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曼荼羅 vol.13 密教の地理的展開と東漸

画像:Wikipediaより

他の仏教諸派がそうであったように、インドに発した密教は、様々な文化の流伝に呼応して各仏教圏へ伝播していった。その伝わり方は実に多様であったが、主なルートを要約すると、次の三つの流伝を想定することができる。

(1)北伝・シルクロード
(2)南伝・南海
(3)東伝・ヒマラヤ

シルクロード
まず最初の北伝・シルクロードルートの流れは、インド仏教の大部分がとったコースである。すなわち、インドの中心部から陸路カシュミール、ガンダーラを経て、ヒンドゥークッシュ、もしくはパミールの山脈を越える。そして、いわゆるシルクロードルートを東漸して、西から中国に到るという伝播である。このルートは玄奘をはじめ大多数の入竺僧、あるいはインドからの渡来僧によって歩まれた道である。密教史の面では、『大日経』を漢訳した善無畏(シュバカラシンハ)を筆頭に、宋代の施護、天息災、法護など翻訳家たちが往来している。
 

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