大人になるということ

両親に、兄弟に、友人に、先生に
大事に大事にされて成長してきた少年が
大学3年間の一人ぐらしで少しだけ大人になった話。

大学に入学していろいろな人と出会うまで
自分がどれだけ恵まれた環境で
どれだけ愛情を受けて
育ってきたのか知る由もなかった。

思い出を美化しているわけではない。
実家で暮らしていた18年間に
温かい気持ちになる思い出もあれば
できれば思い出したくもない思い出もある

でも、すべてなくてはならなかった経験

部活では、
中高ともに結果を出さなければならない試合で結果を出せず
受験では、
高校受験は第一志望に不合格、
大学受験は最後の最後、後期試験でぎりぎり引っかかった。

自分が特別ではないこと
自分が天才ではないことを
痛いほど思い知らされた。

ただ、
どれだけ失敗しても、結果が残せなくても
支えてくれる人がたくさんいた
背中を押してくれる人たちがいた。

たくさんの失敗と
少しの成功と
あふれんばかりの愛で

泣き虫なのに
好奇心は強くて
でも一人はやっぱり怖くて
兄の後ろに隠れてばかりだった少年は
21歳になった。

たくさんの失敗から学んだことは
すべてが報われるなんてことはないこと
自分は何者でもないこと

少しの成功から学んだことは
すべてうまくいかなくても得るものはあること

自分は何者でもない
一人では何もできない
でも
一人じゃなかったら
一人じゃなかったから
何者にでもなれる
何者にでもなれた

自分ができないことを認めて
人を頼れるようになったとき
大人になったと言えるのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?