琴奏 沈丁花香る早朝の京都・文子天満宮 6 しひな/琴と笛と文筆と旅と 2023年3月20日 08:55 令和直前くらいの、数年前の動画を発掘したのを、アップ。この季節の早朝参拝の心地よかった記憶が甦り、今ごろですが編集に駆られました(^^ゞ早朝とはいえ人通りもあるし、声と音をひそめて奉ったので、石笛も声も少しうわずっていますが、沈丁花の香りに包まれて、清浄な朝の氣の中で奏でるのは、至福至上のひとときでした✨文子天満宮様は、京都駅からほど近い七条にあるので、よく、夜行バス着すぐに参っております。もともと天神様に惹かれたきっかけは、研究者の頃にたまたま“多治比文子”という名を知ったことからで、一時期、他所でも明記されずに祀られている「文子社」に、旅先の偶然でたどり着いて出会うご縁も重なり、北野天満宮でも必ず文子様のお社と祠に参るのが常です。ちなみに文子社には、小さな黒猫に案内してもらって、最初に参ったいきさつもありました。平安京の果て、かつての東市(ひがしのいち)の片すみで、ひっそりと神託占いなどしていた市巫女に、荒神として太宰府からお戻りの菅原道真公の神霊がおりて、我を北野に祀るよう奏上せよと告げます。しかし身分の低い市巫女に、宮中に訴えかける伝手はなく、畏れながらと、市の占い処にひっそり奉った、その名残りが、こちらの由来です。その後、菅公は他の神職僧侶などにも憑き、やがて北野に鎮まることが叶いましたので、こちらの文子天満宮から遷座したとされ、今は北野天満宮の前身とされています。この多治比文子については、菅公の乳母とする話もあるようですが、年代が合わないので、市井の市巫女なのだろうと推察しますが、少女の身に、いかに巫女なれども、天満天神という強大な神霊をおろしたために、託宣ののちすぐに亡くなられたという話もあるそうです。その後、無事に北野天満宮が祀られた後、文子様も北野天満宮内に祀られて、かつては北野天満宮界隈で神ごとの芸能を行う巫女集団を「文子さん」と呼んでいたという記録をみたことがあるのですが、たぶんそれが、現在の上七軒にも通じているように思います。夜行バスで出かける一番のメリットは、夜明け頃の早朝に着くこと。拝観料などで開門時間が定まっている寺社仏閣以外は、たいてい参拝ができます。京都の伏見稲荷大社や北野天満宮など、日中はとてつもなく人が多い聖地も、早朝は関係者以外はいなくて、静かに祈れる特等タイム。清水寺や奈良の大仏殿なども、開門が早いので朝イチが最高。さらに、ひんやりと新鮮な朝の氣が、命が目覚めるような心地よさ。神仏の威氣が最も感じられ、荘厳さに涙がこぼれるほど有難い祈りにひたれます。旅中でも、宿坊泊でもなければ、なかなか早朝に起き出して出かけるのは大変なので、夜行バス着が最良なのです。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #京都 #宇宙楽器真琴 #早朝参拝 #石笛 #琴奏巡拝 #文子天満宮 #夜行バス朝着 #沈丁花香る 6