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「分離閉塞」の法則【12】天地否(てんちひ)/64卦

停滞、相互不信、行き詰まった時、不調和、閉会の象徴、閉塞、分離、天と地が交わらない、分離された状態の【12】天地否(てんちひ)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ12番目の【12】天地否(てんちひ)の原文(漢文)と書き下し文です。



【12】天地否(てんちひ)



『卦辞』

「否之匪人。不利君子貞。大往小來。」
「否(ひ)は之(これ)人(ひと)に匪(あら)ず。君子(くんし)の貞(てい)に利(よ)ろしからず。大(だい)往(ゆ)き小(しょう)来(きた)る。」

(ひはこれひとにあらず。くんしのていによろしからず。だいゆきしょうきたる。)



『彖伝』

「彖曰、否之匪人、不利君子貞、大往小來、則是天地不交萬物不通也。上下孚交天下无邦也。内陰而外陽、内柔而外剛、内小人而外君子。小人道長、君子道消也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、否(ひ)は之(これ)人(ひと)に匪(あら)ず、君子(くんし)の貞(てい)に利(よ)ろしからず、大(だい)往(ゆ)き小(しょう)来(きた)るとは、則(すなわ)ち是(こ)れ天地(てんち)交(まじ)わらずして万物(ばんぶつ)通(つう)ぜざるなり。上下(じょうげ)交(まじ)わらずして天下(てんか)に邦(くに)なきなり。内(うち)陰(いん)にして外(そと)陽(よう)なり、内(うち)柔(じゅう)にして外(そと)剛(ごう)なり、内(うち)小人(しょうじん)にして外(そと)君子(くんし)なり。小人(しょうじん)は道(みち)長(ちょう)じ、君子(くんし)は道(みち)消(しょう)するなり。」

(たんにいわく、ひはこれひとにあらず、くんしのていによろしからず、だいゆきしょうきたるとは、すなわちこれてんちまじわらずしてばんぶつつうぜざるなり。じょうげまじわらずしててんかにくになきなり。うちいんにしてそとようなり、うちじゅうにしてそとごうなり、うちしょうじんにしてそとくんしなり。しょうじんはみちちょうじ、くんしはみちしょうするなり。)



『象伝』

「象曰、天地不交否。君子以德儉辟難、不可榮以祿。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、天地(てんち)交(まじ)わらざるは否(ひ)なり。君子(くんし)以(もっ)て德(とく)を儉(つづまやか)にし難(なん)を辟(さ)く。栄(えい)するに禄(ろく)を以(もっ)てす可(べ)からず。」

(しょうにいわく、てんちまじわらざるはひなり。くんしもってとくをつづまやかにしなんをさく。えいするにろくをもってすべからず。)



『爻辞』



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━〇


「初六。抜茅茹。以其彙。貞吉亨。」
「初六(しょりく)。茅(ちがや)を抜(ぬ)くに茹(じょ)たり。其(そ)の彙(たぐい)と以(とも)にす。貞(てい)なれば吉(きち)にして亨(とお)る。」

(しょりく。ちがやをぬくにじょたり。そのたぐいとともにす。ていなればきちにしてとおる。)
「象曰、抜茅、貞吉、志在君也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、茅(ちがや)を抜(ぬ)く、貞(てい)なれば吉(きち)なりとは、志(こころざし)君(きみ)に在(あ)ればなり。」

(しょうにいわく、ちがやをぬく、ていなればきちなりとは、こころざしきみにあればなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━〇
初六━ ━


「六二。包承。小人吉。大人否亨。」
「六二(りくじ)。包承(ほうしょう)す。小人(しょうじん)は吉(きち)なり。大人(たいじん)は否(ひ)にして亨(とお)る。」

(りくじ。ほうしょうす。しょうじんはきちなり。たいじんはひにしてとおる。)
「象曰、大人否亨、不亂羣也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、大人(たいじん)は否(ひ)にして亨(とお)るとは、羣(むれ)に乱(みだ)れざるなり。」

(しょうにいわく、たいじんはひにしてとおるとは、むれにみだれざるなり。)




上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━〇
六二━ ━
初六━ ━


「六三。包羞。」
「六三(りくさん)。羞(はじ)を包(つつ)む。」

(りくさん。はじをつつむ。)
「象曰、包羞、位不當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、羞(はじ)を包(つつ)むとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。」

(しょうにいわく、はじをつつむとは、くらいあたらざればなり。)




上九━━━
九五━━━
九四━━━〇
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━


「九四。有命无咎。疇離祉。」
「九四(きゅうし)。命(めい)有(あ)れば咎(とが)无(な)し。疇(とも)祉(さいわい)に離(つ)かん。」

(きゅうし。めいあればとがなし。ともさいわいにつかん。)
「象曰、有命无咎、志行也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、命(めい)有(あ)れば咎(とが)なしとは、志(こころざし)行(おこ)なわるるなり。」

(しょうにいわく、めいあればとがなしとは、こころざしおこなわるるなり。)




上九━━━
九五━━━〇
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━


「九五。休否。大人吉。其亡其亡、繫于苞桑。」
「九五(きゅうご)。否(ひ)を休(や)む。大人(たいじん)は吉(きち)なり。其(そ)れ亡(ほろ)びなん其(そ)れ亡(ほろ)びなんとて、苞桑(ほうそう)に繫(かか)る。」

(きゅうご。ひをやむ。たいじんはきちなり。それほろびなんそれほろびなんとて、ほうそうにかかる。)
「象曰、大人之吉、位正當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、大人(たいじん)の吉(きち)なるは、位(くらい)正(ただ)しく当(あた)ればなり。」

(しょうにいわく、たいじんのきちなるは、くらいただしくあたればなり。)




上九━━━〇
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━


「上九。傾否。先否後喜。」
「上九(じょうきゅう)。否(ひ)を傾(かたむ)く。先(さき)には否(ふさ)がり後(のち)には喜(よろこ)ぶ。」

(じょうきゅう。ひをかたむく。さきにはふさがりのちにはよろこぶ。)
「象曰、否終則傾、何可長也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、否(ひ)終(おわ)れば傾(かたむ)く、何(なん)ぞ長(なが)かる可(べ)けん也(や)。」

(しょうにいわく、ひおわればかたむく、なんぞながかるべけんや。)