステージを捨て、セカンドステージにかぶりつく。
Bono が一番近づいた瞬間。私からの距離、わずか3メートル!
サイコー!
近い近い近い、ちかーい!
30年間、U2のファンだった。そしてこれからも・・・
音は常に変わっても、主張は一切変わっていない。そこがU2の魅力。
感動をありがとう!
感動の余韻さめやらぬステージ
完。