![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166874864/rectangle_large_type_2_8370dd4684392c4aef9c85334b7e2dba.jpeg?width=1200)
Perfect Days
素晴らしい映画に出会うことができました。ヴィム・ヴェンダース監督の「Perfect Days」(2023)です。カンヌで役所広司さんが最優秀男優賞を受賞して話題となっていた作品です。
東京に住んでいる息子は早々に劇場に観に行ったようでした。勧められていたのですが、近所の単館系映画館でも上映していたのに観にいくことが出来ませんでした。先日からAmazonプライムでの配信が始まりました。鑑賞してから劇場で上映しているうちに見ておくべきだったと後悔しました。
ヴェンダース作品で最初に見たのは「ベルリン天使の歌」でした。モノクロを最も美しく表現している監督だと思います。モノクロは光と影の表現です。影はこの作品の象徴となっています。
何年か前に息子と最も好きな曲について会話することがありました。彼はその時にLou Reedの「Perfect Day」(1972)を挙げました。意外だなと思った憶えがあります。劇中でも使われ、この映画のタイトルとなった曲です。
「Perfect Days見たよ」とLineを送ると
「Flash Disc Ranch出てきたよね」
「Flash Disc Ranch」は下北沢にあるレコード屋さんです。僕が昔よく行っていたお店です。息子が大学に入学するので家探しに行った時に2人で寄り道をしたお店です。僕がよく通っていたのは20年以上前のことですが、全く変わっていませんでした。
息子がLou Reedを聴くきっかけになったのはおそらく、僕が聴いていた「Trainspotting」のサウンドトラック盤ではないかと思います。「Perfect Day」も使われていました。息子は「Trainspotting」サウンドトラック盤からかなりの影響を受けているようです。そしてタイトルに導かれてヴェンダース作品にふれることになったのではないかと思います。
「Perfect Days」は親子関係というものも内包しています。自分と重ね合わせてしまうようなシーンもたくさんありました。
映画に使われていた曲は日本人のアーチスト以外は全て音源を持っているものでした。どれも丁寧に選ばれた曲と思いました。息子も僕が大半を持っていることもわかったのではないかと思います。映画には父親の影がちらついたのではないかと思います。
息子が自分より先にこの作品に辿り着いていることは親バカかもしれませんが喜びを感じました。2人で足を運んだことのある場所が出てきたことも感慨深いものを感じました。
これはヴェンダース監督の「東京物語」なのだろうなと感じさせてくれる作品でした。