「変容協力」の法則【50】火風鼎(かふうてい)/64卦
大釜、船、人の完全な変容、状況の完全な変容、安定、三者協力の【50】火風鼎(かふうてい)。
【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。
「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。
学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。
易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。
このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。
全部である64卦あるなかのひとつ50番目の【50】火風鼎(かふうてい)の原文(漢文)と書き下し文です。
【50】火風鼎(かふうてい)
『卦辞』
「鼎、元吉亨。」
「鼎(てい)は、元(おお)いに吉(きち)にして亨(とお)る。」
(ていは、おおいにきちにしてとおる。)
『彖伝』
「彖曰、鼎、象也。以木巽火、亨飪也。聖人亨以享上帝、而大亨以養聖賢。巽而耳目聰明、柔進而上行、中得而應乎剛。是以元亨。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、鼎(てい)は、象(しょう)なり。木(き)をもって火(ひ)に巽(い)れて、亨飪(ほうじん)するなり。聖人(せいじん)は亨(ほう)してもって上帝(じょうてい)を享(まつ)り、大亨(たいほう)してもって聖賢(せいけん)を養(やしな)う。巽(そん)にして耳目(じもく)聡明(そうめい)なり。柔(じゅう)進(すす)みて上行(じょうこう)し、中(ちゅう)を得(え)て剛(ごう)に応(おう)ず。ここをもって元(おお)いに亨(とお)るなり。」
(たんにいわく、ていは、しょうなり。きをもってひにいれて、ほうじんするなり。せいじんはほうしてもってじょうていをまつり、たいほうしてもってせいけんをやしなう。そんにしてじもくそうめいなり。じゅうすすみてじょうこうし、ちゅうをえてごうにおうず。ここをもっておおいにとおるなり。)
『象伝』
「象曰、木上有火鼎。君子以正位凝命。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、木(き)の上(うえ)に火(ひ)あるは鼎(てい)なり。君子(くんし)もって位(くらい)を正(ただ)し命(めい)を凝(な)す。」
(しょうにいわく、きのうえにひあるはていなり。くんしもってくらいをただしめいをなす。)
『爻辞』
上九━━━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
九二━━━
初六━ ━〇
「初六。鼎顚趾。利出否。得妾以其子。无咎。」
「初六(しょりく)。鼎(かなえ)趾(あし)を顚(さか)しまにす。否(あしき)を出(い)だすに利(よ)ろし。妾(しょう)を得(え)てその子(こ)に以(およ)ぶ。咎(とが)なし。」
(しょりく。かなえあしをさかしまにす。あしきをいだすによろし。しょうをえてそのこにおよぶ。とがなし。)
「象曰、鼎顚趾、未悖也。利出否、以從貴也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鼎(かなえ)趾(あし)を顚(さか)しまにすとは、いまだ悖(もと)らざるなり。否(あしき)を出(い)だすに利(よ)ろしとは、もって貴(き)に従(したが)うなり。」
(しょうにいわく、かなえあしをさかしまにすとは、いまだもとらざるなり。あしきをいだすによろしとは、もってきにしたがうなり。)
上九━━━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
九二━━━〇
初六━ ━
「九二。鼎有實。我仇有疾。不我能即。吉。」
「九二(きゅうじ)。鼎(かなえ)に実(み)あり。我(わ)が仇(あだ)疾(にく)むことあり。我(われ)に即(つ)く能(あた)わず。吉(きち)なり。」
(きゅうじ。かなえにみあり。わがあだにくむことあり。われにつくあたわず。きちなり。)
「象曰、鼎有實、愼所之也。我仇有疾、終无尤也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鼎(かなえ)に実(み)ありとは、之(ゆ)くところを慎(つつし)むなり。我(わ)が仇(あだ)疾(にく)むことありとは、終(つい)に尤(とが)なきなり。」
(しょうにいわく、かなえにみありとは、ゆくところをつつしむなり。わがあだにくむことありとは、ついにとがなきなり。)
上九━━━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━〇
九二━━━
初六━ ━
「九三。鼎耳革。其行塞。雉膏不食。方雨虧悔。終吉。」
「九三(きゅうさん)。鼎(かなえ)の耳(みみ)革(あらた)まり、その行(こう)塞(ふさ)がる。雉(きじ)の膏(こう)食(くら)われず。方(まさ)に雨(あめ)ふらんとして悔(くい)を虧(か)く。終(つい)に吉(きち)なり。」
(きゅうさん。かなえのみみあらたまり、そのこうふさがる。きじのこうくらわれず。まさにあめふらんとしてくいをかく。ついにきちなり。)
「象曰、鼎耳革、失其義也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鼎(かなえ)の耳(みみ)革(あらた)まるとは、その義(ぎ)を失(うしな)うなり。」
(しょうにいわく、かなえのみみあらたまるとは、そのぎをうしなうなり。)
上九━━━
六五━ ━
九四━━━〇
九三━━━
九二━━━
初六━ ━
「九四。鼎折足。覆公餗。其形渥。凶。」
「九四(きゅうし)。鼎(かなえ)足(あし)を折(お)り、公(こう)の餗(そく)を覆(くつが)えす。その形(かたち)渥(あく)たり。凶(きょう)なり。」
(きゅうし。かなえあしをおり、こうのそくをくつがえす。そのかたちあくたり。きょうなり。)
「象曰、覆公餗。信如何也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、公(こう)の餗(そく)を覆(くつが)えす、信(まこと)に如何(いかん)せん。」
(しょうにいわく、こうのそくをくつがえす、まことにいかんせん。)
上九━━━
六五━ ━〇
九四━━━
九三━━━
九二━━━
初六━ ━
「六五。鼎黄耳金鉉。利貞。」
「六五(りくご)。鼎(かなえ)黄耳(こうじ)金鉉(きんげん)あり。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」
(りくご。かなえこうじきんげんあり。ただしきによろし。)
「象曰、鼎黄耳、中以爲實也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鼎(かなえ)黄耳(こうじ)ありとは、中(ちゅう)もって実(じつ)となすなり。」
(しょうにいわく、かなえこうじありとは、ちゅうもってじつとなすなり。)
上九━━━〇
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
九二━━━
初六━ ━
「上九。鼎玉鉉。大吉无不利。」
「上九(じょうきゅう)。鼎(かなえ)玉鉉(ぎょくげん)あり。大吉(だいきち)にして利(よ)ろしからざるなし。」
(じょうきゅう。かなえぎょくげんあり。だいきちにしてよろしからざるなし。)
「象曰、玉鉉在上、剛柔節也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、玉鉉(ぎょくげん)上(かみ)に在(あ)りとは、剛柔(ごうじゅう)節(せつ)あるなり。」
(しょうにいわく、ぎょくげんかみにありとは、ごうじゅうせつあるなり。)