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29. サービスの価格を上げる

コンサルを受け始めて間もないある日のこと。
つぐさんから唐突に、こんなメッセージが来ました。

1回のセッション
いくらでやってる?


つぐさんからの働きかけやアドバイスは
何の前触れもなく唐突に
やってくることがよくあります。笑
でもそれが、いつも絶妙なるベストタイミング。


その問いに対して、わたしは、1セッション10,000円でやっていると答えました。

すると、彼から間髪入れずに

安い!

と返事が返ってきました。


そこですぐに提示してもらった金額は、24,800円。

なんと、それまでやっていたセッションのお値段の、2倍以上です。


この時だけでなく、つぐさんからはそれからも折に触れて、サービスの値段を上げていくようにアドバイスをくれ、わたしはそれに従って、少しずつ自分のサービスの価格帯を上げていく事になります。


当初のわたしは、個人事業を中心とした仕事はまだはじめたばかりで、まだビジネスの感覚もよく掴めていないまま、ただ一心に彼のアドバイスに従っていました。

ですが、今振り返って思うと、サービスの価格帯を上げていったことが、自分のビジネスのステージも、また自分自身のステージも、上げていってくれていたな、と、感じます。


2021.12 丸の内にて
初めてビジネス用の撮影を
してもらった時の写心。


1セッション24,800円という金額に怖気づいてしまったのは、その金額が、少し前まで自分が馴染んでいたものとは次元が違う価格だったからです。


例えば、心理士の主な職場のひとつであるクリニックでの時給は、有資格者であっても通常1,000~2,000円台。

わたしが勤めていたクリニックはとても待遇がよく、時給3,000円でしたが、それでも、5時間ほとんど休みなく6~7人のセッションをして、いただけるのは15,000円ほど。

そして、わたしもその金銭感覚に慣れ切っていました。


つぐさんにコンサルをお願いした頃の私は、もう少しずつ個人で仕事をはじめていました。

ですが、当時のわたしにとっては、自分が出している1回10,000円のセッションは、自分にとって思い切った価格でしたし、一番単価の高いサービスでもありました。

他に2,000~3,000円台の講座を開講したりして、その頃の月商は20万円前後。

そして、そのくらいの売り上げをあげられていることに満足していましたし、特に不満も持っていませんでした。



ですが一方で、コンサルを受け始めてから、それまでとは違う金銭感覚の中で動くことも増えてきました。

とにかく、つぐさんのサービスは、それまでの自分の金銭感覚からすると、びっくりするほど高かったのです。

当時からすでに1回の撮影は5万円近くだったし、コンサル費用も高額でした。

それに、”月商7桁”という、それまでは聞いたことも想像したこともないような言葉もちらほら目に入ってくるようになっていました。


それは、それまで自分がいた場所とは全く違う次元でお金が動いていく世界。

そこにいきなり接触したわたしは、ちょっとしたショック状態に陥っていたのだと思います。

でもそのショックは決してネガティブなものではなくて、これから広がっていく未知の世界を想像させて、憧れを抱かせてくれるものでもありました。






さて、「安い!」と言われた1時間10,000円のセッション。

ためしに彼に、セッションの値段を上げるにあたり、その分内容をより充実させるべきかを尋ねてみました。


すると即答で

それは必要ない

と。

そう、内容を何も変えずに、値段を上げるように、ということなのです。



最初はセッションの大幅値上げにたじろいだわたしでしたが、実はそう言ってもらえたことは、嬉しいことでもありました。

なぜなら、高額のセッションが出せるということは、わたしの憧れになりつつもあったからです。


わたしが彼のサービスを受けると決めた時、それだけのお金を支払うと決意をして実際に支払うという行為は、それだけ価値のあるものを受け取るのだ、という大きな動機付けにつながっていき、実際に受け取る恩恵もとても大きなものだったから。


そんな価値を、今度はわたしが人に対して手渡すことができたなら?

そう考えると、だんだんと嬉しくなってきました。


そんな風にして、自分が実際に値上げをすることのメリットにも、少しずつ意識が向き始めてきたのでした。


次のコンサルの日。

今度は、1回24,800円のセッションをもとに、3回チケットと5回チケットを作るようにアドバイスをもらいました。

そう、セッションが1回で終わらず、できれば一人の人に継続して受けてもらえるようなシステム作りです。

つぐさんは、おもむろに電卓を取り出して、真面目な面持ちで3回チケットと5回チケットの値段を算出してくれました。


別の機会で、サービスには”欲しい値段をつければいいんだよ”と言っていた、ゆるっと適当な雰囲気とは全然違い、わたしはそこで緻密な戦略家としての彼の側面を見た気がしました。


欲しい値段を付けたサービス作りの記事はこちら


そしてそこから、算出してもらった料金をメニューとして出し、セッションをやっていくことにしました。

セッションの値段を、実際に大幅に変更してみて意外だったのは、変更したとしても、必要だと感じてくださる人は変わらずセッションを受けてくださる、ということでした。


そして、その後もわたしは、自分の他のサービスを、少しずつ値上げしていくことになり、それに応じて売り上げも上がっていくことになります。



サービスの値段を、上げるということ。

これは、わたし一人では、到底思いつかない発想でしたし、しようと思っても要領がわからないばかりか、値上げへすることへの躊躇や罪悪感などの心理的なブレーキがかかり、自分ひとりでは値上げすることができなかったと思います。


そんな状態だったわたしに対し、豊富な経験に基づく迷いのないアドバイスをもらえたことで、自信を持って値上げに踏み切ることができました。


つぐさんは、ある時、こんな風にも言ってくれました。


美容室だって、1,000円でやっているところもあれば、30,000円でやっている人もいるわけじゃん。
30,000円払っている人は、そこに価値を見出している訳だからね。

それで人が来てくれないんだったら、価値が伝わっていない。
価値が伝わるように、教育していく必要があるんだよ。

このまま(安いまま)じゃ貧乏だ、業界全体が。
価値あるものにしていくのはわたしだし、業界で価値のあるものだとしてみんなに知っていってもらう広告塔になっていくのも、わたしなんだよ。
だから、安いって思う金額でやっちゃだめだ。
じゃないとみんな稼げないよ。

一回のセッション数千円だったらさ、人並の生活を送るのに何件やったらいいんだって話でしょ。
それじゃダメだよ。



そう、サービスの値段を上げていくことは、その業界全体の価値を上げていくことでもある。

つぐさんは、自分がビジネスをしていくにあたり、ただ自分だけが稼ぐだけでなく、その業界全体を底上げしていくような、広い視点をも持ち合わせた上での値段設定についての向き合い方を、教えてくれたのでした。


そしてそれは、結果的に、提供する側がサービスの質を上げることにも、サービスを受ける側への恩恵にもつながっていく。


わたし自身、そんな風に繰り返し、教えてもらっていくうちに、だんだんとそれまでには無かった価値観での値段設定に、慣れていくことができました。


ですが、わたしにとって、この値段設定に向き合うということは、なかなか一筋縄ではいかないような心理的なブレーキがかかることに直面することになりました。

値段設定については、この後も引き続き、いくつかの記事で書いてみたいと思います。


【課題】
あなたのサービスの価格を高くしたら、①あなた、②サービスを受ける人、③あなたのいる業界がそれぞれどんな恩恵を受けることができるか、書き出してみよう。


つづく。


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次の記事はこちら。


この記事は連載形式になっています。
最初からお読みいただくと、これからの記事も、より楽しんでいただけると思います♪


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