愛すべき「外道」のお話。

私の趣味は釣りです。特に船釣りが好きです。船釣りでも色んな種類があり、場所によっても、釣りものによっても様々、季節によっても違います。釣りでは何か狙いものを決めてコレ!という本命魚を狙う場合、本命以外の魚を外道と呼びます。

プライドが高い釣り師の方だと、本命以外には見向きもせず、外道の魚は釣れてもポイ。深いところから釣り上げた場合、水圧の変化で魚は浮袋や目玉がパンパンにはれあがり、胃袋も口からボーンと飛び出て回復不可能な状態になってしまいます。

アコウダイ

こんな状態になります。この魚はアコウダイですので、本命中の本命、外道扱いされることはない魚ですが。

私は、この外道という言葉、あまり好きではなくて、本命魚以外も美味しい魚なら、いやいや、これも狙ってたといえば狙っててん、美味いし。という、拡大解釈的本命の扱いをして持ち帰ります。逃がしても(捨てても)死んじゃうのなら、命を粗末にするんじゃなく釣った人が責任もって美味しく食べてあげたほうが、魚もうかばれるんじゃないかと。どう料理しても不味い魚はゴメンナサイしますが・・・

そんな、外道として扱われるけど、実はめっちゃ美味しいねんで!っていうお魚を2種類ご紹介します。


ヒシダイ

ヒシダイ2

紫色で囲ったところに写っているヒシダイという魚。名前の通り菱形をしている魚で、可食部が非常に少ないです。頭を取って、内臓を除去し、三枚におろすと元の大きさの1/4位になってしまいます。非常に歩留まりが悪いうえに、細かい鱗は皮にしっかりと張り付いていて鱗の除去もやりにくい魚ですが、すごく美味しい魚です。私はいつも頭を落としてから、鱗はおろさずカワハギみたいにベリベリッと鱗ごと皮を剥いでしまいます。身はうっすらと桃色のプリプリと張りがある白身です。刺身にするとフルーティな感じの甘みがある不思議だけど美味しい魚です。薄造りにして、ぽん酢で食べたら最高です!勿論、煮ても焼いても揚げても大変美味しいお魚です。


クロシビカマス

クロシビカマス

クロシビカマスという魚。調理途中で撮った上に、ちょっとピンボケの残念な写真ですが。背鰭・尻鰭は鋭い棘(キョク:とげとげ)があるのでキッチンバサミで除去、体表はヌメリがあるので、綺麗に洗い流して後は料理方法を待つだけの状態。スミヤキとか、ヨロリとかナワキリとか色々と呼ばれています。深海魚で水深200~500m位でよく釣れます。キンメダイやクロムツ、アコウダイ狙いの外道として釣れます。非常に脂ののったやや柔らかめの白身で大変美味しいお魚です。このお魚も色々な料理に合いますが、一番のおすすめは身に軽く塩をして一夜干しにしたものです。こんがり焼くとふんわりとした身にじゅわっと脂があってたまりません。脂が強いので、焼いてから柑橘をちょっとしぼって、大根おろしにぽん酢をかけて。ご飯にも、お酒にもめちゃくちゃ合います。

こんな美味しいのになぜみんな嫌がるのかというと、そもそも本命魚が美味しすぎるキンメダイ・クロムツ・アコウダイであること、体表のヌメリや鋭い棘、タチウオのように鋭い歯をもっていること、スミヤキと言われるように黒っぽくて一見美味しそうに見えない等ありますが、一番は小骨が多い、多すぎる魚だからと思います。皮に近いところにハモみたいな骨がびっしりあって、知らないと非常に食べにくい魚です。骨の場所を知っていて、それを除けて食べればこの魚の美味しさにハマること間違いなし!だと思います。


他にもまだまだ美味しいけど、残念な扱いを受けているお魚はあるんですが、手元に写真がないので・・・釣りあげて写真を撮ったら、アップしたいと思います。

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