見出し画像

雲のジンジュウロウ1

秋の涼風に誘われ今朝の巡回ウォーキングは山裾の金網に沿って敷地境をたっぷり歩いた。途中の抜け道で宙に浮く小さな多数のUFOを見た?えっ!否!
連なる三層の面で、行く先を封じた大掛かりな蜘蛛の巣だ。つがいの蜘蛛。子蜘蛛もいる。
既の所で突進し.雲のジンジュウロウ.一家の虜となるところであった。見た事もない美しい3D構造。抜け道といっても幅は2〜3mはある、僕は此処にあらかじめ呼ばれたのではないかとおもったほど。しばらく見惚れた。立派で美しい糸が光っている。来た道を戻り、100mほど遠回りして蜘蛛の城を壊さぬよう迂回したのであった。     
 子供の絵本の如き妄想が湧く。僕は全身をがんじがらめに蜘蛛の網に捕らえられ直立のまま、数時間身動きができない。そこへこぶし大の、あるじ蜘蛛,雲のジンジュウロウ,が、現れ「うむ、えらい大物がかかったもんだな。何で人間なんだ。しかし人間なんぞおよそ不味くて喰えないしな、わしらはいくらでも獲物は足りてるし、いよいよ獲物が無くなったとき食べるのがこの世の新参者ヒトという掟じゃ。どうしたものか」お母さん蜘蛛、子供蜘蛛も引き連れ、二日がかりの大仕掛けにとんだ大物捕らえたもんだから、とうさんの誇らしげな低音が響きわたるのであった。
 子供の時小学校の読後感想画っての描かされ、黄金の仏さま見守る中、カンダタに光り輝く蜘蛛の糸が天の睡蓮池から降りてきた有様を観てきたように僕、描いたんだぜ、それ以来あんた方蜘蛛殺したこともなければ(いやあったかもしれん、いや正直にいえばあった)悪戯に巣を破ったりしたことはないんだぜ。ああ命乞いのようで情け無い恥ずかしい僕のおもい。
         2につづく
#LINE雲のジンジュウロウ
#大場章三
#@SPASERONIN

いいなと思ったら応援しよう!