かおる@entre-lignes

書くこと、読むこと、話すこと、とにかく言葉に関するもの、こと、がだいすき。 うまく掬い…

かおる@entre-lignes

書くこと、読むこと、話すこと、とにかく言葉に関するもの、こと、がだいすき。 うまく掬いきれない、断定しかねる、確かにそこにあって、確かにそこにあるのだけれど触ることが出来ない、そんなものたち、を文章や写真にする試みをしています。

マガジン

  • 随想

    はっきりとカテゴライズし難いような、心に浮かんだとりとめないことを書き留めたもの。今現在のものだったり、過去のものだったり。

  • 創作

    フィクションとノンフィクションの間にあるような、エッセイのような小説のようなそんな、ごくごく短い作品です。

  • 日々発見/国が違えば色々違う

    フランスと日本、日々の生活の中で、相違点、類似点を見つけるのは結構面白い。

  • フランス行き振り返り

    2011年末から2014年までの3年のフランス留学をゆるゆる振り返ります。

最近の記事

何かきている、何かおきている、何かいてはる

相変わらず、バタバタうろうろ、さあやるぞと片付け始めては、過去と対面。その中から未来も考える。これもしたい、あれもしたい、夢も見る。そして、ここのところ、またまた偶然ラッシュ。特に最近は、(日本に来る前からその傾向がどんどん強まってきていたのだけれど)、口に出したり、思ったりしたことがすごいタイミングで「偶然」起こることも多く、少し怖いな、と思った(別に悪いことが起きているわけではないので、怖くなることもないのかもしれないが、あまり変なことを考えたり、口にしたりしないようにし

    • いろいろ発見、いろいろ向き合う

      日本に戻ってきて、凄まじい勢いで片付けに取り組んでいる。出来るだけいらないものを減らしていこうと思うのだが、とにかく紙ものが多くて、どう処理していいのかわからない。それでも意を決して引っ掻き回しているうちに、古い書きものが姿を現し、嫌が応にも過去と対峙せざるを得なくなる。13歳の頃の日記など見ると、ああ、こりゃ三つ子の魂とはよう言った、こっぱずかしいくらいに変わっとらん、と思ったり、すっかり忘れていた発言が記事になって残っているのを発見し、あじゃ、あの時わたしゃこんなつもりだ

      • 年齢≠不可能

        何かあると直ぐに、年齢を言い訳にしてしまいそうになる自分がいるけれど、年齢なんて関係ない。どうしてもやりたければやるしかない。今までだってそうしてきたし、これからだってそうすべきだ。もちろん、若い時よりもうんと時間がかかるし、進む速度も悲しいくらいゆっくりになってきている。でも、立ち止まって途方にくれる瞬間が、何度となく訪れようと、諦めてはいけない。気がつかないうちに、一ミリ、二ミリ、先に進んでいるのだ。 と、自分に言い聞かせ、だから新しいことに挑戦。

        • 東京ノート

          本棚から、取り出して、読み返し始めた戯曲「東京ノート」作・平田オリザ。こちらで買い直したものなので、フランス語版。「東京ノート」は初演の時から何度となく繰り返し見てきた作品。自分の置かれた立場や状況、社会の状況が変化していくたびに、異なるところに焦点を当てながら、異なる感想を持ちながら、最後にはいつもちょっぴり泣いてしまう、そんな芝居。日本語の表現とフランス語の表現で(会話における)参考にしたいな、と思って読み返し出したのだが、そうだった。この作品も、どこか「1984」と通じ

        何かきている、何かおきている、何かいてはる

        マガジン

        • 随想
          3本
        • 創作
          2本
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          3本
        • フランス行き振り返り
          3本

        記事

          毎回思い出す

          もう十何年、美容院というものに行っていない。昨日も友人に、「家で美容師に切って貰ったことある?」と聞かれて、「ないよ、いや実は・・・」、と告白した。私は、美容師の経験もないし、習ったこともないので、あくまで自己流カット。ははは。なので、今更美容院には行かれない、というのが本当のところなのだけれど(行ったら美容師さんを泣かせることになる。ガチャガチャに切ってしまっているので)、サロン・ド・カオルのいいところは、いつでも好きな時にちょこちょこ手直ししたり、染めたり、ができるところ

          『ささやくもの』

          やれやれ、やっとひと段落着いた。ワインを一杯、と台所に立ったついでに窓の外をのぞくと、目がいたくなるような青空。ここ数日の悪天候が嘘のようだ。そういえば、先週末から缶詰め状態で全く外出していなかったことに気づき、久しぶりに散歩に出ることにする。暑いのか寒いのかもよくわからないので、とりあえず羽織る物を手に、スニーカーをつっかけて外に出る。日差しは強いけれどものすごく暑い、というほどでもない。さて、勢いよく外に出たものの、取り立てていく当てもない。ちょっと迷ったが、結局いつもの

          『ささやくもの』

          『異空間』

          「降ります !」降車ブザーを押し忘れ、運転手に向かって慌てて声を掛ける。既にバス停を数メートル離れていたにもかかわらず、嫌な顔一つせず、黙ってドアを開けてくれる。礼を言って地上に降り立った瞬間、軽いめまいに襲われた。少し疲れているのかもしれない。まだ夕方の5時すぎだというのに、辺りはすっかり暗くなり、今が冬であることを嫌でも思い知らされる。日が落ちてから見る町は、昼間のそれとは似ても似つかない。まるで来たことが無い場所に来てしまったようだ。勿論そう感じるだけで、角を左に曲がっ

          そして、道は続く

          見えないものを見たいと思う、少なくともいつも探していたいと思う。それを言葉にして書き留めておきたいと思う。そんなことを続けていると心の中の深いところにずんずん下りて行ってしまって簡単に戻ってこれなくなることがある。ほとんど光のない無音の時間。ついに酸素が足りなくなって現実世界に滑り出てきたとき、たった今深く重たい水の底で見てきたことを書き留めるだけではなく口に出して話したい、とも思う。けれど今の私にはそれをできるだけの語学力がない。日本語が豊かであればあるほどその豊かさが邪魔

          そして、道は続く

          すわ、万引き!?

          こちらの語学学校通い始めの頃よく、フランスに来て一番びっくりしたことはなんですか、日本とはここが一番違う、と思ったのはなんでしたか? というような内容の質問を結構された。違い、はあるのが当たり前で、どれをどこを何をもって「一番」とすればいいのかわからない、というのが私の答えだった。びっくりしたこと。これも、「一番」ではないけれど、とにかくびっくりした。それは、フランス到着間もない頃のある日、大型スーパーの店内で起こった。地下の食料品売り場、一番奥の売り場に缶詰コーナーがあり、

          すわ、万引き!?

          振り返り2 への付記

          先に進めていない、全然。少しでも当時の状況がわかるものはないかと過去の記録を引っ掻き回しているのだが、これがまた全く整理されていない上に、日本に置き去りになっているものもあり、捗らないこと甚だしい。が、出て来たものが。2011年の11月4日の短い日記。この時すでに、フランス行きの理由を探そうとしているが、わかっていない。しかも、前回決意するまでに一週間と書いたのだが、一週間ではなく、2日後だった。そして、前回書いた芝居を観に行った、そのあとに、また全然別の芝居を観に行っていた

          振り返り2 への付記

          からだと気持ちの関係

          ちょっとつまづき気味な日々が続いている。というのも、もう何年もまえに発症したへバーデン結節がちょっとずつひどくなって来ていて、数週間前に突然、小指の先に小さな水ぶくれのようなものができてしまった。そこで、色々調べていたら、潰れたり、破れたりした際、そこに菌がつくと大変なことになるという情報に当たってしまった。軟骨の周りを覆っている膜の中には、ある種の潤滑油のようなものが入っているそうで、普段からそれが行ったり来たり、出入りを繰り返しているようなのだけれど、骨の変形が起こった際

          からだと気持ちの関係

          フランス行き振り返り その2

          前回、フランスに対する自発興味スイッチが入った、と書いたが、それからすぐ渡仏したわけではない。どころか、フランスのことを考えてさえいなかった。 自分の舞台や、父親の死、自分の離婚、と様々な出来事をこなしていくだけでどんどんどんどん日々が過ぎていって、気がつけば2011年になっていた。震災の後は、私の周りの多くのアーティストたち同様、私も、舞台芸術で何ができるのか、こんな時に舞台なんてやっているべきなのか、そもそも本当に必要なのかと悶々とする日々。しかし、東北にボランティアに行

          フランス行き振り返り その2

          どうしてフランスに? 〜振り返りの試み〜

          なぜフランスに? その1 2012年から14年までのフランス滞在のことや、その後一旦日本に帰った後に、再びフランスに戻り、暮らすようになった経緯について振り返りたいと思って久しい。何度か試みたものの、結局どこから手をつけていいのかわからないまま実現せず、今日に至る。すぐにまた挫けるかもしれないが、とにかく少しでも書いてみようと思う。 そもそも、なぜフランスだったのか。フランスなのか。なぜだろう。自分のことだというのに、よくわからない。わからないのだが、おそらく、「母の影響

          どうしてフランスに? 〜振り返りの試み〜

          前をむき続けるのはむつかしい

          大切な人やものや場所が消えていく度に、すうっと心に裂目が入る。なんだかやるせなくて、眠りにつけない。

          前をむき続けるのはむつかしい

          またひとつさようなら

          つい先ほど、こまばアゴラ劇場が来年の5月に閉館する、ということを知った。 観客として、そして演者としてもこの劇場にはお世話になった。なんだかぽかんとするばかりで、まだよく実感がわかない。また、さようならか。そうか・・・。

          またひとつさようなら

          からだを巡るあれやこれや

          日本にいるときには、どちらかというと、「病気になったら病院に」という考え方だったような気がする。こちらに来てからは、定期的なメンテナンス、という考え方に変わった。主治医、というのもこちらで初めて持つようになった。これは、パートナーのおかげ。彼の知り合いのとてもいい先生で、本当は主治医をする先生ではなく、専門医なのだけれど、特別に引き受けてくれている。この先生に、一年に一回の定期検診してもらい、もしその際に不安な点がある場合には、さらに紹介状を書いていただき、専門医に診てもらう

          からだを巡るあれやこれや