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「控えめ」の法則【62】雷山小過(らいざんしょうか)/64卦

小さい成功、節約、小さな弱点、小さな間違い、詳細への注意、小さな問題に注意を払う、少し過ぎる、控えめの【62】雷山小過(らいざんしょうか)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ62番目の【62】雷山小過(らいざんしょう)の原文(漢文)と書き下し文です。



【62】雷山小過(らいざんしょう)



『卦辞』

「小過、亨。利貞。可小事。不可大事。飛鳥遺之音。不宜上、宜下。大吉。」
「小過(しょうか)は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。小事(しょうじ)には可(か)なり、大事(だいじ)には可(か)ならず。飛鳥(ひちょう)これが音(ね)を遺(のこ)す。上(のぼ)るに宜(よろ)しからず、下(くだ)るに宜(よろ)し。大(おお)いに吉(きち)なり。」

(しょうかは、とおる。ただしきによろし。しょうじにはかなり、だいじにはかならず。ひちょうこれがねをのこす。のぼるによろしからず、くだるによろし。おおいにきちなり。)




『彖伝』

「彖曰、小過、小者過而亨也。過以利貞、與時行也。柔得中。是以小事吉也。剛失位而不中。是以不可大事也。有飛鳥之象焉。飛鳥遺之音、不宜上、宜下、大吉、上逆而下順也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、小過(しょうか)は、小(しょう)なる者(もの)過(す)ぎて亨(とお)るなり。過(す)ぎてもって貞(ただ)しきに利(よ)ろしとは、時(とき)と与(とも)に行(おこ)なうなり。柔(じゅう)中(ちゅう)を得(え)たり。ここをもって小事(しょうじ)には吉(きち)なるなり。剛(ごう)位(くらい)を失(うしな)いて中(ちゅう)ならず。ここをもって大事(だいじ)には可(か)ならざるなり。飛鳥(ひちょう)の象(しょう)あり。飛鳥(ひちょう)これが音(ね)を遺(のこ)す、上(のぼ)るには宜(よろ)しからず、下(くだ)るには宜(よろ)し、大(おお)いに吉(きち)なりとは、上(のぼ)るは逆(ぎゃく)にして下(くだ)るは順(じゅん)なればなり。」

(たんにいわく、しょうかは、しょうなるものすぎてとおるなり。すぎてもってただしきによろしとは、ときとともにおこなうなり。じゅうちゅうをえたり。ここをもってしょうじにはきちなるなり。ごうくらいをうしないてちゅうならず。ここをもってだいじにはかならざるなり。ひちょうのしょうあり。ひちょうこれがねをのこす、のぼるにはよろしからず、くだるにはよろし、おおいにきちなりとは、のぼるはぎゃくにしてくだるはじゅんなればなり。)




『象伝』

「象曰、山上有雷、小過。君子以行過乎恭、喪過乎哀、用過乎儉。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、山(やま)の上(うえ)に雷(かみなり)あるは小過(しょうか)なり。君子(くんし)もって行(おこ)ないは恭(きょう)に過(す)ぎ、喪(そう)は哀(あい)に過(す)ぎ、用(よう)は倹(けん)に過(す)ぐ。」

(しょうにいわく、やまのうえにかみなりあるはしょうかなり。くんしもっておこないはきょうにすぎ、そうはあいにすぎ、ようはけんにすぐ。)




『爻辞』

上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━〇

「初六。飛鳥、以凶。」
「初六(しょりく)。飛鳥(ひちょう)もって凶(きょう)なり。」

(しょりく。ひちょうもってきょうなり。)
「象曰、飛鳥以凶、不可如何也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、飛鳥(ひちょう)もって凶(きょう)なりとは、如何(いかん)ともすべからざるなり。」

(しょうにいわく、ひちょうもってきょうなりとは、いかんともすべからざるなり。)



上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━〇
初六━ ━

「六二。過其祖、遇其妣。不及其君、遇其臣。无咎。」
「六二(りくじ)。その祖(そ)を過(す)ぎ、その妣(ひ)に遇(あ)う。その君(きみ)に及(およ)ばずして、その臣(しん)に遇(あ)う。咎(とが)なし。」

(りくじ。そのそをすぎ、そのひにあう。そのきみにおよばずして、そのしんにあう。とがなし。)
「象曰、不及其君、臣不可過也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その君(きみ)に及(およ)ばずとは、臣(しん)は過(す)ぐべからざるなり。」

(しょうにいわく、そのきみにおよばずとは、しんはすぐべからざるなり。)



上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━〇
六二━ ━
初六━ ━

「九三。弗過、防之。從或戕之、凶。」
「九三(きゅうさん)。過(す)ぎてこれを防(ふせ)がざれば、従(したが)いてあるいはこれを戕(そこな)う。凶(きょう)なり。」

(きゅうさん。すぎてこれをふせがざれば、したがいてあるいはこれをそこなう。きょうなり。)
「象曰、從或戕之、凶如何也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、従(したが)いてあるいはこれを戕(そこな)うとは、凶(きょう)なること如何(いかん)にせん。」

(しょうにいわく、したがいてあるいはこれをそこなうとは、きょうなることいかんにせん。)



上六━ ━
六五━ ━
九四━━━〇
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「九四。无咎。弗過、遇之。往厲。必戒。勿用。永貞。」
「九四(きゅうし)。咎(とが)なし。過(す)ぎずしてこれに遇(あ)う。往(ゆ)けば厲(あやう)し。必(かなら)ず戒(いまし)むべし。永貞(えいてい)を用(もち)うることなかれ。」

(きゅうし。とがなし。すぎずしてこれにあう。ゆけばあやうし。かならずいましむべし。えいていをもちうることなかれ。)
「象曰、不過遇之、位不當也。往厲必戒。終不可長也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、過(す)ぎずしてこれに遇(あ)うとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。往(ゆ)けば厲(あやう)し、必(かなら)ず戒(いまし)むべしとは、終(つい)に長(なが)かるべからざればなり。」

(しょうにいわく、すぎずしてこれにあうとは、くらいあたらざればなり。ゆけばあやうし、かならずいましむべしとは、ついにながかるべからざればなり。)




上六━ ━
六五━ ━〇
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「六五。密雲、不雨、自我西郊。公弋取彼在穴。」
「六五(りくご)。密雲(みつうん)あれど雨(あめ)ふらず。我(わ)が西郊(せいこう)よりす。公(こう)、弋(いぐるみ)して彼(か)の穴(あな)に在(あ)るを取(と)る。」

(りくご。みつうんあれどあめふらず。わがせいこうよりす。こう、いぐるみしてかのあなにあるをとる。)
「象曰、密雲不雨、已上也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、密雲(みつうん)雨(あめ)ふらずとは、已(はなは)だ上(のぼ)ればなり。」

(しょうにいわく、みつうんあめふらずとは、はなはだのぼればなり。)



上六━ ━〇
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「上六。弗遇、過之。飛鳥離之。凶。是謂災眚。」
「上六(じょうりく)。遇(あ)わずしてこれを過(す)ぐ。飛鳥(ひちょう)これに離(かか)る。凶(きょう)なり。これを災眚(さいせい)と謂(い)う。」

(じょうりく。あわずしてこれをすぐ。ひちょうこれにかかる。きょうなり。これをさいせいという。)
「象曰、弗遇過之、已亢也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、遇(あ)わずしてこれを過(す)ぐとは、已(はなは)だ亢(たかぶ)れるなり。」

(しょうにいわく、あわずしてこれをすぐとは、はなはだたかぶれるなり。)