心理的安全性と働きやすさ
こんにちは。事業承継コンサルタントのMasakiです。昨日はF1日本グランプリでした。スタート画面を見てふと「あれ?FUJIじゃないんだ?HONDAなんだ・・・」と気が付き、自分が参戦していたのがもう10年以上前のことだと、新ためて気が付きました。まだBAR HONDAの時代ですけどね。
心理的安全性と職場
前回 こんなことを書いていました。その続きではないのですが、コンサルタント業務の中で気が付いたこと。
心理的安全性の職場を作ると言えど、現実的に可能なのかどうか?という面から考えてこんな事例を思い出しました。
従業員数10名未満 同族企業 親子の役員+従業員
課題:職場の人間関係
この職場は創業20年の製造業。現経営者が創業し、少しずつ経営を伸ばしてきて、後継者が間もなく70代に入るのを機に事業承継を考え始め、息子2人を入社させる。創業間もないころから支えていきた古株の従業員が後継者の意見を指示を聞かない。特に次期社長との意見対立が多く、年配者ということもあり、聞く耳を持たない。
この様なケースの場合どう対応するのか?と考えてみます。
あるあるだけど、対応が難しい
年上の部下との関係性はなかなか難しいものがあります。特に創業当時からやってきた等の経験が邪魔をして素直に指揮命令に従わないことも多々あります。このような場合、経営者としてはどうすべきなのでしょうか?
①当事者同士に任せる
②積極的に関与する
①の場合、本人同士の対応に任せることになり、経営者としては関与せず「嵐が過ぎ去る」のを待つことです。
その場合、どちらかが我慢。大抵の場合、次期経営者がぐっとこらえて「大人の対応」するように求められます。創業当時からの貢献者であり「自分がいなければこの会社は回っていかない」「業績は自分のおかげ」と思っている節があるとまず改善の見込みは少ない。経営者は「そういった人物を使いこなすことも次期経営者の手腕だ」というもっともらしいことを言いますが、背景には「まさか事業承継しないとは言わない」という思いがあるので、自分の会社の持続性に疑義が生じるとは考えていない。
②関与するというのがどういうスタンスで関与するのか?にもよりますが、その場で対応する限り、状況が改善するとは思えません。一時的な改善点があっても、本質的には改善しない。関与したとしてもどちらかの肩を持ったりということになりがちです。
経営者としてできることとは?
事例として上げたことだけではなく、経営者として何をしていくのか?
それはこの舟がどこへ向かっており、その為にどういった人材が必要なのか?ということを明確に示し、浸透させることだと思います。
よく経営理念の浸透と言われますが、きれいに整えられた美辞麗句ではなく、経営者としての想いをどう浸透させるのか?具体的にはこんな感じで考えてみるとわかりやすい
経営者:船長
経営ビジョン:目的地、実現世界 何を目指すのか?
経営理念:羅針盤、方位磁石 大切にしたい想い
経営方針:ルート。商品・サービスとその提供方法
で、重要なのは職場での浸透は勿論、人材採用の現場でもこの浸透が必要だということです。なぜか?先の例で考えてみましょう。
座礁すると思っていない
同族企業の場合、後継者として入ってくる血縁者は途中下船すると思っていない。そもそも事業承継=家督相続なので、相続ができなくなると考えてはいないのですが、現実として起きています。原因は「自分たちはそんなことない」という思い込みです。
考えてみて下さい。身近な人ほど、実は意見が離れていたということがありませんか?特に血縁者はこの傾向が強いかもしれません。
子供である場合いつでも「子供は何歳になっても子供」なので、親の言うことは聞くと考えています。
また、起きないと思っていることは実はおきたり、起きるかもしれないと思ったことは起きなかったりします。
経営者としてはあらゆるリスクマネジメントを行う必要がありますが、このリスクマネジメントについては次に書きたいと思います。最後の方が中途半端になっているのは、このまま書くとものすごく長くなりそうなんで次につなげます。