カメラ業界三大ブルーと、CANON、Nikonの青の違い
前に写真の記事で書いた通り、フイルムカメラ時代は主に富士フイルムが発色を担っていた。
☆☆☆
それがデジタルカメラになって、フイルムが廃止され、各社絵作りするようになった。
よってデジタルカメラ各社では、それぞれのメーカーで発色が異なる。
画像処理エンジンとCMOSセンサーを各社自前で造る(CMOSセンサーはCANON以外大体SONY製を各社購入しているのだが)、ことになった。
よって、SONYの青色とNikonの青色とCANONの青色は違う。
ペンタックスの緑とオリンパスの緑色も違う。
ここが写真の奥深さ。
おもしろさでもある。
特にはっきりと違いが出るのが青。青色。
業界でよく言われる青。定番の青はこの3社。
■カメラ業界3大ブルー
ペンタックスブルー
オリンパスブルー
トキナーブルー
そんな訳で、定評あるこの3社のブルーを、青空の写真を見て比較していく。
この3社の青の絵作りは上へ行けば行くほど明るく元気いっぱいの青。
下へ行けば行くほど、つまりトキナーブルーが一番深い青である。
作例を見ることで、なぜ、この3社の青が評判が良いのか、分かるはずだ。
では見ていこう。
まずは明るく元気いっぱい。
ペンタックスブルー。
こちら↓
■カメラ業界各社の青の違い
【ペンタックスブルーの作例】
抜けるような空。青空。
元気いっぱいの空。
これがペンタックスブルー。
K-7,k-20Dで撮るとこういう色が撮れる。
最強の元気いっぱいカメラはK-7。
どっちも中古で1万円台なのだが…。
次、もう少し深い青。
オリンパスブルーがこちら。
【オリンパスブルーの作例】
オリンパスブルーはペンタックスブルーよりさらに深い青。
原色の青に近い。青空。
爽快感溢れる青。
それがオリンパスブルー。
淡い青とか薄めの青じゃない。
深い蒼。青い蒼。
それがオリンパスブルー。
最後、レンズメーカーのトキナー。
トキナーはカメラを作っていない会社。
CANONとNikon用にレンズを作っている会社。
レンズというのは透明なガラスを10群19枚ほど重ね合わせたものなのだけど、デジタルカメラの面白いところは、レンズを交換するだけで発色が変わること。
スマホとの違いはここら辺にも出る。
よって、CANONやNikonのカメラにトキナーのレンズを装着させることで、出せる青。
それがトキナーブルー。
ちなみになぜCANONとNikonだけに供給しているのか。
それはCANONとNikonのデジタル一眼レフカメラが一番売れ行きが良かったため。
ミラーレスならSONYEマウント用にも出している。
業界で一番深い青。
トキナーブルー。
それがこちら↓
【トキナーブルーの作例】
トキナーブルーの特徴は2つ。
1つは深い青が出せること。
CANONみたく薄い色合いにならない。
写真1枚目と2枚目がそれ。
そしてもう一つの特徴が記録色の如き青が出せること。
デジタルカメラは一眼レフ・ミラーレス共に各社が絵作りをしている。
そしてカメラを多く売るため、ほとんどのメーカーは記憶色の絵作りをする。
要するにペンタックスブルーの様に、目で見た青空よりさらに綺麗な青。
さらに綺麗な黄色、赤色などにするのが通例である。
それがトキナーブルーは記録色の青になる。
要するに目で見たままの青が出せる。
これがもう一つのトキナーブルーの特徴。
3枚目と4枚目の写真がそれ。
特に3枚目。The・日本の春。
って感じの日本的な写りをする。
トキナーはレンズメーカーであり、ケンコーに買収されたくらいの、とても小さな会社。
なので同じクラスのレンズがCANON、Nikonの半値の新品価格で買えてしまえる。
安いのに作りが頑丈で青が綺麗に出せるメーカー。
■最後に
最後に、個人的に青色最強メーカーはSONYだと思ってる。
なぜならツァイスのレンズを装着させるとロイヤルブルーが出せるから。
詳しくはこちらの記事で書いた通り。
ここではあまり業界で言われることがない、SONYのドマイナーな「ディスタゴンブルー」と「CANONの青の写真」を貼って終わりにしたいと思う。
まずディスタゴンブルーとは何か。
ディスタゴンブルーとはSONYのAマウント一眼レフカメラに
カールツァイス Distagon T* 24mm F2 ZA SSM
を装着したときにのみ生み出される凶悪な青色のこと。
このレンズは高級レンズとして、とてもマイナーで、SONYユーザーからあまりに人気がなかった。
というか名前すら知られていないw。
一眼レフカメラの開発を中止する直前に発売したので、無理もない。
中古価格も暴落中である。
しかしこれをSONYの一眼レフカメラに装着して青空を撮影すると、バッキバキの蒼が出る。
SONYのはロイヤルブルーもアクアブルーも出せるけど、コンピューターグラフィックスの如くバキバキの蒼。
これがディスタゴンブルーである。
百聞は一見にしかず。
このような青色が出る。
【SONY Distagon T* 24mm F2 ZA SSMで撮った青空の作例】
これがディスタゴンブルー。
凶悪な蒼。
逆光耐性が強すぎるため、バキャッとした蒼の写真が撮れる。
写真っていうかコンピューターグラフィックスに近い。
元々、広角のディスタゴンは高解像度レンズだけど、Aマウントのこれはやりすぎ感がある。
技術力のSONYって感じ。
解像力高すぎな蒼。
それがディスタゴンブルー。
最後に業界の帝王CANONのブルー。
なんでハイアマチュアはトキナーとかオリンパスばかり青色を称賛するのか。
それはCANONの青を見れば分かる。
青が薄いのだ。
CANONの絵作りは淡い透明感のある絵は得意。
だけどオリンパスブルーみたいな深い青色は苦手なのだ。
暖色系が得意なCANONとはそういうこと。
【CANONの青の作例】
ね。違うでしょ。
なぜ、オリンパスブルーやトキナーブルーが好まれているのかが分かるっしょ。
同じ露出(明るさ)と彩度(色の濃さ)でも、CANONの青は明るいのである。
色が薄い。
深く抜けるような青空が出ない。
コントラスト上げてやればある程度は出せるけど。
こんな感じになる。
爽快感溢れる青空とはちょっと違う。
暖色系は強いけど、寒色系が弱いのが珍しくあるCANONの弱点。
じゃあ、暖色系弱くて、寒色系(黒と深い青)が強いNikonの青は。
と言われると、こうなる。
【Nikonの青の作例】
ね。全然違うでしょ。同じ青なのに。
Nikonの青はオリンパスブルーやペンタックスブルーと比べて落ち着いた青。
深い青だけど落ち着きすぎ。
ペンタックスみたいに元気いっぱいの青は出せない。
深い青の絵作りは得意だけど、抜けるような美しい青空は出ない。
(出そうとすればRAW現像で出せるけど、かなりめんどくさい)
深く落ち着いた青。
これがNikonの青。
ペンタックスやSONYと真逆の性質の青。
業界各社によってこんなにも絵作りが異なるのだ。
(おしまい)