写真歴16年の写真家が教える、本当に正しい一眼レフカメラ・ミラーレス機の買い方ガイド【実践編】
以前書いたカメラの有料記事があまりにも多く売れたため、追加で一眼レフカメラの買い方ガイドの記事を書く。
☆☆☆
基本的には中古一眼レフカメラの買い方ガイド。
だけど、新品にもミラーレス一眼にも対応した記事である。
私がこの記事を書こうとしたきっかけは、インターネット上にカメラの買い方ガイドの記事が載っていなかったため。
厳密には「一眼レフカメラ おすすめ」や「ミラーレス一眼 おすすめ」でGoogle検索をすると、おすすめの一眼レフカメラ20選とか、初心者でも失敗しないミラーレス機の選び方ガイドとか言う記事が表示される。
そこではセンサーサイズによる画質の違いや、メーカーによる性能の違い。
さらにスマートフォンとの画像の連携(スマホへの簡単な転送方法)など、一見丁寧に書かれているようで、まるでカメラというものを理解していない。
上澄みをさらっただけで説明が浅いのだ。
カメラを買ったこともないのに記事を書くから、そういうことになる。
カメラ、つまりは「写真機」。
写真機の買い方というか、写真機自体を、まったく理解していない。
私みたいに30台以上買ってから書けと言いたい。
カタログスペックは確かに大切。
また、センサーサイズによる焦点距離の違いも大切なことである。
センサーサイズによって、受光量が異なるから、ボケと階調性に大きな差が出る。
でも一番大切なのは何か。
買ったカメラのスペックを、価格comでみんなに自慢することなのか。
または、フルサイズのように、階調性が豊かで色に深みのある絵を出してくれるカメラであれば、失敗しない買い物だと言えるのだろうか。
まったく違うよね。
わざわざ写真機を買うのは、スマホより圧倒的に綺麗な写真を撮るため。
写真コンクールに出展したり、色褪せない家族の思い出の写真を撮ったり、スペックの良いカメラが良い写真機って訳ではない。
良い写真を撮れる、撮った写真をネットで販売できる、良い写真を撮ってくれてありがとうと家族に言われる、そんな写真機を買うべきである。
写真機の選び方には主に4つある。
まず一番大切なこと。
それはグリップ。
デジタル一眼レフカメラを構えた時、自分の手にフィットするか。
手の平のお腹の部分とカメラのグリップに空間が生まれていないか。
実はまったくネットに載っていないのだが、カメラ各社で、グリップの設計哲学が異なる。
グリップを角張った凸凹(デコボコ)型にするメーカーと、3次元のなだらかな曲線を描く「流体グリップ」を採用するメーカーで分かれる。
自分の手とグリップがちゃんとフィットしなければ、シャッターを切った時に手ブレが発生し、画質が劣化する。
どんなに高価なカメラを買っても、自分の手に合わなければ、無意味である。
よって、買う前にちゃんと試写するのはとても大切なこと。
全メーカーのカメラを買った自分から評するにこうなる。
■流体グリップ採用メーカーとそうでない会社
CANON(流体グリップ)
SONY(流体グリップとまで行かないけど、なだらか)
Panasonic
PENTAX
Nikon
オリンパス
富士フイルム
一眼レフカメラ及びミラーレス一眼の中級機以上のカメラは、メカ部分を堅牢性を重視しマグネシウム合金で覆っている。
そのマグネシウム合金製ボディを流体的にしているのがCANONという会社だ。
CANONとSONYの一眼レフカメラは特に滑らかなボディであり、グリップも角張った作りにはなっていない。
CANONというメーカーは設計工程に異常なほど拘るメーカーとして有名である。
製造工程はコスト削減のため請負会社に外注している。
CANONのカメラはCANONの社員が製造しているわけではない。
他社の請負会社の社員が低賃金で製造している。
だからCANONだけはメイド・イン・ジャパンなのである。
しかし利益率の高い設計部分は、曲線美のある金型を、自分たちでこれでもか!というほどコストを掛け、徹底的に作り込む会社である。
よってCANONのカメラのグリップは流体グリップを採用している。
特に中級機であるニ桁機(現行最新機種はEOS 90D)と、それより上位のクラスは、すべて流体的である。
EOS 90Dはマグネシウム合金製ではなく、エンプラ(エンジニアプラスチック)だが。
ちなみにEOS 50Dまではマグネシウム合金製だった。
ニ桁機は、60D以降、流体のエンジニアプラスチックボディである。
CANONが流体グリップを採用しているのは、手とグリップの間に空白を開けないため。
手とグリップがフィットせず、空洞が開いたままシャッターを切ると、手ブレが発生し、画質の劣化につながる。
だからカメラというものは通販で買ってはいけない。
どうしても通販で買いたければ、カメラのキタムラのネット中古で注文して、自宅の近くの店舗に取り寄せ、実際に10枚程度シャッターを切り、自分の手の平がちゃんとカメラのグリップとフィットしているか確認してから買うべきである。
キタムラならキャンセルできるから(キャンセル料550円取られるが)、問題ではない。
10万円とか20万円する買い物を、試写もせずに買ってはいけない。
きちんとグリップを握り、自分の手によく馴染むカメラでないと、どれだけスペックが高くても、いい写真は撮れない。
また人によってグリップの志向も異なる。
それぞれ人間の手の平のサイズや形が微妙に違うためだ。
一番ボディが角張ったオリンパスや富士フイルム製のカメラのほうが手によく馴染むという人もいれば、CANONよりNikon機のほうがフィットする。
私の手にぴったり。
という人もいる。
奇しくもミラーレス一眼のトップシェアは2024年現在、CANONであり、2位はSONYである。
マグネシウム合金が滑らかに形状を変える流体グリップ採用メーカーのほうが、売れている。
だからと言って、すべての人がCANONのカメラが一番手に馴染むかどうかは、実際に握ってみなければ分からない。
CANONとSONYも微妙にグリップの形状が異なる。
特に指の引っ掛け部分が。
Nikon機やPENTAX機のほうがフィットする。
という人もよく見かける。
そういう人がスペックだけに魅せられて、実機で試写せず、CANON機を買ってしまうと、手とグリップに空間が出来たまま無理して写真を撮り続けることになり、上手な写真は永遠に撮れない。
大体こういう人はメーカーを変え、別の機種を買い直す。
ビックやヨドバシのような大手家電量販店より、ネットの価格com最安値ショップのほうが、新品価格が最低2割は安い。
だけど家電量販店のカメラ売り場の店員のほうが、ネットの匿名情報より圧倒的に質が高く、そして詳しい。
彼らは社内教育においてきちんと研修を受けており、好むと好まざるとに関わらず、ちゃんと写真の勉強をしている。
彼らに話を聞けば、とりあえずカメラを握って見て貰えませんか?
そしてファインダーを覗いて一度試写していただけませんか?
と言われるハズだ。
カメラというのは高級品。
ミラーレス一眼なら最低10万円。
中級機だと20万円以上もする。
このような大きな買い物の場合、カメラに詳しい人との対話の末にじっくりと考え、自分に一番合ったカメラを買わないといけない。
ネット通販で買ってみたら1台目のグリップが自分には合わなかった。
2台目3台目と買うくらいだったら、大手家電量販店でベテラン社員と2時間の対話の末、買ったほうが、昔からの商慣行を重視したほうが、実は激安なのである。
ネットにはまったく何も書かれてないが、それぞれのメーカーで発色すら異なる。
シャッターを切ったとき、CANONのカメラの吐き出す赤色と、NikonとPENTAXとSONYの赤色はそれぞれ異なる。
それぞれのメーカーが色づくりに哲学を保持している。
メーカーごとに得意な色というものがあるのだ。
それすらも知らず、スペックが良いからと買ってみたら、自分の好みの色合いの写真が出ない。
綺麗な紅葉の写真が撮れない。
森林の美しい緑が撮れない。
綺麗な白色。雪色。
繊細な冬の雪景色が撮れない。
妻や子供を撮影しようとしているのに、綺麗な肌色が出てこない。
これらはビックやヨドバシの店員に聞けば、全部教えてくれる。
彼らは勉強しているから。
青の得意なメーカー、肌色の得意なメーカー、赤と黄色の得意なカメラメーカー。
オリンパスブルーとペンタックスブルーとSONYの蒼の違い(*出典1)。
CANONとNikonの青の違い。
赤の違い。
どうすればそれが出せるのかも。
出し方も。
詳細は知識編に執筆したけど基本的に、ネットにこれらは載ってない。
カメラを知らない初心者が書いた記事が氾濫している。
SONYだけが出せるロイヤルブルー。
アクアブルー。
蒼い蒼色とかまったく載ってない。
彼らは大体は知っている。
仕事として、物を売る前提知識として、学んでいるためだ。
このような極めて有益な情報をすべてタダで彼らは教えてくれる。
はっきり言って、こっちのほうがコスパが高い。
ほぼ間違いなく失敗しないで目的の用途に合ったカメラが買える。
グリップの次にどこを見るべきか。
次はカメラの心臓部であり、一番大切な部位。
一眼レフカメラの命。
ミラーレス一眼で一番重要なパーツ。
それがこちらだ。
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