美女と野獣

私は、英語のリスニング、スピーキングの練習が目的で
英米の映画やドラマを、日本語訳ではなくオリジナルのまま観ることがある。
先日、ディズニーのアニメ映画「Beauty And The Beast」(美女と野獣)のオリジナル版(英語版)を観た。
観たと言っても実際は聞いたと言った方が正しいのではあるが。
サブスクで再生しながらそれを録音した。
録音した音源を再生してみる。冒頭のナレーションから何を言っているのかわからない。
一旦聴くのを止め、英語のスクリプトを購入することにした。
Amazonから届いたスクリプトブックを、裁断機で裁断し、
ドキュメントスキャナーでPCに取り込んで、OCRソフトでテキストデータに変換した。
つまり、自炊をした。
私は全盲であるため、書籍をそのままでは読むことができないが、
スクリーンリーダーと呼ばれる音声読み上げソフトがインストールされてあるPCを使用すれば、文字データを読ませることができる。
文字データに変換した「Beauty And The Beast」のスクリプトを参照しながら、再度映画を観た。
物語が先へ進むに連れ、この美しくて優しいストーリーに引き込まれ
感動して涙を流してしまった。
再度、台詞を確認しながら映画を観た。
再び泣いてしまったのだが、
ラストシーンの美しい台詞が、どのような日本語に翻訳されているのかが気になり、
日本語訳版の「美女と野獣」を観ることにした。
訳者の方には申し訳ないが、正直なところ、日本語訳には少し違和感を持った。
例えば、死を直前にしたBeastが次の台詞を発する。

「At least...I gotto seeyou...one last time.」

こう言って息絶えたBeastに対し、Belleが次の台詞を発する。

「No. No. Please. Please. Please, don't leave me. I love you.」

これが以下の日本語に当てられている。

野獣: 「どうしても君の顔が見たかった、死ぬ前に。」

ベル:「だめ!待って!死なないで!私を置いて行かないで!愛してるわ。」

正確に翻訳されていないし、なんだか安っぽい感じがする。
尺の問題で、正確には訳せないのかもしれないが、
もう少し、それらしい訳を当ててほしい。
また、野獣の魔法が解け、
元の姿に戻った王子が、ベルに

「Belle, it's me!」

と言う。ベルは首をかしげながら、彼の髪に触れ、彼の青く澄んだ眼を見て、眼の前にいるのが彼であると分かり、

「It is you!」

と言う。
この部分の日本語訳はこうだ。

王子:「ベル、ぼくだよ!」
ベル: 「あなたなのね!」

王子の台詞はこれでいいとして、ベルの台詞には違和感がある。
ベルが発した

「It is you!」

は、"is"が強調して発せられている。
ここには、ベルの驚きと、喜びの感情がこめられている。それが、"is"の強調なのだ。
だから、

「It's you!」

ではなく

「It is you!」

なのである。
ただ、これは英語独特の表現なのかもしれない。
従って、日本語では、これを表現するのは難しい。
結論として、英語の映画は英語で観るのが理想だ。

#美女と野獣

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