時間とやりたいことのバランス
「あなたのやりたいことは何ですか?」
就職活動の面接や、知人とのカジュアルな飲みの席など、様々な場面に色々な言い回しで繰り出されるこの質問があまり好きではありませんでした。
大小色々なやりたいことが、僕にはたくさんあります。
中目黒にある三宝亭の麻婆麺が食べたい、休日は何も考えずボーと愛犬と過ごしたい、厚めのスウェットパーカーを藍染めしたい、関係性から立ち上がるプロジェクトを増やしたい、いつか自社サービスを作りたいなどなど。
きっと皆さんも、何か思い浮かんだのではないでしょうか?
最近やっと、やりたいこと / できること / やらなければいけないことのバランスを上手く保てるようになってきました。
しかし、ほんの少し前までは、何かを始めてはフェードアウトしてしまったり、やりたいと思いつつ始めるきっかけを自分に作れなかったり。文章を書くこともそのひとつです。やりたいことをやらなければいけない。やる気と時間を分散した結果、成果が出るまでに息切れしていました。
なんでもできるが、全てはできない
時はどんな代償を払っても、決して帰ってこない。
もし時が欲しければ、自分の手でつくることだ。
チャールズ・バクストン Charles Buxton
イギリスの博愛主義者 醸造家 1822~1871
時間は、全ての人に平等で有限な資源(リソース)です。重要なのは、「平等」で「有限」であること。どんな有名な偉人でも0歳児でも、人は同じ24時間365日の中で生きています。
「その時間をどうやりたいことに当てていくのか」を考え、意識して行動に落とすことが「やりたいことをやること」だと思うのです。朝起きてから、夜にベットに入るまで、時間が何にどう使われているのか把握していますか?
何か新しいことを始めるには時間が必要です。だけど、年齢を重ねるほど仕事や家族との時間など、自分がコントロールし得ないところで時間が埋まっていきます。当たり前ですが、カレンダーがみっちり埋まっていたら、内袖を振っても時間は振ってこないのです。まず、時間を自分の手元に取り戻すことが最初のスタートなのかもしれません。
引力を持った軸という考え方
「やることを決める = やらないことを決めること」
一日にほぼ予定がなく、自由な時間ばかりな人はそうそういないと思います。大抵は時間は何かで埋まっているはず。そこで、一度立ち止まって考えてみます。
「それは、自分にとって本当に必要?」
そもそも何に時間を使っているのか思い浮かばない人は、iphoneのスクリーンタイムや仕事のカレンダーを見ながら、まず現状把握をしてもいいかもしれません。
じゃぁ、Youtubeを見るのは無駄!と言いたい訳では全くありません。Youtubeで推しの動画を見ることが癒しタイムの人もいるでしょう。同じ行動でもその人にとっての重みは異なります。そこで大事なのは、自分にとっての判断軸を持っていることだと思うのです。
軸は引力を持った、やらないことを判断できるもの。軸を設定することで、全ての物事を横並びに同じ基準で選択できるようになります。企業のMision, Vision, Valueがそれにあたります。
大事なのは「やりたいことが見つかる」ではなく「やらないことを判断できる」こと。難しく考えず、楽しい、楽にいられる、心地いい。そんな身体感覚に従って、自分がコントロールできる行動から見直してみると、案外、時間の余白が見つかったり、やりたいことに優先順位がついてくるかもしれません。
最後に、北欧雑貨のEC / メディアサイト北欧暮らしの道具店を経営するクラシコム青木さんの言葉を紹介します。
僕はそもそも「幸せって存在してるの?」って思ってるんですよ。快適だとか気持ちがいいとか、フィジカルな感覚はわかるんですけど、「幸せ」っていうのは概念ですよね。だから、よく分からなくてしっくりこない。暮らしこむが「フィットする暮らし」というコンセプトを立てているのは、僕がフィジカルなことしか信じていないからなんですよ。
土門 蘭『経営者の孤独』(ポプラ出版、2019年)
試行錯誤している、軸の作り方や行動の経過観察の方法についても、どこかで書いてみたいと思います。
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