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『枕草子』眞琴朗詠 第二段「ころは」②正月八日から十五日まで

第二段目は長いので、
一回を十分程度に、三分割して録音しました。

正月八日は、叙位の発表のあった翌日なので、位を得た人が挨拶回りに走り回る車の音が賑やかで、晴れ晴れしいと。

正月十五日は、小豆粥の日。
無病息災を祈念して供え、食する小豆粥を、
煮る際に使う粥杖で、女性の尻を打つ風習があったそう。
民俗行事で、似たようなならわしは、今もありますね。特に新婚さんの新婦は狙われます。

めでたいことではあっても、恥ずかしいので、
打とうとする者、打たれまいとする者の攻防を、みな、面白がっている。
挙げ句、女性ばかりでなく、男性まで打ったりして、
内裏であっても、この日は無礼講で賑わう様子が語られています。

またこの時期は、地方官を任命する「除目」の時期なので、中流以下の受領階級にとり、心穏やかでない日々。
上つかたに、任官申請の文書を提出したり、さまざまな伝手を頼って斡旋してもらおうと、自分の宣伝に努めたり、みな必死。
その様子を滑稽がって面白がる若い人たちもいるけれど、
結果により、悲喜こもごもなのが、
小豆粥の日の賑わいと対照的な悲哀として描かれています。

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