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なぜ母は娘の容姿に不満を抱いたのか(容姿コンプレックスOrigin 2)


親たちに不当な扱いを受けがちな、子供の容姿について、のつづき。

 なあんで自分の親はあれほどあたしの容姿に不満足だったのか。その謎はいまだに解けない部分もあるのですが、うちの場合は、母が自分の姿かたちに満足しており、自分に似ないものが嫌いだったから、という部分がありました。
 彼女は娘の容姿容貌について、自分や自分のきょうだいに似た部分を褒め、父方に似た部分をことごとくけなしていた気がします。
 
 結婚相手を選んだのは自分でしょうから、これはいかにも不当なことです。娘や息子はすでにDNAまぜこぜで生まれてしまっているわけで、しかも何の罪もないのよね。

 母はあたしの髪を見ては「私に似てよかったわね」といい、肌の色を見ては「あっちに似ちゃったわね。こっちに似ればよかったのに」鼻の形を見ては「こっちに似れば形がよかったのに」口の形を見れば「あっちに似てだらしない口元だから、表情に気をつけなさい」などと言い立てておりました。

 頭悪すぎだろう!君は!その悪い頭似てたらそっちのほうが問題だぞ!
 と、もしも彼女の友達だったら言ってやったところだけど、あいにくあたしは友達ではなく、幼い娘でして、幼い子供ってのは、母が世界のほとんどを占めているわけです。

 幼いあたしはすっかりこの価値観に洗脳され、「父方=醜い人たちで似るとアンラッキー」「母方=美しい人たちで、似るとラッキー」と思い込まされていました。
 そして要するに、あたしの容姿の構成要素は、より父方に似ていた、ということです。

 子供たちにこんな洗脳が施されているとも知らず、父や父の親戚はカワイソウ、と思います。
 あたしは洗脳されながらも、こういう彼女の言動を、一切外にもらしませんでした。ただ黙って自分の”アンラッキー”とやらに耐えていました。すっごく苦しかったし、納得がいきませんでした。あたしが黙っていたせいで(?)母の「頭がいい人」という評判も安泰でした。ふー。

 家族の名誉のために言っておきますが、うちの父母は仲良しこよしでした。それからはっきり言ってうちのお父ちゃんはかっこいいほうでした。
 父方の親戚には容姿がアトラクティブではない人もそりゃいますけども、父が突然変異、ということもなかったと思います。
 
 それから母のきょうだいは男も女もキレイといって差し支えはないですけども、女は肥満している人が非常に多く、母も例外ではありませんでした。それは世間一般から言えば、かなりな問題です。そんな鼻の形など自慢するヒマがあったら、腹の肉でも削りたまえ、と言われたことはないのかね?ないんだろうな。きっと。

 彼らはそれを問題視していませんでした。どの人も、みごとなぐらい、お顔の話などをするのが大好きでした。つまり、自分の容姿に満足していたのだと思います。

 さらに。あたしは母の問題意識のありようを反映するように、ぷくぷくと肥満した子供だったのです。

 苦しく続く。
 

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「モノ書くコドモ」から「モノ書くおばちゃん」に至るまでに否応なしに書いたボーダイな駄文を、モノ書くばーちゃんが読みやすいプラットフォームに…

おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。