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50歳から花開く人、50歳で止まる人

50歳から花開く人、50歳で止まる人

作家・有川真由美さん

化粧品会社事務、塾講師、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの転職経験を生かし、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮しの質」向上検討会委員(2014年・2015年)。今年5月、50歳からの生き方について指南した『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)を出版。


50歳からは自分優先で、遊ぶように生きる

著書のタイトルにもなっている「50歳から花開く人」とは、どんな人なのでしょうか。有川さんは、社会的な地位が高くなることでも、お金を多く稼ぐことでもないと言います。


「仕事や人生を“気負わず、無理せず、伸び伸びと”遊ぶように面白がり、楽しんでいる人のことです。50年も生きていると、自分がやりたいこと、やれることが見えてきます。その力を働かせて、人や社会に求められていれば、いつまでも輝けます。反対に、やりたいことをやらずに後悔したり、誰からも必要とされないと、残念な余生を過ごすことになりかねません」(有川さん・以下同)


50代以降に「花開いて」生きていくためのポイントを見ていきます。


「しなければ」ではなく「したい」で選ぶ

社会に出ると「協調すること」を当たり前のこととして振る舞ったり、組織で働くことに疑問を持たずに「雇ってもらえるだけでもありがたい」と思う人もいるでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか。


「人生を大切にしたいと思うのなら、立ち止まって人生の意味を考える必要があります。50歳からは“まわりがいいと思う生き方”ではなく、“自分が満足する生き方”にシフトするのです。“しなければ”ではなく“したい”で選ぶようにする。考えてみると、人生で“やらなければいけない”と決まっていることは、なにひとつありません。自分はなににワクワクして、なにが嫌なのかを突き詰めると、満足する仕事や幸せな生き方が見えてくるはずです」


合う場所に自分が移動すればいい


有川さんは40歳を前にして、ジャーナリストになりたいと、思い切って地方から上京しました。


「それまでは周りに合わせようとしてうまくいかず、50職種ほどを転々としました。そこで “周りに合わせるのではなく、合う場所に自分が移動すればいいんだ”と考えたんです。ところが、ジャーナリストとしてはうまくいかず、自分にできることってなんだろうと突き詰めた結果、多くの転職経験から、さまざまな立場で働く人に共感して応援することならできるのではという思いに至りました。


そして、いろんな現場で得た学びを著書にしたり講演をしたりするうちに、いまの仕事のかたちができあがりました。社会の常識という枠を取り外してしまえば、フィールドは大きいと思います」


「足りないもの」ではなく「すでにあるもの」に目を向ける

「年をとると仕事がなくなる」のは、若い人と同じ土俵で仕事を奪い合っているから。一般的な求人枠に自分を当てはめようとすると、「若くないのに経験もない」「体力がない」と足りないものばかりが目につき、選択肢は少なくなってしまいます。


「社会優先の生き方から、自分優先の生き方にシフトするためには、逆の発想が必要です。すなわち、“足りないもの”ではなく、“すでにあるもの”に目を向けるのです。仕事の資格や経験だけではありません。専業主婦が長く仕事歴がない人でも、コミュニケーション力、問題解決力、リサーチ力など、本人も自覚していないことが、実は大切な資産なんです。つまり、“老い”も資産です。


私の知り合いでも、50代でヨガを始めて、60代でインストラクターになった女性がいます。老いの体に精通しているため、中高年に合ったヨガを教えてくれると人気です。若い人よりも、経験というアドバンテージを持っているのですから、誰にでもできるような仕事を奪い合っている場合ではありません。50代、60代、70代と、その年代なりの闘い方があります」


◆「こんなことしかできない」という発想を転換


老後のライフスタイルは、20、30年前と大きく変わり、「これまでの価値観が通用しない」と有川さんは言います。


「かつて、定年を過ぎたら貯金と年金でのんびり暮らす、ということも可能だったかもしれません。ですが、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられ、60歳以降も働くことが当たり前になりつつあります。人生100年時代といわれて老後が長い。だから“私はこんなことしかできない”というような思い込みをやめて、発想を転換させ、自分を花開かせる方法を考えていきましょう」

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尾崎コスモス/小説家新人賞の卵
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