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#54『”恋のはじまり”SHISHAMO「ドキドキ」を語る』

今回は2018年6月20日にリリースされた5thアルバムSHISHAMO5の2曲目に収録されている「ドキドキ」という曲について語ります。この曲は2023年2月4日にリリースされたCDデビュー10周年を記念したコンセプトアルバム『恋を知っているすべてのあなたへ』のdisc1”恋の喜びを知っているあなたへ”の4曲目にも収録されています。

簡単に説明すると"恋のはじまりのドキドキする感情や楽しい気持ち”がテーマに描かれています。残念ながらMVはありませんがYouTubeにて音源がありますので載せておきます。

それでは語っていきます。

一番Aメロの歌詞

またやってきてくれた 私のところに
胸が踊って なかなか寝付けないような
好きで好きで好きで好きで好きで…
好きってだけで笑顔になっちゃうような
そんなそんな幸せな魔法
私のところにまた 恋がやってきた

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

出だしから誰かを好きで仕方ない幸せな気持ちで溢れているのが伝わってきます。「好きで好きで好きで好きで好きで…」のところの歌い方とか特にハッピーで全開ですよね。

次に「またやってきてくれた 私のところに」「私のところにまた 恋がやってきた」と”また”が入っていることからこの主人公の女の子は過去に失恋した経験があることが読み取れます。一度失恋してしまうと恋愛に臆病になってしまったり、また誰かを好きになることなんてあるのかなと不安に思ってしまうことってありますよね。そういう意味でも”また恋がやってきた”というのは時間が経てばまた誰かを好きになることができるんだよという励ましや希望を与えてくれるようなフレーズになっているんじゃないかと思います。

そして「好きってだけで笑顔になっちゃうような そんなそんな幸せな魔法」というフレーズは、きっとその好きな人のことを考えるだけで思わず笑みがこぼれてしまうような感じですよね。本当に恋の力は偉大だなと思います。

一番Bメロの歌詞

このままじゃ私 変人扱いされちゃうよ
だってしょうがない
あなたとのこと ひとつひとつ
思い出しては笑みがこぼれる
あ~、困るなぁ…

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

「変人扱いされちゃうよ」というフレーズもなんだか共感できますよね。その好きな彼のことを思い出して急に笑ってしまったり、その彼を見かけたら思わず挙動不審になってしまったりと、何も知らない周りの人からみたらあの子最近ちょっとおかしいよね思われてしまうような言動をしてしまうということですよね。やっぱり好きな気持ちというのはコントロールできないもので自然と溢れ出てしまうものなんだろうなと思います。

一番サビの歌詞

良い天気じゃなくてもいいから会おうよ
雨が降ったって関係ない
あなたを好きなこの気持ちは
そんなことじゃ折れたりしないの
ドキドキしてもう張り裂けそう
うまく話せるか分からないけど
今夜電話かけてもいい?

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

「良い天気じゃなくてもいいから会おうよ」というフレーズ。なんかもうめちゃくちゃポジティブで聴いていて気持ちいいですよね。天気なんて気にしてないところもそうですが、恋愛特有の変な駆け引きとかもせず、ただ会いたい気持ちに正直で素直なのが良いなと思います。

「今夜電話かけてもいい?」とドキドキしながらも思い切って電話をしようとしている主人公。きっとこの電話というのは気持ちを伝えるとかそういうことではないなんてことない会話で、ただ彼と少し話がしたい、ただ声が聞きたいだけなんだろうなと思われます。なんだか応援したくなりますよね。

Cメロの歌詞

あなたの気持ちが読めないな
私の気持ちはもうきっと
目を凝らさずとも丸見えなのに
恥ずかしいばかりです
でももう隠しきれないんです
大好きになっちゃった!

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

「あなたの気持ちが読めないな」「私の気持ちはもうきっと 目を凝らさずとも丸見えなのに」というフレーズから、その彼は鈍感なタイプということがわかりますよね。皆さん鈍感な人についてどう思いますか?鈍感と聞くと気が利かないとか、場の空気を読むのが苦手な人だとネガティブな印象を抱くかと思います。でも、恋愛における鈍感というのは、神経質できっちりしている人よりも逆にその鈍感さが居心地が良かったり気楽だったりする場合もあるんだろうなと思います。そういうちょっと抜けている部分がある彼に主人公は惹かれたのかも知れませんよね。

Dメロの歌詞

私の恋のレーダーが
あなたを指差したまま動かない
「運命の人はこの人よ」って 教えてくれてる
だからさ、ほら

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

「私の恋のレーダー」なんてフレーズをよく思いつきますよね。”レーダー”とは言語化すると対象物までの距離や方向を測定する装置のことだそうです。その対象物を”あなた(大好きな彼)”に当てはめて”「運命の人はこの人よ」って教えてくれてる”と歌詞に入れ込んでくるのは上手い表現ですよね。ボーカルの宮崎朝子の作詞力はさすがだなと思います。

最後のサビの歌詞

良い天気じゃなくてもいいから会おうよ
雨が降ったって関係ない
あなたを好きなこの気持ちは
そんなことじゃ折れたりしないの
ドキドキしてもう張り裂けそう
うまく話せるかな
分からないけど
今夜電話かけてもいい?

「ドキドキ」作詞:宮崎朝子

もう一度、一番同様のサビを繰り返しますが少し歌詞が変わってる部分があるんですよね。一番では「うまく話せるか分からないけど」とワンフレーズで歌っていたのが最後は「うまく話せるかな」と”な”が加わって「分からないけど」と分けて歌ってるんですよね。一番と最後で微妙に変えている辺りが隅々までこだわって作っていることが見えてきて感心してしまいます。

また、アウトロの時に”タッタラタッタッタッタッタイェーへーーオー”と歌っているのが妙に癖になって個人的に好きなので、そこにも注目して聴いて欲しいなと思います(冒頭の音源3:16~)。

まとめ

片想いしている女の子ではあるんですけれど、全くネガティブな感情がなく彼を好きになって幸せな気持ちで溢れている女の子が描かれていましたよね。設定としては学生というのがしっくりきますよね。冒頭の「また、やってきてくれた」というフレーズが物語っているようにきっとこの女の子は過去に恋愛経験があるおかげで、ドキドキする感情にも動じず恋のはじまりを楽しむことができているのではないかと思います。

そして、この曲のポイントですが一番にBメロの「しょうがない」の後やサビの「雨が降ったって関係ない あなたを好きなこの気持ちは」のところで”HEY”という掛け声やクラップが入っているんですよね。これはライブでお客さんが参加できるような曲を作りたいというところから考案されたそうです。実際のライブでは映像を使って盛り上がれるようにしているんですよね。そこにも是非注目して聴いて見て欲しいなと思います。

また、ギターボーカルの宮崎朝子はこの曲についてインタビューで「こんなに明るく振り切った恋愛の曲はないかなって。作っている時もいけるところまでいっちゃおうみたいな。恥ずかしくて言えないくらいの言葉でも書いちゃおうっていうくらいのパワーがあった曲です」と答えています。

最後に”SHISHAMO「ドキドキ」ワンマンツアー2018-2019「ねぇ、あなたとあの娘は夢でしか逢えない間柄なのにどうして夜明けにキスしてたの?」Ver.”と題したライブ映像がYouTubeにて公開されているので載せておきます。先ほど説明した”HEY”やクラップの様子もよくわかるのでチェックして見てはいかがでしょうか。

皆さんも是非聴いて見て下さい。

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