スタートアップのチーム作りを「クラブチーム化」しているという話。
チームRuntrip、プロ契約選手を増やしています。
「プロ契約?」
と思う人、あぁ、なるほどなと思う人。
色々いると思いますが、ラントリップが「スポーツ × IT」のスターアップだからといって、プロスポーツチームを作るという話ではありません(笑)
では、しっかりと説明していきます。
コロナで火がついた人材リソースの細分化と流動性
このあたりは本noteで詳細を語らなくとも自明だと思いまが、スタートアップ界隈でもいわゆる「複業」という概念においては、需要(案件)よりも供給(求職)の方が膨らんできている印象がありますね。ただ、直近は需要も増加のデータがあり、フリーランスのデータですがギークスさんのレポートによると企業からの案件数は2021年3月に過去最高になったとのこと。
[参照] ITフリーランス市場における需給トレンドを表す「ギークス案件倍率レポート」
さらに4 - 6月では求職側も増加見込み。フルタイムで一つの企業にコミットする形ではなく、本業を持ちながらパートタイムで自らのリソースを切り売りする、企業サイドもテレワーク、全業務のオンライン化を背景に一部業務をスムーズにアウトソース化するという流れが加速するのは不可逆な変化と言えます。
ここまでをまとめます。
・コロナによって労働効率が劇的に改善(無駄な作業や移動が消滅)
・人材リソースのマイクロ化 / 切り売り化
・就労環境のオンライン化とマイクロタスクのアウトソース化
・有史以来最大の、人材流動性の爆発的増加
新たなチームづくりの、ビックチャンス。
このような環境下において、
勝機は企業サイドの魅力度に移行している
と考えています。つまり、複業先(環境)としての魅力度やキャパシティが、この大きな人材流動性の波を生かすビックチャンスだということです。
複業先として、魅力的で働きやすく実績も豊富、実際に働く複業/フリーランス体験も好評で、人が人を呼ぶ。後述しますが、現状の実データでも人材獲得の入り口は「リファラル(紹介)」です。故に、総合的な"マイクロワーカビリティ"が高い「開かれたチーム」により優秀で質の高い人的リソースが集まる可能性が高いのです。
チームRuntripでは、創業当初(2015年)からフリーランスや複業の主にエンジニア、デザイナーと共に並走し、鍛えられ支えられてきたという歴史があります。故に、複業先のマイクロワーカビリティという観点でいうと、ある程度アドバンテージがあると思っているんですね。
そこで、もう一歩踏み込んで、この新たなチーム作り、マイクロワーカビリティを次のステージに進めることを決めました。それが「スタートアップチームのクラブチーム化」ということなんです。
クラブチームとしての要件とは
では具体的に、"クラブチームの何"を要件としてチームRuntripのマイクロワーカビリティを進化させているか、次の3つにまとめます。
また、3つのクラブチーム要件における"2つの配役"を目下のチーム作りにおいては次のように置き換えています。
・STAFF|フルコミットの正社員
・PRO PLAYER|複業、フリーランス等の契約選手
当然、実際はこのように真っ二つに別れず、業務的にもオーバラップすることが多いですが(特にスタッフサイドのオーナーシップは)、分かりやすく役割をまとめると次のようになります
・STAFF|ピッチ/コート外でプレイヤーのパフォーマンスやチームパフォーマンスの最大化を行う(時にピッチ/コートに入ってロストボールを拾う)
・PRO PLAYER|ピッチ/コート内でパスを回す、ゴールを決める、ディフェンスする
ですので、実際のチームRuntripおいてもそれぞれの配役を期待値として乗せた上でコラボレーションを進化させています。
主要な「PRO PLAYER」獲得チャネル
現在稼働している30名以上のPRO PLAYERの採用経路をグラフにしました。
これは通常の正社員採用においても変わらないですが、理想と現実もやはり既存のプレイヤーからの紹介(リファラル)が主要チャネルです。また、専用の媒体も活用し始めています。特に我々は上記チーム戦略上
PRO PLAYERと契約したい = 入口が複業でスタート
ですので、入口のハードルが圧倒的に低いんですね。
当然、STAFFとPRO PLAYERに求める要件も異なるので、契約したい人材の要件を明確に社内で定義した上で、まずプロ契約で活躍するチームメンバーを増やし、お互いのプレーの相性を同時に判断し合っています。
PRO PLAYERとして活躍し続けるか、STAFFにコンバートするか
従来の「複業(業務委託)か、正社員か」ではなく
「STAFFか、PRO PLAYERか」
という観点だと、迎え入れる会社として必ずしも正社員化がゴールという訳ではないんですね。ここがクラブチーム化におけるポイントです。
先にも書きましたが、極端な分業をあえて想定すればSTAFFとPRO PLAYERに求める要件は異なるので、PLAYERは”プロ”として活躍し続けてもらう、そういうPRO PLAYERが何人もいて切磋琢磨している。
そういうチーム環境が今後よりリアリティとスケーラビリティを持って実現できると思っています。
なぜなら、こういった特定の企業に正社員として属さず、ある領域に特化して複数の会社やプロジェクトで「会社」や「場所」の制約からも解き放たれた「真のプロ志向のワーカー」がこれから確実に増えてくるから、なんですね。
チームRuntripの"クラブチーム化"の背景には、単に人材リソースのマイクロ化というだけでなく、そういった"新種登場"という外部環境の大きな変化があります。
理想の"ナショナルチーム化"へ
では、スタートアップ企業としての”クラブチーム化"という大きな方向性の中で、より「PRO PLAYERから見た」理想のチーム、環境とは何でしょうか?
これは、あえてクラブチームとの対局にあるナショナルチームだと思います。
複業として活躍するPRO PLAYERであれば、当然「複」ではない「本業」のホームチームがあるわけですね。軸足はホームチームだが、定期不定期で招集されるナショナルチームでのプレーは、当然他の優秀な"プロ"と切磋琢磨して自分のスキルや経験をより高みに持っていくフィールドになります。
また、そのナショナルチームとしての環境が外部評価として評価されていればいるほど、実際のピッチやコートに立ってプレーすることの高揚感や満足感も高まると思います。故に、今私たちは内外でのプレー環境の評価を高めるべく努力をしていかなければなりません。
そして、当社において最大のポイントだと思っているのが、ラントリップの存在意義が、従来のスタートアップのような「課題の解決」ではなく
「人生のリフトアップ」
にあるからです。スタートアップのWHYにおける定石は「誰の、どんな課題を解決しているか」がスタートラインですね。当社も同様の課題ドリブンで、会社のミッションをある種のスタートアップフォーマットに合わせて定義することもできますが、もっと本質を言えば
「走ることが好きだから」
「それをエンパワーすることが人生や幸福をリフトアップするから」
このフィールドで事業をやっているんですね。実際、当社のミッション
「もっと自由に、楽しく走れる世界へ。」
に共感して、”プロ”として契約頂く人が増えてきました。走るという手段に限らず、コロナ禍で「心身の健康」がいかに大切か、それがトータルでの人生を充足させる上でどれだけかけがえのないものなのか。多くの人が気づきはじめ、そのフィールドに"プレー"で貢献したいという人が増えていきています。
本業以外で、「好きなこと」に自らの経験やスキルを投下してプレーする、活躍する。
これはナショナルチームでプレーする、国家や国旗を背負う高揚感に、非常に相似する体験だと思っています。
どうやってチームカルチャーを育むのか?
一方で、当然この "会社のクラブチーム化"は組織運営において難しい側面を孕んでいると思います。
それが「企業文化 / カルチャー」の醸成と維持です。
フルタイムコミットのSTAFFよりも多くのPRO PLAYERがチームのマジョリティを占める場合、そこに存在するカルチャーとは何なのか。確固たる当社のカルチャーが過去あったとした場合、それは健全に維持したり育むことができるのか。そんな大きな課題のヒントになるのもまた、優れた"世界のクラブチーム"なんです。
例えばサッカーに詳しくない方でも「レアル・マドリード」「FCバルセロナ」の名前は聞いたことがあると思います。彼らはそれこそ世界中から超優秀なプレイヤーを集めて文字通りスター軍団を作っていますが、両チーム共何より大切にしているのが「チームの文化」と言うのです。
では、スター選手が次々と入れ替わる中で、どのようにしてチームの文化を維持、育んでいるのか。その秘訣が「カンテラ」と呼ばれる下部組織です。
地元や世界から才能のある若手を下部組織で育成してゆく。ポイントは、単にいち選手としてではなくクラブチーム文化の体現者として育成しています。そして、そんなクラブ文化の純正培養として育った生え抜き選手と、移籍組のスター選手をバランス良くピッチに立たせることによって、維持すべきカルチャーのバランスを絶妙な形で保っているんですね。
これは、我々企業にとっては新卒採用に他なりません。
当社も今年の4月に1名の新入社員を迎え入れました。詳しくはこちらの代表大森のnoteをご参照ください。
このようにして時にプレイヤーであり、時にサポーターであるSTAFFがカルチャーにおいてはコアです。故に、他の企業よりも正社員により強いカルチャーフィットを求めているという意味でもあります。
今後チームRuntripの"クラブチーム化"へのチャレンジを経る中で、特にカルチャーに関しては注意深くデザインしていきます。
まだまだ、我々の"クラブチーム化"へのロングランは、号砲が鳴ったばかりですから。
最後に|PRO PLAYER、募集。
とうぜん最後は、この締めです。
"こんな環境で思いっきり活躍したいPRO PLAYER候補"
"こんな環境作りをチャレンジしたいSAFF候補"
どちらも絶賛募集中です。
もし少しでも興味を持って頂いたら、こちらの採用候補者向けページをご覧ください。チームRuntripの事業や、チームの詳細がより詳しく載っています。
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