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オールドクラリネットへのいざないVol3 ORSI MILANO

これも市場でよく見ますよね。ね?
ORSI MILANO イタリアンクラリネット。イタリアンと言っても基本普通のベーム式クラリネットです。
イタリア人が作ったーとか聞くと「雑なのかな」とか思われる方もいるかも知れませんが、そんなこと無いですむしろすごくいい作りです。下手なフランスのよくわからないブランドのもの(大好きです)よりはるかにしっかりした職人の技術を感じました。バラして掃除して組み立てる。やることはこれだけ、といえばこれだけですけどこれで調整も簡単にバシッと決まる。今の工業製品であれば当たり前のことだけど時代を考えよう・・・と言いたいんだけど代理店のKAWAIがガバっとまとめて仕入れて売りさばいてたんで年代がよく分からなかったりするんですよ。シリアルで検索すればある程度は情報集まると思いますがGoogle先生も優柔不断でなかなか調べるのも難しい…。とはいえ材を見ると新しいものではないです。少なくとも40年以上は経ってるかと。(多分KAWAIがバブル期とかに仕入れてるはず)


スッキリとしたベルデザイン


おそらく旋盤で引っ掛けたと思われるような傷。こういうところ残したまま出荷するのがイタリア人気質??(古い管はこういう製造上の傷があること結構ありますし、演奏上問題ないです。)

追柾だけどきれいな材が使われています。重量は軽めです。ものにもよると思いますが。

キィ、レバー類はおそらくニッケルメッキです。クラスとしてはYAMAHAで言うところの4シリーズのスチューデントモデルくらいになると思います。磨いていたときに感じたんですが結構メッキが厚く施されています。

音ですが、基本明るめでよく通るような響き方をします。というかマウスピース等、仕掛けの特性をまっすぐに伝えてくれる楽器です。

今回私が仕入れた個体にはNikkan☆☆がついていました。このマウスピースはすごく明るい音が出るマウスピースでこれとこの管の組み合わせは相性がすごく良く、明るく軽快なそれでいて軽薄ではない深みも兼ね備えていました。

Nikkan ☆☆!初めてみた!

しっかりとした材料にしっかりとした作り。イタリア人の職人気質が感じられます。また、上記の通り仕掛けの色を最大限に活かしてくれる特徴がありますので、色々と試して自分好みの音探しなどもできるのでとても面白い一本だと思いました。
また、作りがしっかりしているため整備とかの練習にもいいかと思います。相場価格がやたらと安いですからね…(2023/12月現在)

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