謡曲『松虫』と即興舞踊 ネパールの横笛(Antic Nepali wooden flute)付

8/6 東京都北区・七社神社様にて、平和祈念鎮魂のご奉納。8/6 東京都北区・七社神社様にて、平和祈念鎮魂のご奉納。
「亡き人を悼む」をテーマに、謡曲『松虫』の謡いを、即興で舞っていただきました。

舞人:青柳ひづるさん
謡・笛:瀧里しひな

今回、能管の代わりに、ネパールフルートを吹いてみましたが、ヒシギの代わりはムリがありました💦
能管の力強さと息吹は、さすがに能管でしか出せません。他の笛では音が割れるか、力が余って音が抜けた感じになる。

残された者が、亡き人を恋う祈り…
それを思った時に、能楽の中でも特にクセ謡が好きな、この『松虫』の詞章を思い起こし、
ご奉納に採用することにして、

先日、noteに書いた原稿は、これに先立って、思いついて書いたものでしたが、
https://note.com/sylphid/n/nd231a844ec41
『松虫』でも『魔道祖師』でも、逝ってしまったほうは、すでに別境地になっており、残した友人のことを、あまり頓着していない印象があります。
『魔道祖師』のほうは、主人公が死ぬ時は、そこまで友人を深く意識しておらず、死なれて残された側にのみ深い悔恨が残って十数年過ごし、主人公が蘇ってから改めて成就しているので、めでたし…ですが、
『松虫』のほうは、松虫の声に誘われ別次元に昇華したように亡くなった友人を、残されたほうが恋しく想うあまり、後追いしてしまったため、もう同じ蓮の上で再会もできず、念ばかりが残されて彷徨う、報われない哀しさが歌われます。

残された者は、孤独と寂しさに苛まれるけれど、
残されたこの世での時を、大切に、想いを抱きしめながら、天命を果たすことが、亡き人のためと思います。

いつかの世で、また出逢うために。

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