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血糖値を利用して睡眠の質を改善する方法

前回、睡眠と血糖値に関係があることを紹介しました。

この記事では、その応用として血糖値を指標に睡眠の質を改善し、身体も頭も休息するよい方法を紹介します。

睡眠の質と血糖コントロールが関連することについてはこれまで研究で報告されています*1*2
特に、血糖コントロールがうまくできてない人(血糖変動が激しく、頻繁に高い / 低い値を示す人)は、日中の血糖コントロールがうまくいっている人に比べて睡眠の質が悪いことが分かっています。

また、血糖と睡眠はお互いに可逆的な影響を与えます。つまり、睡眠が血糖変動に影響を与えもし、逆に血糖変動が睡眠の質に影響を与えます。

これらの特性を把握しながら、血糖値を利用して睡眠を向上させる手法を2つ提案します。




1. 血糖の安定性を向上させる

メンタルが不安定な人は、日中の血糖変動が激しい傾向にあります。その原因は、ストレスであったり、感情の起伏であったり、食事の食べ方であったりします。

原因は外因的なことであっても、食習慣であっても、血糖変動の激しさが、交感神経の乱れに繋がり、ひいては睡眠の質を下げてしまいます。

日中の血糖値を安定させるように、ストレスの軽減、穏やかな感情で過ごすことを意識し、また、血糖値を急激に上昇させないような食生活を心がけましょう。

SympaFitを利用した、あるプロアスリートはメンタルが不安定で、睡眠の質も悪く、試合本番でもプレッシャーを強く感じていました。

SympaFitで血糖変動を解析したところ、夕食時🍚の血糖値が乱高下し、安定していませんでした。

そこで、夕食の時間を早くする、血糖値を急上昇させないように野菜から食べる、などを心がけたところ、1週間で日中・睡眠時の血糖値を安定させることが出来ました。

食事の改善により、血糖値が安定した結果、試合でハイパフォーマンスを発揮できたようです。

SympaFit 実証実験


このように、血糖を安定させる方法は、日々の生活のなかにヒントが隠されているので、血糖モニタリングすることで、改善ポイントをあぶり出すことができます。

SympaFitアプリでは、血糖値を測定するだけで安定性が常に評価されます。
自分の変動がどの程度なのか意識してみてください。



2. 就寝前の血糖の急上昇を避ける

 一般的に、就寝時間の3時間前には食事を済ませるようにしましょう、と言われてきました。

これは科学的根拠に基づいており、就寝前に血糖値を上昇させることは、睡眠の質に大きく影響を与えます。

食事を摂取すると、血糖値は約30分で上昇し、インスリンが働き始め、健常者であれば2時間以内には平常値に戻ります。血糖値が平常に戻ってから寝ることで、交感神経も、内蔵も安静状態で睡眠に入ることができます。


また、経口摂取による血糖値上昇だけでなく、就寝前に交感神経が昂ぶることによって血糖上昇させても、睡眠の質に影響を及ぼします。

就寝前に心躍るようなゲーム、ストレスを感じるメールのやり取り、能動的なSNSなど、ワクワク、ストレスによっても血糖値が上昇することがあるので、これらを避けるようにしましょう。

睡眠は、寝入りの3時間が大切と言われ、最初のノンレム睡眠でどれだけ質を高められるかが、身体と頭の休息には大きく関わってきます。
そこが得られるように、自分がリラックスして入眠できる睡眠ルーティーンを確立するようにしましょう。


SympaFitアプリでは、急上昇回数を検知してくれる機能があります。その他、睡眠に影響のある血糖値の動きを計測し、評価してくれます。これらの特性を把握しながら、血糖値を利用して睡眠を向上させましょう。



  1. Barone, Mark T U, and Luiz Menna-Barreto. “Diabetes and sleep: a complex cause-and-effect relationship.” Diabetes research and clinical practice vol. 91,2 (2011): 129-37. doi:10.1016/j.diabres.2010.07.01

  2. Knutson KL. Impact of sleep and sleep loss on glucose homeostasis and appetite regulation. Sleep Med Clin. 2007 Jun;2(2):187-197. doi: 10.1016/j.jsmc.2007.03.004. PMID: 18516218; PMCID: PMC2084401.