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乳幼児の味覚
1歳くらいの頃から10歳くらいまで、牛乳が好きだった。
特に、特濃牛乳が好きだった。
特濃牛乳の何が好きだったかと言うと、濃厚で甘く感じるところ。
何故それが好きだったか、記憶を辿ると母乳の味に少し似ていたからだったと思う。
乳幼児の味覚の違いもあって濃厚に感じていたのだろうと思うのだけれども、当時はとにかく濃厚かつ甘い味を求めていた記憶がある。
だから、1歳くらいの頃に年子の妹の粉ミルクの粉を舐めては「何故だ。何故物足りない。解せぬ」と思ったりしていた。
それを親に見られていて、粉ミルクの缶に手を伸ばして蓋を開けた時点で粉ミルクの缶は目の前で取り上げられてしまい、すぐに手が届かないところに移動されてしまった。
味を再確認するチャンスは、それ以降なくなってしまった。
スキムミルクの粉を舐めると近い味・香りがすると分かったが、それもすぐに手が届かないところに移動された。
親にスキムミルクが好きなのだと思われて、お湯に溶いた薄い物を与えられては「こんなのお湯と何が違うの」と思って不機嫌になっていた。
その後に再度スキムミルクの粉を舐める機会を得たが、何故か薄味に感じて、以前感じた魅力が急激に失せてしまった。
スキムミルクは、家庭のストックからすぐに消えた。
何歳だったか忘れてしまったが、暫くして衝撃を受けたのが泡立てる前の生クリーム。
香りこそ違っていたが、濃厚な口当たりと味は非常に近いと感じた。
しかしそれ以降、泡立てる前の生クリームを舐めさせて貰う機会はなかった。
で、写真の牛乳はどうだったかと言うと、飲んですぐは普通の牛乳と変わらない口当たりとのど越しで、後味に濃厚なバターのような香りが喉の奥から鼻に抜けてきた。
だが、子供の頃に飲んだ記憶にある特濃4.2牛乳よりも、薄味に感じた。
やはり、子供の頃は脂肪分や乳糖の感じ方が異なるのだと思う。
1歳くらいまでに急激に感じ方が一定のレベルまで変化し、それでミルク離れになり、思春期までの間に徐々に味覚が変化していたようである。
なので「大人の味覚」と言われるものが美味しく感じるようになってきたのも、10代くらいだった。
つまりは、成長に必要なものを積極的に摂取する味覚から、成長するにつれて徐々に体を維持する味覚に変化しているのではないかと、そのように考えることが出来るのではないか。
大人の感覚では、乳幼児が満足できる味を再現することは不可能なのではないかと、そのように思ってしまうし、ベビーフードは本当に乳幼児の味覚を満足できているのだろうかと、少し疑問に思ってしまう。
実際にどうなのかは、大人の味覚になっている自分には判断することは出来ない。
個人的に、そのように思ったという次第。てへぺろ。