今日は、5年記念日



今日、3月27日、僕は車のローンを完済した。

5年前の春、卒業を控えたまだ学生だった僕は車を購入するかどうかの選択を迫られていた。
新卒で入社した会社は田舎に特化した事業形態で、どの支店に配属されても自家用車で営業回りをするのが必須だった。
1年目に限り会社から車を借りることもできたが私用では使えないことと、結局2年目では買うことになることや、初年度で買えば10万円の補助が出ることもあり入社のタイミングで買う方を選んだ。

とはいえ、免許はかろうじて持ってはいたがほぼペーパーだったし、都内に住んでれば電車で何処へでも行けるわけで車に興味を示したことは一度もなく、何を買ったらいいのか全くわからない状態だった。そこで父親に頼ったところ、父親がお世話になっている日産のディーラーに連れて行かれ、あれよあれよと話が進むうちに、最終的には5年間払いで300万円のローンを組んで新車を購入することになっていた。

当時は300万円の重さも、ローン返済の重荷も全くもって理解してなかった。
今思えば中古車で全然よかった。父親と営業マンに完全にだしにされた。


こうして僕は社会人になると同時に、都内での生活から一変して車のある生活を過ごすことになった。300万円の返済付きで。

幸いにもこの5年間は、社宅か祖父母の別荘での暮らしだったので家賃がほとんどかからず、車の返済は通常の家賃だと思えば払えないものでは全くなかった。が、新卒で勤めた会社の仕事がハードすぎて辞めたいと思った時、ローンの返済がある内は安定した職に就いてないと支払いができないことへの不安や単純に貯金不足が原因で、1年半ほど身動きが取れず我慢するしかなかった。その時が一番、ローンの大変さを実感した。

そんなこんなを経ながら、毎月決められた額の支払いを淡々と続けたことで、やっと今日、最後の返済日を迎えることができた。
晴れて僕は自由の身になった。


余談だが、車があったことで僕のこの5年間の生活はだいぶ豊かだったと思う。
行動範囲が広がっていろんなところへ遊びにいけるようになった。コロナの期間でも一人で動ける車なら外出することが可能だったから窮屈な生活を強いられることもなかった。
褒められるほどに運転が上手くなった。車に関わる思い出がたっっくさんある。この歳でそれが味わえているのは、とても有難い。そう考えると、あの会社を選んでよかったなと、今なら思える。

外装はもう傷や凹みがたくさんで、友達には新車なのに可哀想と散々に言われる始末だが、まだまだ元気に動いてくれている。今日からの日々もこの車と共に過ごしていく。完全になくてはならない、相棒と化している。愛車と言えるほど面倒をみれている自信はないが、感謝はちゃんとあるし、なんならこれからもどうぞよろしくお願いします、という気持ちしかない。

そんな車と僕との5年記念日エピソード。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?