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「無邪気」の法則【25】天雷无妄(てんらいむぼう)/64卦

イノセンス、シンプル、無邪気、無実、予期しない整合性、本能的善、予想外の不幸、至誠至実、無為無心、思わぬ災い、天真爛漫、なりゆきに任せる
の【25】天雷无妄(てんらいむぼう)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ25番目の【25】天雷无妄(てんらいむぼう)の原文(漢文)と書き下し文です。



【25】天雷无妄(てんらいむぼう)



『卦辞』

「无妄、元亨利貞。其匪正正有眚。不利有攸往。」
「无妄(むぼう)は、元(おおい)に亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし。其(そ)れ正(せい)に匪(あら)ざるときは、眚(わざわ)い有(あ)り。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よ)ろしからず。」

(むぼうは、おおいにとおりてただしきによろし。それせいにあらざるときは、わざわいあり。ゆくところあるによろしからず。)



『彖伝』

「彖曰、无妄、剛自外來而爲主於内。動而健、剛中而應、大亨以正。天之命也。其匪正有眚、不利有攸往、无妄之往、何之矣。天命不祐、行矣哉。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、无妄(むぼう)は剛(ごう)外(そと)より來(きた)りて内(うち)に主(しゅ)と爲(な)る。動(うご)きて健(けん)なり。剛中(ごうちゅう)にして應(おう)ず。大(おお)いに亨(とお)りて以(もっ)て正(ただ)しきは、天(てん)の命(めい)なれば也(なり)。其(そ)れ正(せい)に匪(あら)ざるときは眚(わざわ)い有(あ)り、往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よ)ろしからずとは、无妄(むぼう)の往(ゆ)くは、何(いずく)にか之(ゆ)かん。天命(てんめい)祐(たす)けず、行(い)かん哉(や)。」

(たんにいわく、むぼうはごうそとよりきたりてうちにしゅとなる。うごきてけんなり。ごうちゅうにしておうず。おおいにとおりてもってただしきは、てんのめいなればなり。それせいにあらざるときはわざわいあり、ゆくところあるによろしからずとは、むぼうのゆくは、いずくにかゆかん。てんめいたすけず、いかんや。)



『象伝』

「象曰、天下雷行、物與无妄。先王以茂對時育萬物。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、天(てん)の下(した)に雷(かみなり)行(ゆ)き、物(もの)ごとに无妄(むぼう)を与(あた)う。先王(せんおう)以(もっ)て茂(さか)んに時(とき)に對(たい)し萬物(ばんぶつ)を育(やしな)う。」

(しょうにいわく、てんのしたにかみなりゆき、ものごとにむぼうをあたう。せんおうもってさかんにときにたいしばんぶつをやしなう。)



『爻辞』



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━〇

「初九。无妄。往吉。」
「初九(しょきゅう)。无妄(むぼう)なり。往(ゆ)けば吉(きち)なり。」

(しょきゅう。むぼうなり。ゆけばきちなり。)
「象曰、无妄之往、得志也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、无妄(むぼう)の往(ゆ)くは、志(こころざし)を得(え)る也(なり)。」

(しょうにいわく、むぼうのゆくは、こころざしをえるなり。)




上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━〇
初九━━━

「六二。不耕獲。不菑畬。則利有攸往。」
「六二(りくじ)。耕獲(こうかく)せず。菑畬(しよ)せざれば、往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よ)ろし。」

(りくじ。こうかくせず。しよせざれば、ゆくところあるによろし。)
「象曰、不耕獲、未富也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、耕獲(こうかく)せずとは、未(いま)だ富(と)まんとせざる也(なり)。」

(しょうにいわく、こうかくせずとは、いまだとまんとせざるなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━〇
六二━ ━
初九━━━

「六三。无妄之災。或繋之牛。行人之得、邑人之災。」
「六三(りくさん)。无妄(むぼう)の災(わざわい)あり。或(ある)いは之(これ)が牛(うし)を繋(つな)ぐ。行人(こうじん)の得(え)るは、邑人(ゆうじん)の災(わざわい)なり。」

(りくさん。むぼうのわざわいあり。あるいはこれがうしをつなぐ。こうじんのえるは、ゆうじんのわざわいなり。)
「象曰、行人得牛、邑人災也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、行人(こうじん)の牛(うし)を得(え)るは、邑人(ゆうじん)の災(わざわい)なる也(なり)。」

(しょうにいわく、こうじんのうしをえるは、ゆうじんのわざわいなるなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━〇
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「九四。可貞。无咎。」
「九四(きゅうし)。貞(てい)にす可(べ)し。咎(とが)无(な)し。」

(きゅうし。ていにすべし。とがなし。)
「象曰、可貞、无咎、固有之也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、貞(てい)にす可(べ)し、咎(とが)无(な)しとは、固(かた)く之(これ)を有(たも)つ也(なり)。」

(しょうにいわく、ていにすべし、とがなしとは、かたくこれをたもつなり。)



上九━━━
九五━━━〇
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「九五。无妄之疾。勿藥有喜。」
「九五(きゅうご)。无妄(むぼう)の疾(やまい)あり。藥(くすり)することなくして喜(よろこ)び有(あ)り。」

(きゅうご。むぼうのやまいあり。くすりすることなくしてよろこびあり。)
「象曰、无妄之藥、不可試也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、无妄(むぼう)の藥(くすり)は、試(もち)う可(べ)からざる也(なり)。」

(しょうにいわく、むぼうのくすりは、もちうべからざるなり。)



上九━━━〇
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「上九。无妄。行有眚。无攸利。」
「上九(じょうきゅう)。无妄(むぼう)なり。行(い)けば眚(わざわ)い有(あ)り。利(よ)ろしき攸(ところ)无(な)し。」

(じょうきゅう。むぼうなり。いけばわざわいあり。よろしきところなし。)
「象曰、无妄之行、窮之災也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、无妄(むぼう)の行(い)くは、窮(きわ)まるの災(わざわい)ある也(なり)。」

(しょうにいわく、むぼうのいくは、きわまるのわざわいあるなり。)