楽器・琴糸、音曲を武器に…のフィクション作品
誕生日に、七弦琴を抱く藍忘機フィギュアをもらって、
久々に思い出したのですが、
琴や楽器、音曲などをモチーフにした創作作品について、自分覚え書きを書いておきたくなりました。
『魔道祖師』『陳情令』に描かれる仙術
『魔道祖師』で主要な仙師の一族には、音曲に精通し、武芸と共に、
音曲の旋律と響きによって、邪を退け鎮め祓う人々がいる設定で、
楽器に精通しているのみならず、霊力をこめて、正確に曲を奏でることが必須。
たとえば「招魂」「安息」
「問魂」
「清心玄曲」
邪曲については、日本由来の秘曲という設定で、
清心音に、邪曲をひそませることで、効能を変化させて、人を死に導いたり、操ったりしたことが、悲劇の源になっている展開が肝で、
この、伝統的な楽器や、曲想を、神仙術に利用応用している描き方が、秀逸な印象です。
仙師の力の源泉を失い、聖剣が使えなくなった主人公は、鬼笛・陳情に霊力をこめて魔の旋律を吹くことを武器としました。
これが聖邪併せ持つ秘技となり、七弦琴の名手のバディとの絆に繋がっていきます(と、私は解釈している)。
それぞれが卓越した才を持ち、それぞれを認め合いながら、
その絆の深さを、琴と笛の合奏にも表し、それが二人だけの「忘羨」という曲に象徴される、
まさに「知音」。
そこが私が、『陳情令』に注目したきっかけでした。
以上は、生者の精神面や、亡者に対する鎮静の効力からの音曲ですが、
物理的な攻撃手段として、
こうした、琴のねを攻撃に使う場面は、アニメやドラマでは、音曲と共に音波動が攻撃となる、いい表現になっています。
また、“弦殺術”という技があって、ドラマ『陳情令』では、その由来を丁寧に表していますが、
原作では、このように説明されています。
女性の仙師の宗主が、効果的に身を守る秘技として開発したと見られますが、
楽器そのものを殺傷に使うというのが、清雅に反するため、非難されたのでしょうか。
『ゲットバッカーズ』・風鳥院花月の絃術
琴の弦を武器にしている…というと、
私には印象的だったのが、かなり前にアニメにもなった、
『GetBackers ー奪還屋ー』というコミックでした。
この中に、「絃術」という琴糸の秘技を受け継ぐキャラクターがいて、
中性的というより、女性にしか見えない男性キャラですが、それは琴技のためと説明されています。
Wikipediaから、琴に関わる設定部分を参照(適宜省略)すると、
作品全体の世界観がかなり異次元的に複雑で、
花月は、髪につけた鈴から、滝のように琴糸を噴射させて戦うのが、最初にアニメを見た時から不思議でした。
(実は、コミックがかなり長編なので、花月の素性や武技がわかるような展開以外、全部は把握していません💦)
以下、「絃術」について、やはり丁寧なので、Wikipediaを抜粋参照します。
私としては、開祖である戦国時代の少女の話を、独立した物語として、もっと知りたいところ。
技については、長いですが、なかなかに発想が面白いので引用します。
名前は風流ですが、
鋭い絃を使うだけに、恐ろしげな攻撃ばかりです。
代々、花月を忠実に守る家系の十兵衛は、針に特化した一族で、盲目でもあり、
耽美的な和風の風情で、『春琴抄』のような雰囲気でありながら、男性同士の絆ということで、
アニメでも見方によってはちょっとBL的でしたっけ。
(風潮として、BLをにおわせたほうが人気が出るらしいし)
主要戦闘シーンには、琴本体や演奏はまったく出てきません。
実際、戦闘に琴本体や音曲が必要となると、常時、琴を持ち歩かねばならず、
家元ながら琴は嗜みであり、武術に必要なのは絃のみとなれば、まぁあの絃の量自体がいかにもフィクションながら、
「絃術」というのも、理にかなっているといえるでしょうか。
『魔道祖師』でも、琴は持たなくても絃は携帯していたシーンがあったと思います。
音は害にも薬にも…を作品から知る
東洋の音楽観は、古代より思想的哲学的な面が強く、
宇宙天地人心を正しく整えるための、波動響震、
誤れば、世界を見出し魂魄を損ずる、呪術としての機能が重視されます。
舞踊も、曼荼羅を描くのと同様。
歌舞音曲は、ただ美しく、見栄えよく、耳に聴こえ良いだけのものではありませんでした。
それゆえに、戦闘ものや、スピリチュアル色の強い作品に描くのに、理にかなうものと思われますし、
単に武力的な特質ではなく、それを扱う人の資質に左右され、
魔を祓い悪を滅ぼし、改心を促す、
ある種、薬やパワースポットと同様の効能が付与されます。
今、記憶している作品を思い起こすと、
日本でもかねてから、そこに注目されるかは別として、「音」や「音曲」が、なんらかの武器や効能になっている話、
または、楽器を武器にしている話は、そこそこあったように思います。
武器でなくても、その楽器や音楽がキャラクターを象徴していることは、よく見かけたような。
『笛吹童子』や、
タイトルを思い出せないのでネットで探していたら、『月笛日笛』なんて義侠時代劇もあったり、
尺八を持つ虚無僧に扮した時代劇ヒーローとか。
そういえば子供の頃、そのキャラクターを象徴する音を奏でながら、颯爽と登場してくるヒーローに、ワクワクしたことがあったっけ。
(なんの作品だったかは覚えていません)
まず、音曲で「真打ち登場!」と威圧する効果があるわけです。
昔のアニメしか観ていないけれど、
『超時空要塞マクロス』とか、
最近では、『竜とそばかすの姫』とかは、
歌や音楽が効果を表す意味で、それっぽいのかしら。
かなり昔の、何かで見てなんとなく覚えているシーンでは、
『人造人間キカイダー』で、主人公はギターを背負って放浪し、
悪の組織は、この主人公を苦しめる、笛の調べを奏でていたような。
“音”や“響き”は、実際に、心理的にも肉体的にも、ある種、致命的影響を与えるもの。
周波数攻撃なんてのもあるし、直接耳に聞こえずとも、常に流されていることで、いつの間にか神経や細胞まで害されている響きは存在します。
実のところ、最近流行りのスピリチュアル楽器(クリスタルボウル、シンギング・リン、ライアー等)は、特に奏でる人自身の氣を練りこんで、増幅しつつ拡散する作用が顕著といわれ、
意識的な邪気や悪意はなくても、我意や自尊が過ぎると、その人のエゴやカルマが増幅されて放たれてしまい、
ちょっと耳にした印象では心地よさげであっても、長く聴くうち、だんだん気分が悪くなり、
ヒーリングどころか、陰の氣にとりこまれることもあります。
(ホントに車酔いのように吐きそうになったことがある)
誰のため何のため…というより先に、
こんな特別な楽器を持てて奏でられる自分てスゴイでしょ、ほ〜ら気持ちよくしてあげる、謹しみ敬って崇拝しなさい、私は特別な存在なんだから…みたいなセラピストも、中にはいるので、注意です。
波動増幅効果がある音具、特に琴や糸もの楽器は、古来より響きの影響が強く、
そのため、今のように趣味で気軽に扱えるものでない聖具として、
現在でも、ある種の琴は、楽部などにおいて、有識人格者として認められた人にしか許されないそうです。
趣味にせよ、嗜好にせよ、
ある範囲を超えて極める志をもって、
音を発すること、人前で披露することは、
上手い下手という技能以上に、
真剣であればあるだけ、
目の前で聴く人のみならず、
目に見えぬ波動の影響を世に放つことだという、
自覚と責務を持たなければ…と、自らも肝に銘じる思いです。
決して邪念を放つものであってはならない。
フィギュアをプレゼントしてもらい、部屋に飾ったことで、
久々に、楽曲や音曲や響きを武器とする話を思い出し、いろいろ思いを巡らせるきっかけを得ました。