見出し画像

明日の叙景とDeafheavenと、それからAlcestに関する怪文書

ずっとメタルに選ばれたかった。

この話をするとほぼ100%怪訝な顔をされるが、凡人はコンテンツを選んで好んで追っているわけではなく、コンテンツ(この言い方すげー嫌だが陳腐さを表現したいのであえて使う)に選ばれている。
音が、絵画が、彫刻が、私たちを選ぶ。
少なくとも私はそれを理解していて、毎日成長しようと努めてきた。未成年の時からw クソ生意気なガキやな。
これは最後まで変わらないだろう。

メタルという音楽ジャンルがある。
このジャンルは少し不思議で、世界で選ばれた人たちがプレイし、世界で選ばれた人たちがフォローしている。
ただ、なんかうるさいらしいので、その人口は多くない。
でも不思議なジャンルである。それを好きな人にはなにか因子がある。というのも異なる地域でつくられたはずの音や歌詞には、どこかつながっているところが感じられるからだ。まあ、やっぱり違うところもあるけれど、そこも含めて面白い。
一つだけ言えるのは、メタルにおいては、メタルが人を選んでいる、そんな気がする、ということだ。

↑ここまで個人の感想
↓ここからも個人の感想

私はすっと馴染めたわけではなかった。ここまで来るのに10年ほどかかった。
私は基本的にジャンルに囚われず、好きなものを好きなように摂取するよう心がけている―「とらわれるな」というのは父の教えである。
この教えのおかげで、ほとんどの場所では自分の嗅覚や触覚にしたがって好きなように泳ぎ回り、新しいなにかを見つける方法をすぐに確立できた。

だが、メタルは大変難しかった。長年、自分にとって大きな壁であり続けた。
この壁をどう乗り越えればいいのか?ティーンエイジャーの私は途方に暮れていた。

↑ここまで抽象的な話
↓ここからは具体的な話

バカみてえな人間が多くて入りにくいジャンルとかもありますけど(いきなり口が悪くてすみません)
メタルは全くそんなことはありません。…私が見た限りでは。ちょっと自己顕示欲〜なファンは見たことありますが趣旨と外れるので書きません。

何が難しいかというと、クソみてえなツラした女(私)が観に行ったら結構心配そうな視線を浴びるんじゃないかなという取り越し苦労があったんですね…。
自分はめちゃくちゃ小動物系のちっちぇえ容姿とふわふわした力のない声を持っていまして、そんななりしてて、メタル聴きたいんです、とはなかなか言い難い…。
女性の方でもメタル好きな方はたくさんいらっしゃいますが、うーんちょっと自分と系統ちがうなあ…というので、ひろーいメタルの森で迷ってしまっていたわけです。

↑ここまでポエム
↓ここからもポエム

そこで、偶然出会ってしまった。明日の叙景に。

このビジュアルとことばたちをみるがよい。

明日の叙景と出会った経緯。
もともとお師匠が注目されていて、今や彼らの代表作(※本質ではないと思っています。)であるセカンドアルバム『アイランド』をご紹介いただいたことがきっかけである。ミーハーである。ミーハーであるがすっかり虜になってしまった。森の地図を手に入れてしまった。唐突に。
そんな気持ちがあった―「遠雷と君」の歌が入るまでの間の、ゲリラ豪雨くらいバケツをひっくり返したエグい天気雨のようなドラムのように。

ああ!会いたい!!と思っていたら某大学の学祭になぜか来てくれるとのことで、行った。
タダなのに30分くらいやってくれるという普段苦労してチケを取る人間としてはこんな運命的なことがあっていいのか?と思いつつ行った。なんか一番乗りでむちゃくちゃ最前で観てしまって、あっけに取られてしまった。
なんでこんなすごい人たちが日本におるんや、と。

ちなみにですが彼らはヨーロッパでツアーしたり、アジア圏の国でライブやフェスに出演されたりしています。
あちらの人たちの方が圧倒的にアンテナが高い!負けてる場合じゃねえ!
ほんで、追うしかねえと思って今こんな感じで怪文を書くまでになっています。ごめんなさい…。

次の年の4月にライブがあった。
(Kokeshiさんとのツーマンでしたね)

法◯の時は等力さんの目の前だったので、
この時は関さん寄りに。

『アイランド』が良いのはもういうまでもないが、美しい新曲を聴かせていただき、感無量であった。それが「コバルトの降る街で」という名でリリースされるのはもう少し後のお話である。ビジュアルが良すぎる。今って令和ですよね…?

明日の叙景を追っていたら別の地図を手に入れてしまった。Deafheavenだ。来月アルバム出るよ!!!!やった〜!!!!!!!!!!!!

余談ですけど、新譜のタイトル『Lonely People With Power』って日本語訳だとどうなるのか…。音聞かないとちょっと分からなくてわくわくしますね…。
無敵の人?かと思ったんですけど…。

このビジュアルをみるがよい。惚れないわけがない。

彼らについてはまじでこのインタビューを見てほしいのだが、知的で、神秘的で、なにか深いところを見る力を持つ人たちが集まっている奇跡のようなバンドである。

私はあんまりことばのもちあわせがないので上手く言えないが彼らがリスナーを選んでいるというのはもういうまでもないことであろう。明日の叙景然り。

去年のある夏の日、なんかよくわからないけど彼らが来日してくれるということで行った。
魔法にかけられたような気持ちであった。ASDと診断される少し前の話だったが、人間がどうのこうのとかどうでもよくなるほどの時間だった。
今でも思い出すと理由はわからないけれど涙が出てくるような、あたたかな布団のような、晴れやかな春の日のような、打ち付ける白い波のような、草原を吹き抜ける風のような。

もっとマシな写真を撮りなさいよ!

こうして私は無事にメタルの森を探る、自分なりの方法を手に入れたのであった。

↑ここまでポエム
↓ここからは具体的な話

今度Alcestが来日されて、おまけにスペシャルゲスト枠で明日の叙景が全公演帯同するっていう激アツ情報はもうみなさんご存知かと思いますが(知らない人は今知ってください!)

これ、当選しちゃいまして…えへへ…。

Alcestは2000年代から活動されている超大御所さんで、明日の叙景やDeafheavenをたどると必ずここに辿り着くみたいな、水源のようなバンドです。
日本でもめちゃくちゃ人気です。

で、行けることになってしまった…えへへ(しつこいな)
ちょっと苦手な夏の時期になるので、体調に気をつけて楽しみに過ごしたいと思います。

去年明日の叙景とDeafheavenを観られた話書くぞ書くぞ詐欺してて、その間にAlcestも入ってきてしまったのでわあ〜となって書きました。
もっとメタルを聴けるようになりたいので頑張ります。

🤘 BE METAL 🤘

おわりです。

いいなと思ったら応援しよう!

Sy
ありがとうございます。 ほしい本を買おうと思います!