写真歴16年の写真家が教える、本当に正しい一眼レフカメラ・ミラーレス機の買い方ガイド【知識編】
前記事で、カメラを買うには4つのポイントがあると書いた。
そしてその内の3つを実践編として紹介した。
☆☆☆
今回は知識編。
デジタルカメラを買う最後のポイント、それはレンズを含めたメーカーによる違いを知ってから買うということ。
なぜ、ただ安いから買うではいけないのか。
それは、カメラ業界において、一度CANONのカメラを選んでしまうと、CANONのレンズしか使えないため。
Nikonを選んだらNikonのレンズしか使えないし、SONYのカメラを買ったら、ずっとSONYのレンズしか使えない。
一眼レフ・ミラーレスともに、この様に閉鎖的な市場なのだ。
だから最初どのメーカーを選ぶのかは非常に重要なポイントとなる。
さらに言えば、メーカーによって哲学が異なる。
これを知らずに買ってしまうと、後々大変。
よって、知識編として、各メーカーの違い、得意なシーン、得意な発色、立体感、質感描写、色調の違いなどについて書く。
まずは「操作性」から。
すべてのメーカーのカメラを買った自分から見て、デジタル一眼レフ・ミラーレス機の操作性はこうなっている。
■各メーカーで操作性の簡単な順
CANON
SONY
Panasonic
PENTAX
Nikon
オリンパス(OMデジタルソリューションズ)
富士フイルム
上へ行けば行くほど、操作性が簡単。
カメラ任せ。
下へ行けば行くほど操作性が難しくなる。
設定をより細かく行える。
奇しくも、ミラーレス機の売上トップシェアは操作性が一番簡単なCANONであり、次が2番目に簡単なSONY。
では、操作性は簡単なほうが良いのか。
というと少し違う。
もう廃刊になってしまったがアサヒカメラや日本カメラ、カメラマンなどの雑誌で満足度調査をすると、何時の時代の結果においても、CANONユーザーよりNikonユーザーのほうが満足度が高い。
また、当然ではあるが、CANONユーザーの満足度より、PENTAXユーザーの満足度のほうが高い。
CANONの中上級機、EOS 5DmarkⅡの説明書より、Nikonの一番安い入門機D3000のほうが説明書は3倍分厚い。
NikonやPENTAXユーザーというのは一生懸命説明書を読むのだ。
私は3時間掛けて読んだ。
操作を覚えるため一生懸命に学ぶ。
よって、NikonやPENTAX、富士フイルムユーザーは学び終え、そのカメラを自由に扱えるようになると、それがすごく嬉しくて、満足度が非常に上昇する。
一生懸命覚えないと扱えない。
人はそのとき学ぶのだ。
努力する。
この様に↓
■Nikonの上級機D300の説明書・一部抜粋
左手でQUALやWB、ISOを押しながら、右手でメインコマンドダイヤル、または、サブコマンドダイヤルを動かすことで設定が変更できる。
メインコマンドダイヤル、または、サブコマンドダイヤルのどちらを回すかによってそれぞれのに設定が変わってくる。
1つひとつすべて覚える必要がある。
それがNikon。
決定とキャンセルと十字キーだけ覚えれば動かせるのがCANONとSONY。
Nikon機は、左手でボタンベタ押ししで、右手でダイアルを回さないと設定変更できないため、撮影中にカメラが身体に擦れて、設定が勝手に動いてしまうことがまずない。
その代わりボタンに割り振られたすべての機能を覚える必要がある。
よって一生懸命説明書を読み込むわけだ。
だからその学習効果が認識できたとき、使い方を覚えられたとき、オーナーの満足度はとても高まる。
カメラを細かく設定できるためだ。
色味や彩度、カスタムイメージの微修正など、もの凄く細かく行える。
また、あまり言われることはないが、人とは違ったセッティングをカメラに施すことができるから、下段のメーカーのほうが作品撮りで上手い人が多い。
写真コンクールで受賞する比率も下段のメーカーを使うユーザーのほうが多い。
なぜなら、一生懸命がんばって説明書を読み、写真機を使いこなせている、カメラ任せにしていない人たちだからだ。
CANONとSONYは一覧画面からコントロールダイヤルが十字キーとなっており、決定ボタンとキャンセルボタンで、すべての項目を一元的に操作する。
Nikonやオリンパスになるとそれぞれの設定にそれぞれのボタンが割り振られているため、項目を変えるとき(ホワイトバランスにしろ露出補正にしろ、測光方式にしろ)、一つひとつの機能とボタン操作を、すべて覚えなければならない。
また、メニュー画面から、より細かく設定することができる。
なので説明書を熟読し、覚えていくことになる。
そして覚えると自分がそのカメラをこれでもかというほど詳細にセッティングすることができるようになる。
カメラ任せにしない。
自分だけの撮り方が可能となる。
人と違った写真が撮れる。
それが下段。
だからオリンパスのフラッグシップモデル、OM-D E-M1を愛用するプロは多い。
そしてプロカメラマンが友達のプロからOM-D E-M1を借りると、一人ひとりボタン割り当てやチューニングを、かなりカスタマイズしているから、使い方がわからなくなる。
同じカメラなのに、だ。
これが下段。満足度の高いメーカー。
入口は狭いが、入ると、深くカメラを理解し、好きになり、撮影を楽しむ人たち。
撮影者は被写体だけに意識を集中しろ。
カメラのことはカメラに任せとけ。
が上段。CANONやSONY。
どちらが優れているということではない。
哲学の違い。
ただ、Nikonの上級機はここ20年ボタン配置が全く変わっていない。
一度覚えると20年はずっとその操作性が使える。
これがNikonらしさ。
ユーザーに報いる。
頑固一徹さ。
学んだ知識はずっと使える。
資産としてその学びが残る。
CANONは毎回ボタン配置が変わるけど、ほぼ直感的に扱えてしまえるため、そもそも説明書をほぼ読む必要がない。
このように操作性にはそれぞれのメーカーに哲学がある。
商業カメラマンは被写体に集中する。
集中してファインダー像のなかだけに意識を傾ける。
逆にフォトグラファー、写真の表現者は、人とは違った写真を撮ることに拘る。
スマホでは絶対に出せない、自分だけの色味、自分だけの発色、自分だけの階調(色の繋がり)、ボケ、露出(光の明るさの量)に拘る。
よって、前者ほどCANON機を使い、後者ほどNikon機を使う。
CANONとNikonの一番の違いはここ。
また、経済学的にはCANONユーザーのほうがNikonユーザーよりも買い替え期間が短い。
なぜか?
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