いつもの道、いつもの駐輪場、8時31分の電車。 そんな当たり前だった日常が終わる。 意味もなく笑ってたあの時も、イラついて当たり散らしたあの時も、 今の自分を作ったのは、いつも隣にいる仲間だった。 いつまでもこの時、この瞬間が続くと思ってた。永遠に。 でも今日終わる。 "1年早く社会に出て、待ってるからな！1年頑張れよ！" そんな薄っぺらい言葉しか僕の脳からは出てこなかった。 いつもの"また明日"が今日は"また今度"に変わる。 いつでも会える。 そう思っても僕の目から何故
ある日を境に急に君はいなくなった。 23:30いつもの時間君の声は聞こえない。 笑ったあの時も、悩んで相談したあの時も、寂しくて泣きじゃくったあの日も。 全て君の声の記憶として僕の耳から脳にインストールされていく。 "半年なんですぐだよ"と君は言う。 確かに半年なんてあっという間だ。 されど半年。 君に顔向けいや、声向けできるように行かなければ。 "待ってる" もう最後にはその4文字しか浮かんで来なかった。 話したい事はいっぱいある。僕も君も。 また半年後
信号機 僕は信号機が好きだ。 彼らには3つの顔がある。 赤青黄の3つだ。 無機物の癖にいっちょ前に怒ったり、悲しんだり、笑ったりしている様にみえる。 なんなら人間の僕より感情がはっきりしていて見やすい。 もし友達にこんな奴がいたら絶対人気者だ。 しかも仕事もしっかりしている。 交番のお巡りさんより、身近に僕達の安全を見守ってくれている。 僕は誰かに好きと伝えることが苦手だ。 でもいつも通る道の彼らには僕が口にせずともきっと伝わっている。 だから僕は信号機が好き
街灯 僕は街灯が嫌いだ。 街灯の照らす道の下を通ると、心の中まで見透かされているように感じるからだ。 24時間、365日自分以外の他の人のためだけに毎日照らしてる。 そんな勤勉な彼らを姿を見るとどうしても、ただ堕落した生活を送っている僕には、素直に彼らを直視できない。 だから僕は街灯が嫌いだ。 そんなことを考えながら暗く、独りぼっちの道を行き急ぎながら家へと帰る。
