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オミクロン面会謝絶

洋子ちゃんの病院へ決済に行った。面会謝絶はわかってはいたが、今日からひと月ほどはバリケードで病棟入口封鎖となるだろう。なんとか病棟の廊下のドアの小窓越しに遠目に姿だけ覗かせていただけないか、掛け合ってもらったが、責任者はやはり特例をつくれないの一点張りで屈服とあいなった。何か有れば担当者が、管理者が、病院自体が行政の咎戒を受けるのだ。以前、僕はバリケード強行突破した札付き厄介者なのだ。主治医には妻は内臓も進行していて、いつ何が起こっても覚悟はしてくださいと、先々週云われたばかりだというのに。

窓口でせめて現場のナースに様子を伺いたいとお願いすると、クリアボードの隙間からガラケー。「お世話になります」「ハイ、洋子サンハ……」お、男の看護士さんだ。癒され声を期待した僕の、幾つになっても甘えん坊!。そうだった、洋子ちゃんはイケメンとりまきのお世話になっているのだったわ。気を取り直して、納得いかないな、皆さんに迷惑をかけることになるのだな、理不尽と言ってはいけないのだな。なんともできるのは政治家だけか。実力無い僕では如何ともし難い、ここは諦念の風呂敷に包まるしか無い。佐高信ならこの妙な世の中を何と言ったろう。
#大場章三
#ピック病
#佐高信

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