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求めざる物語

恐らくはストレスのせいだろうと思う

恐ろしく暗い夢をみた


暗くて 重くて やさしくなくて つまらない

そんな未来が 急加速しながら

ぼくらの現実になってしまう夢を。


起きている間も

半分はその夢に引きずり込まれそうになって

勝手に進む想像を

それも現実と結び付くような冷静な想像を

何とか止めようと 必死になっていた。



“人間が想像できることは

人間が必ず実現できる”

(Tout ce qu'un homme est capable d'imaginer, d'autres hommes seront capables)


フランスの小説家であるJules Verneの

言葉であると言われている。

『海底二万マイル』

これを書いた方だと言えば

ご存知の方も多いかもしれない。


この言葉に凍りついてしまった


良いほうに想像できればいいが

人間は愚かゆえ

時として悪いほうにも想像できてしまう

それが何よりも苦しくて恐ろしい


勝手に浮かんでくる想像を

とにかく必死に押さえ込んで過ごした

何をしていても浮かんでくる

そんな想像というのは

耐え難いものがあるのだと知った


いっそ止まらない想像なら

これを物語にして書いたら…

と考えてみたが、止めた。

こんな暗くて恐ろしいものを

自分が書いているということに

とてもぼくは 耐えられなさそう

それに ぼくが読む側なら

こんな暗くて酷い物語は読みたくない

そして万がいち

この暗い想像から生まれた物語を

面白いと言う人が出来てしまうようなら

そんな世の中で生きたくないと思ってしまう


暗くて重くて やさしくなくてつまらな過ぎる

何を取っても良いことがないので

この想像には蓋をして開けないと

強く心に決めた



いつものように

いや、いつもよりもっと

あたたかくて やさしい

そんな物語を探している

そんな世界を探してる













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