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投資の神様ウォーレン・バフェットが一番重要視する株式指標と、ハゲタカファンドが好む指標

前回の記事でいきなり株式を債券に例えたときの金利計算の式を組んだので、訳分からんとなった読者様方がいたかもしれない。


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よって、ここで少し復習がてら株式指標についての説明をしていく。

株や投資信託を購入する際の、定量分析の際に役立てて貰いたい。

有料記事を買ってくれた読者様も、そうでない方も、金融リテラシーの向上、または、勉強として捉え、読んでいただけたらと思う。

まず、分かりやすくするため、株式会社の起源である東インド商社の話をする。

当時は香辛料(胡椒など)を運ぶため、1回の航海ごとに資金を集め、イギリスまで戻って来たらその利益を皆で山分けしていた。

いまは通期なのでたとえばトヨタの株を買ったら令和6年3月期決算で5兆円の利益を出し、その内、8,801億円を配当金として株主に配り、残りの4兆2,000億円を内部留保して来年度の事業に充てる。

これを毎年繰り返している。

東インド商社時代のように、毎年会社を精算などしてはいない。

そのほうが効率的だからである。

当時の株式会社は、東インドまで行って、航海中に船が沈んで帰ってこないかもしれない。

そのリスク分散が目的で、複数の投資家に株券が配られていた。

さて、あなたは100万円、東インド商社の株券を買ったとする。

そして大西洋から商船が帰ってきて、香辛料をイギリスで売却し、10万円の利息を得たとする。

この場合、利回りは10%(10/100*100)となる。

元の株券である100万円とさらに胡椒を売った利益の10万円を合わせて110万円を投資家のあなたはゲットできる。

これを株式指標として当て嵌め計算するとこうなる

  • EPS(一株当たりの当期純利益)×PER(株価収益率)=株価

  • 10万円×PER=100万円

金利の計算の場合

  • EPS÷株価×100

なので

  • 10万円÷100万円×100=10%(利回り)

となる。

よってPERは10倍、利息は10%であることがわかる。

もしもSONYのPER(株価収益率)が10倍の時にSONY株を100万円分購入し、それを債券にたとえるならば、あなたは金利10%(10/100*100)の債券を100万円出して購入したことと同じである。

よってその年SONYの配当性向が100%だった場合、あなたは10万円の配当金を受け取れることになる。

100万円出して毎年10万円ずつ配当金を受け取れる会社の株を買った、これがPER10倍の株式を買うという行為である

なぜなら株式とはその会社の一部であり、発行済株式数のすべてを取得するとは(これを時価総額と言う)、その会社を取得することを意味するためである。

よってその会社が生んだ利益の全額は株主のものである。株主資本主義とはこれであり、会社とは本源的に株主のものであり、その会社の資産も、生んだ利益も本来株主のものである。

更に現代日本も採用している株主資本主義において、株券を取得するとはその会社の一部を取得することを意味する。

前回の記事では日経平均ETFにこの計算式を適用し、金利10%になったときの日経平均株価を算定した。

あなたは利息10%の株券を購入したいとき、日経平均株価をいくらで購入すべきか

を説明したのである。

もう一度言う。とても大切なことである。

株式を所有するとはその会社の一部を所有することであり、その会社の株式のすべてを所得するとは、その会社の所有者、オーナーになることを意味する。

では、もう少し複雑な定量分析の話に入る。


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