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曼荼羅 vol.2
曼荼羅の特徴
①空間・領域・場などの概念
一つの点や、それをつないだ線ではなく、広がりを持った空間である。
つまり、聖と俗という異次元の関係が常に注目される。
②複雑性
中央に本尊第二に如来が位置し、その周囲を数多くのほとけ等が、さまざまな働きをしながら取り囲んでいる。
③中心・焦点
インド・日本・チベットなどいずれの曼荼羅をとっても、必ず中央に本尊にあたる中心尊格が位置し、その聖なる世界を代表している。
④調和性
多くの異質的要素を包含しながら、しかも全体的にはより高次の価値観によって調和して成り立つ。
この点は、胎蔵界曼荼羅のように、多種多様の尊格が整然と配列される例を考えるとわかりやすい。
既にさとりを開かれた如来、現在さとりを求めて努力している菩薩、悪しきものに対する怒りを直接表現した明王、さらには天部と呼ばれるインド起源の神々が所狭しと描かれている。
※元来は仏教の敵対者であった神々の姿も認めることができる。
実に和やかに調和し共存している。
⑤動的
中央の本尊の力が順に周辺に遠心的に波及する。
逆に外周部の神々が、内なる本尊に向かって求心的に帰依していく。
これら逆順の流れが、広・狭両義の曼荼羅には必然的に認められる。
⑥交替性
部分と全体は表裏一体
中央にいる大日如来と、周辺にいる四天王や明王たちも、同じ一つの曼荼羅を形成している。