WEDNESDAYをおじさんが語る
ネトフリのウェンズデーが面白かったのでそれらしく論評を書こうとしたんだけど、
実写版 化物語だった。
この一言でその面白さを表現できてしまうので、何もその……書けなくなりました。
えっとまぁ、それだけだと読者諸賢おじが観てみたいなぁとはならんと思うので、以下に化物語っぽいところを抽出しておきます。
いやCMの打ち方はティーン向け最新ドラマっぽいんだけど、意外と作りは古風なんですよ。本当。
https://youtu.be/7nK96A9E_jI?feature=shared
・主人公は感情移入しやすい厨二イケメソである
但しポリコレ配慮により、イケメソな厨二少女です。
・ヒロインが暗い家庭環境を背負った厨二力を持つ美少女
↑この表紙のブロンドの女の子ですね。ポリコレ配慮により、主人公とヒロインが百合っぽい感じになってます。どうです? 観たくなったでしょう。
・ギャルゲシステムである
ポリコレ配慮により逆ハーレムですので、乙女ゲーかくやと言った感じで無闇やたらに個性豊かな厨二力を持ったイケメンが言い寄ってきます。各イケメンの仕草を真似て痛いおじさんを目指すことも夢ではありません。
・厨二スキルがいかんなく描かれている
キャラクター毎にアメリカンな厨二能力があり、学園物だけに、この能力は各家庭の事情とかに由来します。つまりまぁ、モラトリアム学園ものです。
・ミステリ仕立てである
おじさんでも鑑賞可能とさせるための最も強い武器が、物語の謎解きです。「誰が犯人かな?」と考えていると、自然と次エピソードをクリックしてしまうという。
おじさんになるとあれじゃないですかぁ。「あ、これなんか次回に引っ張る演出だな」的部分が鼻につく、みたいな。しかしミステリだと、引っ張ってくれることこそ醍醐味になるので、嫌味にならんのですよね。
・忍野忍担当(ただし手首だけ)がいる
謎めいていて、しかしかわいいマスコットキャラ。詳細が伏せられるだけにしかし最強キャラっぽい奴。それがハンドだ。異論は認めない。度々ピンチを救ってくれるので、忍野メメ担当という噂もありますが。
★以下ネタバレ注意(特に音楽界隈の方)★
・メタフィクショナルである
おじさんが(ダーク)ファンタジーを今更映像で楽しむというのもなかなかに無理がありますが、メタな演出が少しでもあれば「あぁ、フィクションとして楽しめばいいのね」という安心感が得られるものです。
それで、これは絶対書いとこうと思ったのですが。
ウェンズデーの中で、わけても刺さったメタは「主人公がチェロでメタリカを弾く(実際弾いていないが、前後の演出から弾いているであろうことが示唆される)」というごっつ刺さる演出でした。
こう書くと分かりにくいのですが、ゴス少女がメタリカを弾く時点でベタ過ぎてメタでしかない、これやっちゃうと興覚めでやり過ぎなんですが、直前にビバルディを弾いてチェロの名手である事が明白になっている段階でアポカリプティカのメタリカBGMレイヤーでぶっこむんですね。「あ……あぁ、なんか四季のアレンジやば……」からぶっこんでくるメタリカ!「あぁこれやってんな!」っていうね?
https://youtu.be/t68qeAZk3AI?feature=shared
ですからね。このメタと言わせないが確実にメタ、という演出はおじさん確実に止めを刺されました。ウェンズデーというキャラクターをおじさんも楽しんでくれよな、というティムバートン御大のメッセージが脳天にぶっ刺さる瞬間です。
そうしてまぁ、各年代にぶっ刺さるように、わりかし上手く作られているという話。※よくよく調べると、特に音楽的には、俺よりさらに前の世代用にストーンズを弾くシーンがあるようです。
以上ですが、しかしまぁ、陰キャと言えば弾くのはチェロ、という系譜を作ったエヴァンゲリヲンの功罪は重いっすね……。いやセロ弾きのゴーシュっていう陰キャがアル中で死ぬ、みたいなお話もあったよね?
兎に角シーズン2が楽しみです。
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