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旅の友としての本、そして旅装

かつての旅好き達は、ひとり旅の機会を持つと、
まず、旅を共にする本を選ぶと言っていました。
私も右に同じ。
お気に入りの本や、買いおいてあった初めて読む本など、重くても数冊を荷造りに入れていました。

でも実のところ、旅中に読書の時間をとれたことは、ほとんどありません。
移動中は、車窓の景色に見とれていたし、
もともとフィールドワークとして出かけているので、ほぼ歩き続け、出向いた先での発見に集中していたし、
外に目と意識が向いているから、新しい本を読んでも、なんとなく内容が入ってきません。

それに、現地でもけっこう、資料や本を入手するから、帰りには荷物は、とんでもない重量になっていました。

旅先では大抵、着いた駅近くに本屋があれば入り、その土地の新聞社が発行している、その土地ならではの本を物色。
これが貴重なのです。
そこでしか見つからないものが多いし、現地だからこその発見を、その場で得られる。
それが好奇心を加速させてくれます。

また、落ち着ける時間があったら、手持ちの本を読むより、気づきを書き綴るほうに夢中になる。
旅先の外に目を向け、書くことで自分の内側に共鳴させるのです。

せっかく異郷を旅するのだから、結局、読書という異次元世界にまで、気が向かない。
それでも旅に持っていく本を選びたくなるのは、本の中の非日常が、旅という非日常にリンクして、
旅のワクワクと共振するからなのかな…と思います。

近年では、写真や動画を撮るスマホやタブレットで、電子書籍を読めるし、記録を書くこともでき、
読む・書く・撮るが、一台で済むコンパクトな時代ではありますが、
それでもやっぱり、紙の本、手帳やノートやペン、そしてカメラと、アナログ的な装備が、
旅情とリンクしやすい感覚があって、なかなか旅装が軽くなりません。

お気に入りを旅仲間として連れて行く…持っていきたいのは、ひとり旅・ひとり愉楽の相棒意識なのかなと、自己分析しています。

最近は、旅装に楽器が加わったこともあり、気を使う荷物が増えたので、
なんとか自制して、旅の友を、
読み慣れたお気に入りの文庫を一冊と、
書き綴るためのモレスキンだけに留めるように努力しています。
それでも、旅装が重くなるんですよねぇ…女らしい、化粧品やオシャレな服や装飾品を持つ趣味はないから、かさばらないはずなんだけれどなぁ。

私のフィールドワークをイメージして、友人が描いてくれたイラストなんですが、
こんなにコンパクトに、軽快に、旅したいものです。


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