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この医学書・看護書がすごい!2022【金原出版】
※『この医学書・看護書がすごい!』って何?という方は、まずはこちらをお読みください。
※とにかく推し本を知って欲しい!その一心のみで作成しております。医書担当歴5年となりましたが、相変わらず専門知識に乏しいところは多々ございますので、各出版社の公式サイトにて補完をお願いします。
本日はけーたくんでおなじみの金原出版です。
ところで、けーたくんって一体なんなの?って思いません?犬なの?それとも別の生き物なの?とずっと思っていたんですが、けーたくんは人だそうです。衝撃。詳しくはこちらのツイートをご覧ください。
けーたくんは人です。金原出版編集部の新入社員です。販促のためにきぐるみを着させられています。なので後ろにチャックもあります。謎ではありません。
— NAKADACHI (@KSeditor) February 22, 2022
さて、金原出版営業担当のイチオシはこちら!
『偽者論』
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まずは営業担当の推しポイントをどうぞ!
「現代のパーソナリティを巡る学術エンターテイメント!」 です。
短っ!でも短いだけに強さがあります。
それに『学術エンターテイメント』ってかっこいいじゃないですか。ぐっと引き込まれる推しポイントです。
続いて、著者である尾久先生のnoteをどうぞ!
そしてそして皆様ご存知、金原出版の編集者である中立さんのnoteもどうぞ!
聞きたかった!!!!!!(大声)
もうね最高なんですよ。装丁好きとしてはこれだけで白飯が三杯は食えます。
今回の『偽者論』の装丁の話を初めて中立さんから聞いた時、むちゃくちゃ興奮して多分引かれましたね。でも、だってずっと大好きな吉岡秀典さん(セプテンバーカウボーイ)なんですよ。いつから好きだったかって、胞子文学名作選に出会った時からなのでおよそ10年前の話になります。
この本の装丁のどこがすごいかは中立さんのnoteに全て書いてあるので重ねていうことはありませんが、もし『この本の装丁がすごい!』があったら大賞間違いなしですよこれ。
ロゴの箔押しのところからしてすごい。このロゴの本体がカバーの裏から空押し加工してエンボスになっているのは分かるんですが、これ二重に箔押ししてません?ロゴ本体が裏からの空押しで、細いラインいれてるのも箔押し?いやこれはインク?というかロゴ本体はTAMAMUSHI FILM(表紙の紙)に白インクのせてる?とか早口でまくしたてたいですねオタクなので。
とまあ、装丁の話をしているとそれだけで5000字書けそうなので、この辺りでやめておきます。あ、でも導入詩の紙、本当に黒の上質紙なんですかこれ。すごくめくりやすくて柔らかい。指なじみがいい。これがただの上質紙とは思えないんですが、もしかしたら上質紙を侮っていたかもしれません。ごめん上質紙。何キロの上質紙なんだろう?
さて、いい加減本題にはいります。学術エンターテイメントと銘打った中身は、決して堅苦しいものではありません。むしろすいすい読める。すいすい読めすぎて、学術書という単語がすっぽ抜けてしまいそうになるけれど、れっきとした学術エンターテイメントなのです。
なぜならエンターテイメントは人の心を弾ませる楽しいことを指す言葉であり、私は少なくとも本を読み始めて五分以内に、くすりと幾度となく笑ったのだから間違いありません。とにかく面白い。月並みですが面白いに尽きます。語彙がない人間、すごいと面白いしか言えません。
それと五章の諦念。コミットしながらデタッチはやりがちです。というか常にしているかもしれません。今だってこのnoteの文章を各社ごとに書き続けて、ちょうど折り返しの15社目になったんですが、twiiterサービス終了がトレンドにあがってまして、もしそうなったらどこにも告知できないなあ、なんて思ったりもしてます。
というわけで、ここのところ自宅にいるときは延々とこの企画のnoteを書き続けて、全然終わる気配がないので私もタイムループをしているのかもしれません。でもタイムループしている限りはフェアは始まらないので、まだ時間はあるのです(始まってしまいましたが)(noteもまだ全社書き終えてません)。
そして売り場担当のイチオシはこちら!
『キャラクターが来る精神科外来』
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正直、この本を知った時に『せ、攻めてるなぁ〜!?』というのがまっさきに出た感想でした。それと、『えっ、これ大丈夫なの?』という一抹の不安と、それを勝る好奇心ですね。
だって目次に並ぶキャラクターや歴史上の人物をみてください。最初に転スラがでてくるとは思いもしませんでしたが、これがもう掴みからして面白い。もう最初からこれなら、じゃあこのキャラは?このキャラは?と気になって仕方がなくなります。
特に気になるのがChapter2 注意欠如・多動症の
毎回0点というのは不注意優勢型ADHDだけでは説明できない 野比のび太(ドラえもん)
です。この本は自治医科大学の医学生の診断レポートをもとに、教員が真面目に考察したものをまとめてあるのですが、一番レポート数が多かったのがのび太だったそうです。
いや、ほんと毎回0点ってある意味才能ですよ。えんぴつ転がしたって、正解になる可能性はありますからね。実は私は高校の時に定期試験で数学で100点満点中3点を叩き出したことがありましたが、これは本来なら0点になるところを恐らく先生の温情で、導き出す式は合ってたからという途中点をもらったからです。にしても理系にあるまじき点数です。3点は。
というわけで(?)なかなか0点を取るのは難しいんですよ。じゃあのび太の毎回0点はどう説明できるのか。ほら、もう気になって仕方がなくなりませんか?
読みやすいので精神科のプロセスを楽しく学べます。医療従事者以外でも興味を持った方は是非読んでみてください!
それにしても麦わら帽子ひとつで、キャラクターが連想できるのってすごい記号性だよなあと思ったのでした。