綺麗な文字の書き方⑩【場所を取る字・取らない字】
画数の多い漢字やシルエット的にタテ長になる(できる)ひらがななどは、
その文字の性質上、意外と場所を取る字になってしまいます。
「余白(よはく)」という言葉を聞いたことかあるかもしれませんが、
これは書道に限らず、パソコンで文書(ワードとか)を作る時にもでてくる言葉です。
文字まわり、文書の周辺(縁部分)は自然と余白が必要になってきます。
文書とかで余白があまり無いと、せまく感じたり、
逆に広いと、ちょっと削ろうかな、となりますよね?
また料理を盛り付ける際にも、
お皿の印象ひとつでまったくイメージが変わるのと同じで、
そこでもやはり広めのお皿を使って余白を考えて盛り付けると思います。
フランス料理などは特に広めのお皿な気がしますが、それらと同じ事だと思うのです。トータルな美しさと言いましょうか。
なので字を書く際にも、
場所を取る字(画数の多い字)
場所を取らない字(画数の少ない字)
が余白をどれぐらい必要とするのか?
たとえば「優」と「一」という漢字の場合、
「優」は画数が多いため文字そのものも場所を取りますし、その周りの空間を占める面積が大きいです。
対して「一」は画数が1画しかない文字なので、文字そのものはもちろん、
周りを占める面積がとても小さいです。
このことを書道の専門用語で「字座(じざ)」と言ったりしますが、
この字座という占める面積=余白をある程度そろえて書くことも、とても大事なことです。
楷書はこの字座をきちんと揃えないと綺麗に見えないというのが、
楷書は難しい…という事の一つの要因でもあったりします。
それに比べて行書はこの字座そろえを楷書ほど気にする必要がないので、
気楽に書くことができるとも言えます。
そういうわけでこういった事を考えながら書くことも、
綺麗な字につながっていくと思います。
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