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介護事業者突然の倒産で戸惑う利用者!
福井県の「デイサービスいしずえ」(2018年4月開業、定員20名、宿泊定員9名:福井市和田2)が、突如、宿泊の利用者の引き取りを親族らに求め、行き場をなくした利用者や親族らに動揺が広がっているといいます。
どうやら、「デイサービスいしずえ」を運営する「サンサン」(鯖江市幸町2)は訪問介護事業と通所介護事情、居宅介護支援事業を営んでいるようですが、現在、破産手続きを申請しており、実質的に運営不可能になってきているようです。
保全管理人によると、申し立ては17日付。サンサンは慢性的な経営難が続き、経営が破綻した。負債総額は約1億6千万円。入所者の引き取り要請は、いしずえの職員の給料が払えない状態ではサービスの継続が困難で、利用者にできる限り早い対応を求めているためという。
求められる利用者救済制度の確立
政府が介護事業者の大規模化を図ろうとする中で、小規模事業者の廃業、倒産は今後も増加していくと思われます。
その際の、入居者、利用者の保護、円滑なサービスの再提供を確保する仕組み作りが求められているのかもしれません。
活発化するM&Aと経営者の姿勢
介護市場の競争激化、大規模化により経営困難、明日の希望を無くした事業者は、自主再建よりM&Aを選ぶようになるのかもしれません。ですから、介護市場は、ますます大企業を中心に事業者の統合、多店舗展開・多店舗経営が進むものと思われます。
以下の記事で紹介したような、多店舗展開・多店舗経営で不祥事が起こるリスクが増大していくことでしょう。
多店舗展開・多店舗経営する時、複数施設の中の一つの施設への経営的注力、注視が薄まってしまいがちとなると危惧されます。
そして、多店舗展開する場合、「たった一つの施設の不祥事が会社全体、全施設の評判を落としてしまう」というリスクも当然大きくなります。
ですから、経営者は、たった一つの施設でも、それはたった一つではなく、会社のサービス全てを背負っているということを深く理解し、「いくら多くの施設があったとしても、一つ一つの施設を大切にし、経営的注力、注視を保っていかなければならない」ということだと思います。
介護施設には、介護事事業は、「One of them」ではないのです。