なぜ、日経平均は4万2,000円台に戻らないのか?
昨日は米国ハイテク株が下落したため、日経平均もその影響を受け、1,638円70銭下げた(*出典1)。
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ちなみに、今日2024年9月5日も9時38分現在、日経平均は304円値下がりしている。
いま下げている理由は、為替が1ドル143円台まで戻しているためである。
匿名の投資家とかFXトレーダーとかは、なぜか、自分に自信があり、明日の円は下がる!上がる!
と、根拠もなく言う。逆に、東大卒のトレーダーとか、知力の高い人ほど為替を「わからない」と言う。
なぜか?
なぜなら為替に影響を与える変数(動く数のこと、代数xなどで表記する)はあまりに多く、予測が不可能だからだ。
後付けだとこうなる。
ドル円レートに影響を与えた変数
こんなの予測なんてできる訳が無い。
3ヶ月前、来月にトランプ大統領が襲撃され南海トラフ巨大地震の予兆地震が起き、その翌月の米国雇用統計の求人件数が悪化し、円キャリー取引が終焉を迎え、円の逆戻しが起きる、などと正確に未来予測できた人間は人類に存在しない。
そんな予測は不可能である。
だから為替は分からない。
FXが博打と言える所以はこれである。
ちなみに、為替を予測し読み当てた人間が過去一人だけ存在する。
それはイングランド銀行をぶっ壊した男、ジョージ・ソロス。
ヤツは自分が能動的に動くことで、クォンタム・ファンドのファンドマネジャーであったソロス自身がポンドをしこたま売り浴びせたことで、同通貨を暴落させ、為替を読み当てることができた。
こういうスーパーな、ぶっ飛んだ投機家以外、為替の予測は不可能である。
では、なぜいま日経平均が4万2,000円台に戻らないのか。
それは日経平均に一番の影響を与えている、主にドル資産を持つ外国人投資家から見て既に4万2,000円台に戻したためである。
円で見た日経平均とドルで見た日経平均の違いはこちら。
円で見た日経平均
円で見ると7月11日に付けた4万2,426円の最高値に戻っていない。
しかしドルで見ると。
ドルで見た日経平均
実は、ドルで見た日経平均は既に4万2,000円を突破している。
ここ1ヶ月、ダウ工業株が過去最高値を更新し、ドルで見た日経平均もダウと比較して割安感があるため(SONYやトヨタはニューヨーク証券取引所、NYSEにもドル建てで上場している。そのため、向こうが上がると、円建ての東京証券取引所の同社株も割安感が出て買われる、逆もしかり。これを証券用語で「裁定取引」と言う)、既にドルで見た日経平均は4万2,000円台を突破しているのである。
民主党政権時代(厳密には麻生政権の終わり頃)日経平均は7,000円台だった。
でも、当時は為替が1ドル70円台だった。
いまの為替相場に換算すると、当時の日経平均は1万4,000円台である。
逆に4万2,000円は、当時の為替相場に換算すると、2万1,000円でしかない。
日経平均株価が上がり続けたのはこのためである。
ここ1ヶ月米国雇用統計の悪化とFRB(アメリカの中央銀行)の9月0.25%利下げ観測、そして日本銀行の0.25%への利上げが重なって、日米金利格差が縮小された。
よって日経平均株価4万2,000円の1.5ヶ月前と比較して円が15円上昇したのである。
だから外国人投資家にとってドルで見て、いまの日経平均は、割高感がある。
ドルで見て既に過去最高値を更新しているのだから、円で見て4万2,000円台に戻すのは、一番の日経平均の買い手である外国人投資家が更に買わない以上、現在の為替状況だと困難なのである。
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(おしまい)
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