消防設備士の魂の叫び(というか愚痴)
みなさんこんにちわ
秘境グンマーで消防設備士を生業にしている合同会社Nワークスの中島です
この記事は当社メディア「だれでもわかる消防用設備」のとある記事の続きになるので、あらすじを知りたい方はまずこちらを読んでからですとより深く理解できると思います
https://syoubou123.com/2024/05/beware-of-malicious-companies/
以下、筆者の魂の叫び(というか愚痴)↓
筆者もこの消防設備業界に携わって17年目になり、既存建物の消防設備点検(業者切替後)にお伺いして点検を実施することも多々ありますが、その時に良く建物の関係者に言われる事が「この場所は前業者は入ったことない(カギを借りたことはない)よ?なんで入る(借りる)必要があるの?」という一言…
はい、でました! 言いたい事は良くわかるのですが、その場所にも消防用設備が設置されているので点検の為に入室が必要なんですよ…
要するに前業者は適正な点検していないという事が判明した瞬間…
そして同じ業界の人間としてやるせない気持ちでいっぱいになる瞬間ですね…
いろいろ小言を言われながら点検業務を遂行していくわけですが、またこういう物件は設備に対する指摘事項(いわゆる不良)もたくさん出てくるんですよね…
だって適正な点検をしていないので前業者は指摘事項を把握していない(把握していても○で報告する)訳ですから…
それで指摘事項を正確に報告するとクライアントはお怒りになるわけですよ…
前業者の時はこんなに不良なかった!と…
そりゃそうですよ…
だって適正に点検されてないんだから…
例えばここで前業者が適正な点検をしていなかったことが判明して、じゃあしっかり設備をメンテナンスしてください!となってくれるクライアントなら最高なのですが、大体のクライアントは怒りに任せてまた他の業者に頼んでしまうわけですよ…
あまり言いたくはないですが、設備点検の報告書が全て○が一番望ましいのは理解できますけど、現状を無視してまで報告書に○が欲しくて業者をたらい回すのはいかがなものかと…
まぁ筆者の愚痴に近い叫びはほどほどにしておいて、消防設備点検において上記の様に適正な点検がされていない状態が続くと最終的に設備は壊れて取替を余儀なくされるわけですが、消防用設備というのはとにかくお高いので、取替にかかるコストってかなりエグイですマジで。
仮に屋内消火栓などの消火設備に使われる消火ポンプを取り換えるなんていったらまぁ大変、ポンプの性能にもよりますが見積りをみてクライアントは驚愕するでしょうねその価格に、レクサス買えますわ
設備は最終的には壊れてしまい交換をしなければならない時が来るのですが、メンテナンスをしっかりすれば設備の寿命は伸ばせるんです。
上記の消火ポンプだってしっかりメンテナンスをすれば40年くらい使えるものだってあるので、いかにメンテナンスが大切かをクライアントに説くのですが中々…ね
ちなみに建設業(消防設備業含む)にはファストフードのように
(作業が)はやい
(作業が)うまい
(価格が)やすい
という3拍子はまず存在しません
なぜならそれぞれの企業においてそれぞれの価値を持っています
仕事が早い・仕事が丁寧・その企業にしかできない特殊技術などなど
クライアントにはその価値を提供するので必然的に価格も大きくなります
ですがクライアントの中にはその価値がわからない方が一定数いて、とにかく安くという事しか頭にありません
そうするとどうなるか、真面目で価値のある業者が去っていき、適当な作業をする低価値な業者が参入することにより設備の寿命を縮め、最悪破壊し責任を取らずに去っていく まさに安かろう悪かろうの典型です
ただ全ての業者がこれに当てはまるわけではありません、忠実に適正に自分の価値を提供してなおかつ安価で業務を行う素晴らしい業者がいるのも事実です
ただそういういわゆる悪質な業者もいるということをせひ知っておいていただきたいのです
特に我々の消防設備業は取り扱う設備が常時非作動、非常時完全作動という特殊な設備であるためこの傾向が非常に顕著なので、価格を追求した結果有事の際に設備が作動せず人命や財産を失う恐れを持っているのです
長々と愚痴を書きましたが是非知っておいていただきたいのです
建設業にはやい・うまい・やすいはまず存在しないし、価格を下げる=自らの首を絞めるということを
最後までご覧いただきありがとうございます。