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ノーiPhone
今朝は夢も無くて、気分よく出勤の準備をし早めに、いつものハミマ駐車場に着いた
派遣の若者と彼等を拾うワンボックスの運ちゃんで、ごった返すいつもの店内風景はそこにはなかった
1台も停まっていないし今日はやすみの日なのか
何もかもやすみの日って実現はしないのだろうね
その時気づいた!iPhone持っていない自分に
自宅へ戻り帰っても充分間に合う
だがそこで躊躇した
脳裏に浮かんだ何もかもがやすみの日の妄想が影響しiPhone持たない1日だっていいんじゃないか
勤務は24時間丁度よいかも
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かくしてノーiPhoneの1日がはじまった
来客予定も皆無
先ずやりたかったことは「日榮社の要説漢詩」の読み返しメモ帳を出して、好みの漢詩を1字1句丁寧に鉛筆で綴ってみる
陶潜の雑詩なんかね人生根帯無シ…人生にはもともとしっかりした根もとはないのだと…云々
ゆっくり吟味して習字
歳月人ヲ待タズ 書き終える
下手ながら心地はよい
メモ帳の下辺の空間が気になる
そうだ挿絵しよう
丁度目の前の池の畔につがいのオオバンがいる
鉛筆ついで、一発描きで、2点スケッチしたからどちらかを選んで漢詩の下辺の空間に入れよう
眼や嘴をみせた姿より、お尻を向けつがいで向こうの面を望んでいる創造性のある方が良いかもしれない
早速、下辺右三分に描き写す
こんなことで普段感じない満ち足りたいっときを得たようなものだ
さて、次は午前の巡回である
今日の遠州は春に近い陽気だからこころも弾む
たっぷりと歩くとしよう
1番西の敷地境界へりまで行って桜並木沿いに山までなだらかに登ってゆく
いつもの根性の桜から枝の芽を探す
今年は全てが遅れている
この冬将軍のためだ
登り切るまで10数本の桜を丁寧に観察していった
気づいたのは、皆、おわりが近づいている
老いて弱っている
他人事ではない、はっと我が身を振り返った
山を降り途中の誰も使うことのないサッカー場
妙に落ち着く
そうだ、夜いつも星を観るとき使うベンチに腰を掛け春の日差しに目を瞑り、しばらく己の瞼に投影される舞台は如何
おお、気持ち良い頬に当たる風の音と、木立の騒めき、鳥の囀り
なにもない
自分をさがす
明るい瞼のスクリーンは与えられたもの、吹く風はなんという、山はみているだけ
ありがたい
感謝の想いに溢れる
天も風も山も、わざわざみまもっていてくれるわけなどない
ただ正直でいたい
勇気をふるって
正直でいたい
そして愛を感じ
愛を尽くすひとのために
生きるひとを尊敬しよう
自分のために生きるのではない
人のために生きるのだ
なんどと(どういわれようと)
これ以上考えたくない
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さあ帰ろう
池の西では、派手な新撰組ふうのオス鴨がサーフィンしてパフォーマンス
池の真ん中あたりオーバン三羽縄張りを仕切っている
鳥は共通する言語があると聞いたことがある
争いごとはないようだ
お天道さまは、おまえだけ照らすのではない
風はおまえの虚栄に満ちた言葉をすべて吹きさらう
そこにいたのは、素直になりきれない中途半端で惨めな独りぼっちのおまえの張りぼて
すなおになれみえをはるなじぶんをまもるな利するなささげよ愛を尽くせ
感謝
#大場章三
#陶潜
#グッデイカフェ