なぜ、世襲の国会議員は、確実に悪なのか?
今日、ニュースサイトで、非常に興味深い記事が掲載されていた。
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自民党の裏金問題で、今年1月安倍派と二階派が家宅捜索を受け、両事務所の会計責任者が逮捕された。
その二階派トップ、二階俊博氏は85歳でとても高齢な方である。
そのため、次期衆院選において和歌山県町村会が二階氏の三男に出馬を要請したと言うのだ。
世襲批判が蔓延(はびこ)る中、三男の伸康氏は、熟慮の末、要請に応じる姿勢を取っているとのことである。
インターネット上では国会議員の世襲批判が酷い。
しかし論理的におかしい。
記事の本文では、二階氏の三男伸康氏は、自分から一度も国会議員になりたい。
税金を受け取りたい。
などと話していない。
逆である。
2024年4月23日、和歌山県町村会の臨時理事会が全会一致で、次期衆院選候補者に伸康氏を要請すると決めたのである。
二階氏の三男が国会議員になろうとした訳ではない。
和歌山県側がこれまで通りニ階家の人を国会議事堂に送り込みたいと要請を申し出た。
全会一致でだ。
記事に依ると、和歌山県町村会会長を務める、岡本章・九度山町長は、昨日、23日の会見で、こう述べた。
■記事インタビューの引用
と話している。
この低度な日本語を読んで読者様方はおかしいと感じただろうか。
日本を蝕む世襲の病に、お気づきになられただろうか。
これは、世襲議員が悪であることのすべてを物語ったコメントである。
国会議員とは何か?
国会議員の仕事は天下国家の役に立つことであり、国民の信託を受けた、国民の代表者たる国会議員が日本国民を代表して法律の制定と予算の審議に対し、国民の声を行政や財政に反映させることである。
2024年度一般会計予算112兆717億円にも国民の声を反映させるのが彼らの仕事であり、和歌山県町村会会長を務める、岡本章氏のコメントにある様に、和歌山のためになる、和歌山県民のために動いてくれる。
ことは国会議員の職責とは異なるのである。
彼は、国会議員の出馬要請において、一度も日本国民のためにとは言っていない。
和歌山県のためにと2度も言ったのにだ。
国会議員は和歌山県のために働く人たちではない。
日本国民のための国会議員である。
彼らはそこを履き違えている。
85歳になり引退を表明した二階俊博氏は、自民党幹事長を務めたほどの大物政治家であった。
自民党二階派の頂点であり、党内においてその影響力は図り知れるものではない。
行政のトップは内閣総理大臣、そして、政権与党自民党のトップは党幹事長職である。
二階氏は元幹事長であるため、自民党のトップを務めた人だ。
内閣総理大臣と幹事長。
この2職を輩出させた選挙区は圧倒的に陳情が通る。
ちなみに安倍総理が内閣総理大臣に就任する前の、彼の地元、山口県の年間公共事業予算額は、2012年で532億円、総理に就任後安倍内閣2016年の山口県の公共事業予算額は1,620億円である。
総理一人輩出しただけで、受け取れる税金は3.04倍も増加する。
日本の就労人口は2022年で6,723万人。
日本人1億2,399万人中、就労人口比率は54.2%。
就労人口に占める建設業従事者の割合は7.1%。
さらに山口県民の人口は132.7万人。
政治家の後援会はほぼ建設業従事者で占めるため、彼らは安倍総理が就任した後労働者一人当たりで年間
1,620億円/132.7*0.542*0.071=3,172,427円
317万円ずつ受け取っている。
安倍総理が総理就任前は公共事業が3分の1以下であり、一人当たり104万円しか受け取っていない。
それが総理就任後は予算が爆発的に増加し、317万円ずつ毎年受け取っている。
104万円でも十分に多いがそれを倍増させる。
党の要職に就くとはそれだけ価値があるのだ。
歳入たった8,306億円しかない山口県が総理を一人輩出させただけで税収は20.3%増加する。
幹事長・政調会長・総務会長の党三役並びに内閣総理大臣を輩出した選挙区は、支払った税金以上の金を合法的に受け取っている。
税金だけで飯が食える。
事実税金だけで飯を食っている。
多くの日本国民から集めた税金を和歌山県のために使ってくれる人材。
日本国民のために使ってくれる人材ではない。
和歌山県のために使ってくれる人材。
和歌山県町村会会長を務める、岡本章・九度山町長の言葉をそのまま使うと、日本人のためではなく、和歌山県のために動いてくれる。
推薦したら和歌山のためになると感じた(本文ママ)。
和歌山県民が納めた税金より多くの税金を和歌山県民は受け取っている。
だから今後も二階氏の三男伸康氏に出馬を要請したのだ。
環境相を務めビニール袋を有料化し、日本国民全体から癇癪を買った小泉進次郎氏も衆院選では結果速報1分で当選する。
午後8時の投開票1分で当選が確実となる。
安倍総理も二階氏も自分の選挙区では選挙活動をほぼせず、東京や大阪で他の自民党議員の応援演説をするだけで、地元に入らず、秒で当選が確定する。
彼らを当選させれば建設業労働者はほぼ寝てても金が入ってくる。
予算を審議する、衆議院議員選挙1回の投票行為で1,268万円(317万円*4年)貰えるためだ。
18歳から選挙権を得、日本人の平均寿命たる85歳まで投票行為を繰り返すだけで、2億1,239万円(317*67)受け取れる。
よって絶対に選挙へ行く。
絶対にだ。
選挙だけで飯を食べてきたのだから。
山口県を年末12月に旅行するとどこの道路も工事している。
年間予算を使い切るため穴を掘って穴を埋めるための工事だ。
年度予算を使い切らなければ来年度予算を削減させられるため、無意味な道路工事を繰り返す。
他県民はこれをおかしいとは思わない。
彼らはよく考えて生きているのだ。
これは平成初期の選挙制度改革以降の弊害であり、地盤・看板・カバンを持つ、世襲議員が爆発的に増加したのも平成6年以降の話である。
NHK党や日本保守党、立憲、共産や維新など特に泡沫の野党が圧倒的に不利なのもこのためであり、利益誘導政策ができていないため、地盤がないためである。
彼ら野党は、選挙後の見返りを用意できていないのだ。
二階氏や彼の三男が問題なのではない。
税金の旨味を知ってしまい、自分たちさえ良ければ良い。
和歌山県民のためになればいい。
日本国民のためにならなくてもいい。
日本とかどうでもいい。
和歌山県だけ支払った税金以上金を受け取っているということは、ゲーム理論のゼロサムゲームにおいて、支払った税金以下のサービスしか受け取れていない市町村が頻出している。
でも、自分さえ良ければ良い。
和歌山県さえよければいい。
和歌山県さえ多く受け取れれば良い。
日本国民の幸不幸などどうでもいい。
他県民など知ったことではない。
他県に税金が行き渡らず、日本国民が生活に困窮してても、知った事ではない。
これが世襲は害悪と呼ばれる最たる理由である。
親から地盤・看板・カバン、後援会をそのままを引き継ぐことの弊害である。
楽して当選。
その分見返りを求められる。
日本衰退の一因である。
ちなみに小泉進次郎氏の地盤、横須賀市のある神奈川11区、二階氏の地盤である和歌山2区など税金に寄生し、パラサイトし、税金チューチューしている選挙区にも、当たり前の話だが、まともな日本人はおられる。
そしてまともな人たちはそういう大人を見て育つ。
よってここはもう駄目だ。
税金で飯食ってる人しかいない。
ということで、上京なされるのである。
両選挙区とも社会的増減による人口減少が異常に多い。
引っ越しで皆街から逃げていく。
若者の流出する街。
それが彼らの地盤のシグナルであり、特徴である。
ちなみに、横須賀市は関東地方355市区町村ワースト1位で6万人減少の土地である。
和歌山県も人口減少率で近畿地方ワースト1位の都道府県である。
和歌山県知事のメッセージでも、和歌山県は、日本全国の中でも高齢化が進み、街にはお年寄りしかおらず、さらに、若者の人口流出に歯止めが掛けられないと嘆いている。
そしてまともな若者が街から逃げて行けば行くほど、投票所に来る有権者のうち後援会人口比率が高まる。
最近世襲が圧倒的に強いのはそのため。
地方の1人区ほど世襲議員が強いのもこのため。
若者の逃げた街ほど強い。
当然である。
あと当たり前の話だが二階氏のお膝元は陳情も通るため、新型コロナウイルス蔓延時のワクチン接種率は、近畿地方トップである。
隣の大阪府は維新の地盤のためワクチンをもらえず、死者が47都道府県トップであったにもかかわらず、その隣の和歌山の高齢者はワクチンを早急に接種できていた。
いま和歌山へ行くと二階派の会計責任者が逮捕された裏金問題など誰も文句を言わず、ワクチンは最速で出荷させてもらい、税金も大量に降ってくるため、皆彼に感謝している。
テレビ和歌山の街頭インタビューで地元の人は、二階俊博氏にもっと続けてほしい。
まだ85だろ。
まだやれる。
今後も活躍してほしい(もっと税金持ってこい)。
と言うのはそのためである。
街頭におじいちゃんとおばあちゃんしかいないのも、そのためである。
若者はもういないのだ。
そう、彼は、二階俊博氏は、日本国民のためではなく、和歌山県民のための優秀な政治家であった。
だから和歌山県で12回も当選を繰り返した。
これが衰退国、日本の民意というモノだ。
虚構である。
詭弁だ。
そして引退後、その三男を、和歌山県の町村会が和歌山2区に出馬要請したのである。
県側が。
恥を知れとはこのことだ。
今後も税金チューチューしたいから。
我が国ではこんなことが既に30年も繰り返されている。
衰退するのは当然なのだ。
こんなのが日本は「合法」なのだから。
合法犯罪が多すぎるのだ。
P.S.
平成の選挙制度改革について知りたい方はこちらをどうぞ。
(おしまい)
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