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【完全保存版】中古の交換レンズを買うとき、ヤフオクやメルカリで騙されないために、どこを見ればいいのか?

カメラ用品は基本的に製品寿命が長い。


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カメラもそうだけど、特に交換レンズは寿命が非常に長い。

たとえばNikonのAi Nikkor 35mm F/1.4Sが発売されたのは1971年であり、その後継機であるナノクリスタルコート搭載モデルの新型、AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gが発売されたのは2010年11月19日である。

旧型はMFレンズであり、世紀を跨いで、実に40年以上も製造・販売されてきた。

この様な写りをする。



作例:Nikon Ai Nikkor 35mm F/1.4S

出典:ガンレフ
出典:ガンレフ
出典:ガンレフ

これは、53年前に発売された広角単焦点レンズだが、凄まじい写りだ。

いまでもキタムラで中古6万円もする。

Fマウントのカメラに装着出来、第一線で撮れるスーパーレンズ。

MFレンズの寿命は50年と言われるが、2024年現在も余裕で動く個体が残っている。

レンズ内AFモーターとレンズ内手ぶれ補正機構と言う、電子部品を組み込んでいないため、長持ちする製品である。

ちなみに約40年後、2010年11月に発売された新型の作例はこちらである。

2024年11月現在、価格com最安値190,839円する高級レンズだ。こちら。



作例:Nikon AF-S Nikkor 35mm f/1.4G

出典:ガンレフ
出典:ガンレフ
出典:ガンレフ

新型は質感描写が高いため像が立ち上がり、立体的に描写する。

特に1枚目、屋根の上に積もった雪が2次元の平面写真のはずが像が立ち上がり、盛り上がって立体的に撮れている。

Nikon天下の宝刀「質感描写」がこれである。

私は10年前、このレンズで撮った価格comレビューの写真を見てとんでもないレンズだと認識した。

価格comのこれとかこれ

人と建物の像の立ち上がり方で凄まじい写りをする。Nikonを代表する高級レンズである。

2010年11月19日に発売され、その後後継機は発売されておらず、未だ新型であり、現在も製造・販売している。

つまり14年も販売が継続されているのだ。

カメラはデジタル一眼レフ・ミラーレス機ともに2年から4年で後継機が発売され、旧製品は、すぐディスコン(生産終了)となるが、レンズは別である。

レンズで新型が発売されるには、モノにも依るが、平均して10年は掛かる。

カメラの様にデザインと画素数だけ入れ替えて中身同じでは売れないシビアな市場なのだ。

初心者はカメラで画質が変わると思っているが、実際に変化するのはレンズを替えたときである。

よって交換レンズを単体で買う人は熟練者が多い

MTF曲線やレンズ構成を見て、作例を見て、購入を決めるのである。

CANONなんて1993年発売の、写真の勉強が出来る、人が目で見たときと同じ大きさ・画角で撮れる標準レンズ、EF50mm F1.4 USMを、未だ新型として発売している。

同社は、31年も経つのに、F1.4の新型を発売させてない

なにもNikonだけが製品を大切にし、製品寿命が長いのではなく、そもそも、レンズの製品寿命自体が長いのである。

この様な写りをするスーパーレンズだ。



作例:CANON EF50mm F1.4 USM

出典:ガンレフ
出典:ガンレフ
出典:ガンレフ

1993年製のレンズを、恥も外見もなく、未だ新型として発売し続けるCANON。

1枚目や2枚目をよく見ると分かるが、このレンズ、31年前のレンズなのに解像力が高い。

その理由はDPPにある。

CANONのカメラを買うと無料で付いてくるCDディスクに入っているRAW現像ソフトDPP(Digital Photo Professional)。

これはレンズ毎の補正プロファイルデータがあり、それをダンロードしてRAW現像すると、古いレンズでも色にじみ、歪曲収差、周辺減光の各種補正がなされ、写真画像が高画質化する。

よってCANONユーザーはRAW現像しなければ3枚目のような柔らかい絵作りもできるし、解像力を上げたければRAWで現像すれば、1枚目や2枚目のような写真も撮れる。

インスタ映え等のようなノスタルジーに富む写真から現代的なカリッとした写りまで、どちらも(しかも純正だから全て無料で)、作れるのである。

よって新型を出す必要性をCANONは全く感じていない。なので同社は31年も同一レンズを製造・販売している。

しかし1枚目の後ボケの美しさは異常である。3枚目の雄大な自然風景の緩やかなボケも良い。これ、いま中古2万円台のレンズなのだが。

スマホでは撮れない美しい写真が撮れる。

2枚目3枚目、良い写真である。どちらも表情が素晴らしい。ポートレート撮らせたらCANONは最強メーカーである。

悔しいがCANONの右に出る者はいない(私はNikonユーザーであるw)。

CANONの50mm F1.4 USM。プロカメラマンがおすすめするレンズである。

いまの日本のカメラユーザーは新型ばかりを追いかけ、追い求め、この様な古いスーパーレンズは不人気である。

中古なら半額で買える(一応、これ新型なんですけどw)。

しかし1993年から2024年まで製造しているレンズにおいて、1993年製のレンズより2024年製造の中古レンズを買ったほうがより長持ちできることは請け合いだ。

中古ショップだと同じ価格なのだから(店員が理解していない)、当然2020年代製造のレンズを買ったほうがお得だ。

では、どうやって、同一製品で製造年月日が新しい製品を見つけ出すことができるのか。

メルカリやヤフオクで1993年製のこのレンズを売り付けられそうになったとき、それが1990年代製造のレンズだと看破するにはどこをチェックすればいいのか。

見分けるための技能。それがこちらである。


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